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音楽のこと

【鋼】Slayer『Diabolus in Musica』レビュー

2016年11月25日

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HAGANEYA(@imech_jp)です。

1998年リリース。前作『Divine Intervention』から4年ぶりとなる通算7作目のフルアルバムであり、アメリカで30万枚以上のセールスを記録しています。プロデュースは Rick Rubin さんが担当。

ブラックメタルっぽい "コープスペイントの司祭" に "古代文字風のバンドロゴ&作品タイトル" を添えたアートワークは、Frank さんという方が手掛けています。Slayer のほうが先ですが、構図的には奇しくも同年にリリースされた Vanilla Ice さんの『Hard to Swallow (日本盤)』と瓜二つ。

前述の通り、いかにも90年代後半の匂いがプンプンしてくるようなアートワークですが・・・案の定本作は、当時のトレンドであるニューメタル要素を大幅に取り入れた作風となっています。

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立ち上がりの遅さは、肉体的な衰えやスキル低下ではなく "従来作との差別化"

輸入盤

  1. Bitter Peace
  2. Death's Head
  3. Stain of Mind
  4. Overt Enemy
  5. Perversions of Pain
  6. Love to Hate
  7. Desire
  8. In the Name of God
  9. Scrum
  10. Screaming from the Sky
  11. Point

 

国内盤

  1. Bitter Peace
  2. Death's Head
  3. Stain of Mind
  4. Overt Enemy
  5. Perversions of Pain
  6. Love to Hate
  7. Desire
  8. Unguarded Instinct
  9. In the Name of God
  10. Scrum
  11. Screaming from the Sky
  12. Wicked
  13. Point

本作のスピード・チューンは過去作とは異なり、序盤パートがミディアムテンポです。『Bitter Peace』『Scrum』『Point』は序盤1分前後まで、『Perversions of Pain』『Unguarded Instinct』は序盤2分前後まで、ニューメタル系の跳ねるようなリズムが続きます。

ただし、その後の疾走パートは "従来通りの" Slayer そのもの。単に立ち上がりが遅くなっただけで、やってること自体は過去作と何ら変わりがありません。

その立ち上がりの遅さも、肉体的な衰えやスキルの低下から来るものではなく "時代に合わせて施したアレンジ" に過ぎないことは、彼らのプレイを聴けば明白です。

また、『Death's Head』『Stain of Mind』『Love to Hate』『Screaming from the Sky』などのミディアムテンポ曲も単純なパワー押しではなく、Paul Bostaph さんによる手数の多いテクニカルなドラムが炸裂。例えるなら "Mudvayne 辺りのバンドからバラード曲やメロディ要素を抜いた" かのようなサウンド、といった感じでしょうか。

 

オルタナ路線は "10年前" の時点で既に取り入れていた?

一見本作だけを見ると、他のスラッシュ四天王よりも "オルタナ要素の導入を先送りにした" 印象を抱きがちです。

ですがそもそも、本作に近いアプローチは 4th『South of Heaven (1988年)』や 5th『Seasons in the Abyss (1990年)』の時点で既に取り入れており、解釈次第では "オルタナブームが来る前に、この手の音楽をやり尽くしていた" と言えるかもしれません。

あくまで個人的な意見ですが、本作は "4th〜5thのグルーヴ・メタル・スタイルをニューメタル・スタイルに置き換えた作品" だと思います。"約半分の楽曲が疾走パートを主体としている" という点も共通していますし、ミディアムテンポ曲のテクニカルなアレンジも秀逸です。先入観で聴かないのは少々もったいないかも・・・

なお、次作『God Hates Us All』も基本的に本作の延長線上の作風ですが、1999年に突如現れた "あの" Slayer チルドレンの音楽性を逆輸入し、フットワークの軽さが加わった作品となっています。

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