ゲームパッド界隈でコンスタントに新作を発表し続ける ipega。今回は、同社の『PG-9083S』という Bluetoothゲームパッドをご紹介します。
結論から先に言うと、買って良かったです。
詳しくは後述しますが、本製品を導入したことにより "パッド対応ゲームの操作性がさらに底上げされた" と率直に感じました。これは、一体型(装着型?)ゲームパッドならではのメリットだと思います。
『ipega PG-9083S』のスペック
-- | スペック |
---|---|
対応機器 | iOS (iOS11以降) / Andriod (4.2以降) / Windows (7/8/10) |
接続規格 | Bluetooth4.0 / Micro-USB |
バッテリー | 380mAh(1~2時間の充電で15~20時間連続使用可能) |
バッテリー寿命 | 約3年 |
充電時間 | 約2時間 |
対応タブレット | 1cmまでの厚みに対応 |
サイズ (横幅) | 11.7cm (伸縮前) ~ 28.1cm (伸縮後) |
重量 | 408g |
材質 | ABS |
『ipega PG-9083S』を開封してみる
11月1日の午後に注文し、商品が届いたのが11月3日。お急ぎ便を使っていないにも関わらず、かなり早く到着しました。
外箱には凹みやキズなどは一切無く、とても綺麗な状態で届きました。パッケージは想像以上に高級感があります。
同梱されているのは、以下の4点。
- Micro-USBケーブル
- 保証書
- 説明書(日本語)
- 説明書(外国語)
正面および上面・底面から見た図。
方向キー・ABXYボタン・L1R1/L2R2ボタン・START/SELECTボタンはもちろん、近年のゲームパッドの標準装備ではる左右アナログスティックも搭載。スティックは中央部分を押し込むことにより、L3R3ボタンとしての機能も備えています。
ペアリングの際は、左端の "HOME" ボタンを押してください。
ゲームパッド左側の底面部分には、Micro-USBケーブルの差込口があります。差込口は非常に固いので、破損しないようご注意ください。
主に充電するために使用しますが、パソコンと接続することで有線ゲームパッドとしても利用可能とのことです。ただし、私の環境では動作確認が取れていません。
もっとも、わざわざタブレット一体型の Bluetoothゲームパッドを買っておいて、それをパソコンに有線接続して使うような奇特な人が果たしてどのぐらい存在するのだろうか?とは思いますけども・・・
左側面および右側面から見た図。
携帯性は完全無視で、操作性にパラメータを全振りしたかのような立体的かつ流線的なデザインです。おそらく、Wii Uゲームパッドだったり Nintendo Switchを室内でプレイするタイプのゲームユーザーを対象としているのだと思います。
左側面にあるスイッチは『PUBG』『荒野行動』などのゲームをプレイする際に使います。左端にあるドロイド君のアイコンがAndroid用、真ん中のアンテナ付きテレビみたいなアイコンが iOS用です。
ただ『ShootingPlus V3』という設定アプリが必要とのことで実際にインストールして試してみたところ、残念ながら手持ちの Androidタブレットでは接続できませんでした。一応『ShootingPlus V3』無しで『PUBG』などを動かしてみたのですが、右アナログスティックがわずかに反応するだけで、それ以外はタッチパネルで操作するしかないという残念な結果に。
もちろん、たまたま手持ちのタブレットが対応していなかっただけであり、他のユーザーさんの動作報告を見る限り、正常に接続できているケースも結構あるみたいです。バトロワ系ゲーム目的で『PG-9083S』の導入を検討されているのであれば、そちらを参考にされてみてはいかがでしょうか。
背面から見た図。
RESETボタンは、ペアリングが上手くいかなくなった際に使います。細い棒などを使って5秒間ほど長押しすることで、デバイスの再設定ができるみたいです。
また、LOCK/RELEASEのツマミを左側にカチッと動かすことにより、ゲームパッドの横幅を 11.7cm から 28.1cm の間で調節できます。
8インチの Androidタブレット(Lenovo TAB3 8 Plus)を下に置いてみました。
ゲームパッドを最大まで引き伸ばした状態で、写真にあるような8インチのタブレット端末がちょうどピッタリ収まります。ギリギリ入るか入らないかではなく、きちんと余裕があるという意味での "ちょうどピッタリ" です。
実際に Androidタブレットを装着。
色合い的には、現代に蘇った携帯版『Atari Jaguar』。もしくは現代版の『Atari Lynx』とでも形容できそうな、アメリカンサイズの携帯ゲーム機がここに誕生しました。
『ipega PG-9083S』のココが良い!
