※当ブログはアフィリエイト広告を利用しています

音楽のこと

【鋼】Queensryche『Frequency Unknown』レビュー

2016年9月20日

※当ブログはアフィリエイト広告を利用しています

HAGANEYA(@imech_jp)です。

2013年リリース。一応、前作『Dedicated to Chaos』から2年ぶりとなる通算12作目のフルアルバム・・・なのですが、実は同年に『Queensryche(2013)』というセルフタイトルのフルアルバムがリリースされています。

Wiki などを見ていただくとわかりますが、この時期は Geoff Tate さん VS 楽器隊3人の対立構造が激化していた真っ只中であり、バンドの主導権を巡って互いの陣営が牽制し合っていました。

セルフタイトルのほうは Michael Wilton さん(Gt.)・Eddie Jackson さん(Ba.)・Scott Rockenfield さん(Dr.) のオリジナルメンバー3人に加え、ボーカルに Todd La Torre さん(ex. Crimson Glory) や Parker Lundgren さん(Gt.) を迎え収録されたものであり、結果的にはこちらが Queensryche の名を継承し現在進行形で活動しています。

一方の本作は、3人から愛想を尽かされた Geoff さんが旧バンド時代からの盟友 Kelly Gray さん・初期Queensryche のサポートキーボーディストを務めていた Randy Gane さん他、多数豪華ゲストの協力のもと "Queensryche" 名義でリリースされた作品です。もしこちらの "偽Queensryche" がバンド名の使用権を勝ち取っていれば、今頃は Geoff 陣営が "本家Queensryche" を名乗り活動出来ていたわけですが・・・長年にわたってファン(とメンバー)に嫌われるような行動ばかりとっていた時点で、戦う前から決着はついていた気もします。

さて、そんな本作は『Promised Land(邦題:約束の地 〜プロミスト・ランド〜)』辺りから脈々と続く、オルタナティブ・ロック路線の延長線上にある作風です。90〜00年代の Queensryche サウンドが好きだという奇特な方にとっては、(ある意味)安心して聴ける作品となっています。

スポンサードリンク

 

"豪華ゲストがもたらしたメタル要素" に不釣り合いなオルタナ路線

  1. Cold
  2. Dare
  3. Give It to You
  4. Slave
  5. In the Hands of God
  6. Running Backwards
  7. Life Without You
  8. Everything
  9. Fallen
  10. The Weight of the World

参加ミュージシャン

  • Robert Sarzo(Hurricane)
  • Rudy Sarzo(ex.Quiet Riot ex.Ozzy Osbourne Band ex.Whitesnake ...etc)
  • Simon Wright(ex.AC/DC ex.Dio)
  • Craig Locicero(ex. Forbidden)
  • Jason Slater(ex. Third Eye Blind)
  • Martin Irigoyen(Vernian Process)
  • Paul Bostaph(Slayer)
  • Jon Levin(Dokken)
  • Ty Tabor(King's X)
  • K.K. Downing(ex. Judas Priest)
  • Brad Gillis(Night Ranger)
  • Dave Meniketti(Y&T)
  • Chris Poland(ex. Megadeth)

作品の幕開けを飾る #1『Cold』のザクザクと刻むメタリックなリフには、ニューメタル系メロデス・サウンドを標榜していた時期の In Flames『Soundtrack to Your Escape』や Arch Enemy『Anthems of Rebellion』辺りを彷彿とさせるものがあり、"単に90〜00年代のオルタナ期をなぞっただけの作品ではない" という期待を聴き手に予感させるものだったりします。「ひょっとしたら "Halford" パターンもあるのかもしれない」と。

この淡い期待は #2『Dare』が流れ始めた瞬間に打ち砕かれることとなりますが、#1 と似た構造を持つ #8『Everything』など聴き応えがある楽曲もあり、なかなか侮れません。

とりわけ、Judas Priest の Night Comes Down (Defenders of the Faith)辺りを思わせるダークなパワー・バラード曲 #10『The Weight of the World』も非常に味わい深く、(本作誕生に至る諸事情さえ忘れて聴けば)素直に名曲と断言したくなる完成度です。

エクストリームなアレンジの方向性が微妙にズレている気がする #4『Slave』や、Aメロを正統派メタルに擬態したニューメタル・チューン #5『In the Hands of God』などの "何か惜しい" と言いたくなるような楽曲もちらほらあり、第一印象ではさほど印象に残らなかったにも関わらず "意外と聴けるかも" といった結論に達しつつあります。

 

"大人げないアートワーク" さえ無ければ・・・

本作唯一の汚点は "アートワーク" ではないでしょうか。まるでハードコア・バンドに転身したかのような "げんこつ" モチーフ自体は「趣味です」と言われてしまえばそれまでですが、いくら怒りが収まらないからって "FQU" のナックルはさすがに大人げないと思います(むしろ怒りたいのは3人のほうでしょ)。こういうところなんだよなぁ・・・

感じ方は人それぞれだと思いますが、楽曲は悪くないです。ただし "ゲストミュージシャンの無駄遣い" 感は否めないというか・・・オルタナ系統の作風にこのメンツはもったいないとは感じます。

この系統に限って言えば、個人的には 6th『Here in the Now Frontier』や 10th『American Soldier』辺りのポスト・グランジ・サウンドが好みですが、"ギターソロが多い" こちらのほうがメタラーはハマるかもしれません。

スポンサードリンク

 

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

-音楽のこと
-, ,