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音楽のこと

【鋼】Judas Priest『Stained Class』レビュー

2016年7月17日

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HAGANEYA(@imech_jp)です。

1978年リリース。どことなく寂しげな雰囲気が漂っていた最初期の名盤『Sad Wings of Destiny(邦題:運命の翼)』や、その後のJudasサウンドの原点を感じさせつつブリティッシュ・ロックの香りも残っている前作『Sin After Sin(邦題:背信の門)』に続く本作は、ヘヴィメタル・バンドとしての Judas Priest が産声を上げた記念碑的な作品です。

次作『Killing Machine(邦題:殺人機械)』がファッション面でのヘヴィメタルを確立した作品だとすれば、本作は "サウンド面" においてのヘヴィメタルを確立した作品だと言えます。

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"ハードロック路線" と "ヘヴィメタル路線" の折衷案的な作風

この後『Killing Machine』『British Steel』『Point of Entry(邦題:黄金のスペクトル)』とハードロック寄りの作風がしばらく続くことになるわけですが、本作はそれらの作品に比べると "上品" な印象を受けます。これは、後述する #1『Exciter』の楽曲構成によるものでしょう。

ある意味『Screaming for Vengeance(邦題:復讐の叫び)』『Defenders of the Faith(邦題:背徳の掟)』路線の原点的な作品であり、NWOBHM以降のメロスピ系バンドのご先祖様的サウンドとも言えるのではないでしょうか。

疾走ツーバス&中盤以降の仰々しい展開が後のメロスピ・シーンの隆盛を予測させる #1『Exciter』、裏打ち的なリズムのA・Bメロ〜サビで疾走曲に切り替わる感じが面白い #2『White Heat, Red Hot』、Spooky Toothの原曲をノリノリのハードロックにアレンジした #3『Better by You, Better Than Me』、Iron Maidenを思わせるギャロッピング奏法〜サビ直前のハイトーンボイスが意表を突く #4『Stained Class』、"UFOの着陸" を再現したイントロや宇宙的なエフェクト等ギミック多彩なスピード・チューン #5『Invader』、Led Zeppelinを彷彿とさせるサウンド&全編通してハイトーンボーカルが響き渡る #6『Saints in Hell』、超ハイトーンボーカルのイントロ〜スローテンポな三連符のリフが特徴的な #7『Savage』、バラード曲のA・Bメロ&ハードロックなサビが違和感なく融合した #8『Beyond the Realms of Death』、A・Bメロの邪悪なリフが90年代のJudasサウンドを彷彿とさせる #9『Heroes End』。

ハイライトは、やはり #1『Exciter』ではないでしょうか。というか、この曲を外してしまうと次作と似たような作風になってしまう気がします・・・

 

"メロディック・スピード・メタル" のプロトタイプ

本作は比較的後になって入手したこともあってか、個人的な思い入れはそこまで大きくないです。ただ、改めてじっくり聴いてみると、彼らのディスコグラフィの中でも重要なポジションにある作品だということがよく伝わってきます。

Judas Priest に思い入れが無い方も、本作を "メロディック・スピード・メタルのプロトタイプ" として聴いてみると、色々な発見があって面白いかもしれません。

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