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音楽のこと

【鋼】Slayer『World Painted Blood』レビュー

2016年11月28日

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HAGANEYA(@imech_jp)です。

2009年リリース。前作『Christ Illusion』から3年ぶりとなる通算10作目のフルアルバムであり、アメリカで16万枚のセールスを記録した作品です。

プロデュースは、ヘヴィミュージック全般からポップス・ソウル・カントリー系の歌手まで幅広く手掛ける Greg Fidelman さんが担当。過去作同様、エグゼクティブ・プロデューサー名義で Rick Rubin さんの名前もクレジットされています。

"アンドレイ・チカチーロ" や "731部隊" をテーマにした楽曲があったりと前作以上に過激ですが、比較的オーソドックスなサウンドは "メタルコア/メロデス世代に焦点を合わせたスラッシュメタル" といった趣。何というか "同時代性が強い" 作風です。

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メタルコア/メロデス世代に焦点を合わせたモダンなスラッシュメタル

  1. World Painted Blood
  2. Unit 731
  3. Snuff
  4. Beauty Through Order
  5. Hate Worldwide
  6. Public Display of Dismemberment
  7. Human Strain
  8. Americon
  9. Psychopathy Red
  10. Playing with Dolls
  11. Not of This God

"二匹目の Reign in Blood" を目指したかのような前作のサウンドはそれなりに格好良いものの、楽曲構成がシンプル過ぎるせいか個人的にはあまり引っ掛かりませんでした(そもそも Reign〜 自体そんなに好きな作品ではなかったりします)。

本作も基本的には、前作の延長線上とも言えるスピード重視の作風ではあるのですが、不思議と飽きが来ないのです。

理由としては 4th『South of Heaven』5th『Seasons in the Abyss』のような緩急のある構成もあるとは思います。ただやはり、若い世代に向けて作られている印象はかなり大きいです。

#4『Beauty Through Order』の後半部分は、明らかに Lamb of God の "Now You've Got Something to Die For (Ashes of the Wake)" みたいなリズムやギターリフが入っていますし、#1『World Painted Blood』中盤の一部リフにもそんな雰囲気があります。

また、#5『Hate Worldwide』のイントロ〜 Aメロは、Soilwork の "The Chainheart Machine (The Chainheart Machine)" を彷彿とさせるデスラッシュ風味の楽曲です。

こういう後輩のオマージュ的なリフを嫌う方々も中にはいらっしゃいますが、個人的には "隠し味程度に取り入れるのは全然アリ" だと思っています。こういうのを見つけてニヤリとできるのも、メタルの楽しみではないでしょうか。

で、こういう遊びをたまに取り入れるからこそ、#2『Unit 731』#3『Snuff』#6『Public Display of Dismemberment』#9『Psychopathy Red』#12『Not of This God』などの「徹頭徹尾スラッシュメタル!」みたいな楽曲が活きてくるのかな・・・といった感じです。

 

"Jeff Hanneman の遺作" & "第二次 Dave Lombardo 期の終焉" を告げる作品

いかにも PIERROT 辺りが付けそうな "血塗ラレタ世界" というカタカナ混じりの中二病全開な邦題ですが、もちろん Slayer が V系になったわけではありません。こういう邦題って誰が付けてるんだろう・・・

なお、大変残念なことに Jeff Hanneman さん(Gt.) は4年後の2013年5月2日にアルコール性肝硬変で亡くなられています。また、同年2月には再び Dave Lombardo さん(Dr.) が脱退し、二代目ドラマーの Paul Bostaph さんが再加入。

バンドのほとんどの作曲を手掛け、Slayer のハードコア枠担当みたいな方だっただけに楽曲制作への影響もありそうでしたが、次作『Repentless』では拍子抜けするほど "いつも通り" の Slayer サウンドを体現。さらに、Paul Bostaph さん加入によって 6th『Divine Intervention』の香りも微かに漂う作風となっています。

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