手元でボタンとタッチパネルを両方操作できる
Bluetoothゲームパッドは既に 8BitDoの『NES30 Pro』を持っており、Androidタブレットでのゲーム環境はそれなりに構築できていました。何やかんや、このゲームパッド使って500時間以上はゲームやってるんで。
デザインの良さもさることながら、ゲームパッド本体の軽さ、ファミコンを彷彿とさせる若干固めなボタンのストロークなどなど、コチラにはコチラの良さがたくさんあります。
ただ『NES30 Pro』には、どう頑張っても実現できない芸当があるんですね。それが、タブレット端末を "モニター付きの" 携帯ゲーム機に変えるということです。
スマホ&タブレットのゲームはその仕様上、タッチパネル操作を前提とした場面が多々出てきます。オプション・コンフィグ・設定などの類もそうですが、選択肢を選ぶ際に画面タッチ以外の操作を受け付けないゲームも意外と多いのです。その際に普通のゲームパッドだと、ちょっと離れたところに置いてあるタブレットに手を伸ばして操作せざるを得ないため「そういえば、タブレットでゲームしてたんだっけ」と我に返ってしまうわけですね。
『ipega PG-9083S』はタブレット端末を真ん中に挟んで固定するタイプのゲームパッドです。手持ちのタブレット端末がそのまま "タッチパネル付きのモニター" になるため、手元でボタン操作・タッチパネル操作の両方を行うことができます。
『NES30 Pro』と『PG-9083S』の両方を実際に使ってみて痛感しました。手元でタッチパネル操作できるか否かが、意外とゲームへの没入感を左右する重要な要素だということを。
メーカーの身元がハッキリしている
は、1994年に創業した中国・深センの電子機器メーカーです。Bluetoothゲームパッドを探していて、ブランド名を見かけたことがあるという方も結構いらっしゃるのではないでしょうか。
それもそのはず。ipegaはゲームパッドの製造において現時点で20年以上のキャリアを持っており、次から次へと出てくる身元がよく分からない中華ガジェットとは立ち位置が明確に異なるのです。
他にも、有名どころだと『8BitDo』『Anker』『GPD』などのメーカーも、行方をくらまさずコンスタントに新製品を発表し続けています。中華ガジェットとなるとついついひと括りにしてしまいがちですが、先述したメーカー群は少なくとも "雲隠れされる心配が少ない" ため、分けて考えても良いのかもしれません。
据置ゲーム機レベルのボタンストローク&グリップ感
『ipega PG-9083S』は本体の奥行きが贅沢にとられているため、据置ゲーム機のコントローラーに迫るグリップ感&ボタンストロークを実現しています。
もちろん、携帯性がガッツリ犠牲になっているのは言うまでもありません。が、さすがに本製品を付けたままのタブレット端末を外に持ち出す人はあまりいないと思いますし、特に問題は無いかと。どうしても持ち歩きたいのであれば、取り外せば良いだけの話ですし。
なお、ボタンのストローク・押し心地については、以下のような感じです。
- 方向キー → 良い意味でストローク深め。任天堂の携帯ゲーム機(GBASP/初代DS/3DS)のようなクリックするタイプの方向キーではなく、据置ハードのような押し心地。ドリームキャスト辺りが一番近いかも?
- ABXYボタン → ネットの商品写真から漂う固そ〜うな見た目とは裏腹に、めちゃめちゃ普通。固過ぎず柔らか過ぎずなので、PS系のボタンが好きな人向け。
- L1R1/L2R2ボタン → PSっぽい感じ。ちょうど良いストローク。
- アナログスティック → デュアルショックなどと同様の球形タイプ。ただ、端から端までの距離が長い(可動域が広い?)せいか、繊細な操作には慣れが必要かも。
- START/SELECTボタン → 左右に分離している上に小さいため、若干操作しづらい。
スタート/セレクトボタンに若干の不満があることを除けば、操作感は非常に良好だと言えます。
『ipega PG-9083S』のココが惜しい!
端末の素材によってはスベり落ちるかも?
今回の検証に使った『Lenovo TAB3 8 Plus』は裏側がサンドブラスト加工されており、いわゆるサラサラ系のタブレット端末です。
そのため、装着済みのゲームパッドを逆さまにすると、しっかりホールドしているにも関わらずタブレット端末が少しずつズレ落ちてきます。プラスティックやアルミだと、もしかすると本項の欠点を潰せるのかもしれませんが、未検証なので断言はできません。
とは言え、端末自体はグラグラすることもなく、快適にゲームをプレイすることが可能です。でも危ないので、ひっくり返すのはやめておきましょう。
ペアリングにやや時間が掛かる(NES30 Proとの比較で)
あくまでも体感ですが、以前に使っていた『NES30 Pro』が割と一瞬でペアリングしてくれていたんですね。むしろ「何でこんなに早いの?」とツッコみたくなるぐらいで。
それに比べると『ipega PG-9083S』は、アイコンが接続状態になるまでに若干時間が掛かる印象を受けました。場合によっては、再設定し直さなければならないこともあったりして。
まあ・・・一般的な Bluetooth機器と同じぐらいの早さなので「こんなもんかな?」といった印象です。
まとめ
まとめると、こんな感じです。
- 手元でボタンとタッチパネルを両方操作できる
- メーカーの身元がハッキリしている
- 据置ゲーム機レベルのボタンストローク&グリップ感
- 端末の素材によってはスベり落ちるかも?
- ペアリングにやや時間が掛かる(NES30 Proとの比較で)
3DSなどでカバーしきれない Androidゲーム(GTA・マイクラ・Stardew Valley・オーシャンホーン・ロマサガ2リメイク・聖剣1リメイクなど)が携帯ゲーム機感覚で快適にプレイできるのは最高ですね。
冒頭の繰り返しになってしまいますが、買って良かったです。期待どおり。
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