メディアでは一芸に秀でた方々がよくピックアップされがちですが "1つのことをずっと続けられる" "ストイックな状況に耐えられる" ことは、同等もしくはそれ以上の才能だと思っています。もっとも、一芸に秀でた方々が同時に継続力・忍耐力も持っているパターンは、枚挙に暇がありません。
ソシャゲ・ネットサーフィン・YouTube・テレビ番組・ジャンクフード・酒・タバコなどなど、世の中は人の継続力や忍耐力を奪うような罠で溢れかえっています。
ところが、こういった罠を回避する方法は、あまり大々的に取り上げられません。仕掛ける側からしたら、罠にかかったままでいてほしいからです。
ですが、人生にはタイムリミットがあります。巧みに我々をハメようとしてくる対象とは距離をおかなければいけませんし、それを怠ることで損するのは "将来の自分" です。
そんな "罠" を回避する方法がシンプルかつ分かりやすくまとめられているのが、今回ご紹介する『続ける技術』という本です。
『続ける技術』を読んでみての感想
筆者の石田淳さんが仰っていること自体は物凄くシンプルなので、どこまでがネタバレになるのかどうかが難しいところです・・・どう書けば良いんだろう。
簡単に言うと、本書が言いたいのはこういうことです。
- やるべきことに費やす時間を増やそう
- やめたいことに費やしている時間を減らそう
当たり前過ぎて「いや、それはわかってるんだよ!」といったツッコミが聞こえてきそうですね。まあ、それはともかく。
では、やるべきことに費やす時間を増やすには、一体どうすれば良いのか?
やめたいことに費やしている時間を減らすには、一体どうすれば良いのか?
本書では、先述した疑問に対する対処法を知ることが可能です。
具体的なワードを出しちゃうとアレなので、私が実際に日常生活に取り入れている例を挙げたいと思います。
朝起きてすぐ風呂に入るのが億劫
→ 睡眠時間が足りていないのでは? → 就寝時間を前倒しする
就寝時間を前倒しすることができない
→ 体が疲れていないからでは? → 筋トレを取り入れてみる
筋トレする時間が捻出できない
→ 筋トレする時間を小分けにしてみては? → 食前・食後のそれぞれ10~15分を筋トレタイムとして固定する
そもそも筋トレしたくない
→ 筋トレのメリットを知らないのでは? → 筋トレを行うことによるメリットを調べたり、将来の自分を想像する
何も考えたくない
→ とりあえず寝ろ
一例に過ぎませんが、私の場合は大体こういう感じでやっています。もちろん、先述した対処法が正解とは限りません。
早い話が「遠足や修学旅行などで当日になってバタバタしないよう、前日にできることをやっておこうね」みたいなことです。
それができたら苦労してないよ・・・
と思いますよね。
というわけで本書では、半ば依存症の状態まで来てしまった悪習慣を改善するためのヒントを知ることができます。
前項の例だけ見ると、結局「がんばらなきゃ!」と自分自身に鞭を打っている感じのニュアンスに思える方も中にはいらっしゃるかもしれません。ですが、無理やり自分を奮い立たせようとしたって限界があるわけです。
本書は、あくまで "精神論に頼らずに" 継続力を身につけることを目的としています。
それゆえ、多くの方々がつまずいているであろう "前段階での動機づけ" "誘惑から距離を置く方法" などについても、有効な対処法が書かれています。
もちろん、理屈だけで語られてもなかなかピンと来ないでしょう。そのため、本書では5人分のエピソードが序盤(Before)と終盤(After)に用意されています。
その5人が本書の手法を取り入れることでどのように変化したか?こういった事例を踏まえることにより、自分のケースに置き換えて考えやすくなっているわけです。
周りの協力が必要かも
気になるのは、取り入れるにあたって周りの人間の協力が必要となってくる対処法が多いことです。
協力者がいらっしゃる場合は特に困らないかと思いますが、中には孤軍奮闘せざるを得ない状況の方もいらっしゃるのではないでしょうか。かく言う私がそうだったりします。
なので私の場合、1人でも行けそうな対処法のみをつまんで取り入れている感じです。
単純作業には有効だけど、頭を使う作業にはやや不向き
経験則からの意見になってしまいますが・・・私の場合、本書で書かれている対処法がヒントとなり、単純作業を無理なく続けられるようになりました。一番長いものだと、既に丸4年は休まずに継続できています。
一方で、行動するにあたって "考える" パートが入ってくる作業については、どうも一筋縄では行かないみたいです。
頭脳労働にあたるかどうかは分かりませんが、私の場合 "ブログの更新" がこれにあたります。「更新頻度を上げたい」とか「ブログを休みたくない」と考えても、なかなか思うようにいきません。
決して肉体労働・単純作業を下に見ているわけではないということをお断りした上で、あえて言うと "頭脳労働は肉体労働の何倍もエネルギーが必要" だと感じます。なぜなら "内容が毎回変わる" からです。
では、考えるためのエネルギーがもっとも蓄積されているのは、一体どんな時なのか?
これについては、本書だけではなく『スタンフォードの自分を変える教室』などの本も参考にされてみると良いかもしれません。99ページが特に参考になります。
あとがき
本書はあくまでも "継続力を養うための入り口" だと考えておくと良いです。
とは言え、悪習慣に至るメカニズムや良質な習慣に至るまでのプロセスを知れるだけでも、間違いなく現在の自分を軌道修正していくキッカケになるかと思います。
当記事では触れませんでしたが、目標設定の仕方なども具体的に解説されていますので、もし興味があればぜひ参考にされてみてください。
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