世間が『Nintendo Switch Lite』の登場で盛り上がる中、あえて『Newニンテンドー3DS LL』を買ってみました。
とは言え、さすがに今さらにもほどがあるので、発売直後のような詳細レビューをするつもりはありません。ただただ、私の感想を垂れ流すのみです。単なる備忘録。
既に3DSをお持ちであれば、"8年越しに3DSを初めて触った人" を生暖かく観察する視点で。実はまだ 3DSを持っていないけど気になっているという場合は「今から買っても楽しめるのか?」みたいな視点で、記事をお読みいただけると幸いです。
『Newニンテンドー3DS LL』を開封してみる
メーカー生産は既に終了しているため、中古で購入。パッケージ左下に若干の擦れがありましたが、他は特に問題無し。
ちなみに、価格は【10,980円】。コンディションは【非常に良い】でした。タイミングにもよりますが、この好条件にも関わらずNew3DS LLが1万円前後で購入できる時代になったのは有り難いですね。
表・裏・上・下から見た図。見ての通り、かなりの美品です。
ちょっと分かりにくいですが、単なるブラックではなく "斜めストライプ" が入ったデザインです。この後すぐにカバーをかぶせるわけですが、裸のままで使いたくなるような高級感があります。
タッチペンはちょうど、下画面の左端から右端までの長さと同サイズ。
保証書・取扱説明書などは、折れなども無く綺麗な状態。ARカードに至っては、なんと未開封。
併せて購入した『マリオ&ルイージRPG1 DX』『ソニックトゥーン ファイアー&アイス』の 2タイトルを起動。
マリルイは原作であるアドバンス版に当時ハマっていましたが、グラが『スーパーマリオRPG』みたいになっていて感動しました。
ちなみに。ダウンロード版は基本的に値下がりしないので割高感がありますが、パッケージ版なら下手すりゃ送料のほうが高くつくぐらいの激安価格で手に入ります(ソニックは 228円でした)。
周辺機器・アクセサリー類も揃えてみた
アクセサリーって、本体と一緒にまとめて購入しておかないと面倒くさいんですよね。後から揃えるのが。
まずは HORIの『TPUやわカタカバー』。神経質なガジェット好きには必須アイテムですね。
カバーを装着した状態がこちら。せっかくの斜めストライプ柄が目立たなくなってしまいましたが、グリップ感は大幅に向上しました。
続いて、これまた必須の保護フィルム。HORIの『空気ゼロピタ貼り』という商品です。
で・・・すぐに貼ろうと思ったんですけど、中古品なので既に保護フィルムが貼ってありました。しかも状態が良かったので、こちらは予備で取っておくことに。
3DSには充電器が付属しないということだったので、純正ACアダプタも買っておきました。
純正アダプタは接触不良の心配が少ないので安心感はあります。ただ、電源タップに挿すと周りのコンセントに被ったりして、使い勝手が若干悪いんですよね。
なので、後から USB接続可能な充電コードも購入しました。新モデルも出ているのですが、デザインにこだわりが無ければコチラで十分だと思います(安いし)。
一応バッテリーも購入しておきました。純正バッテリーは 1750mAhですが、こちらの互換バッテリーは 2500mAhとなっています。
後述しますが、今回購入した New3DS LLはバッテリーが意外と劣化していなかったので、そのまま使っています。互換バッテリーは、現在のバッテリーがヘタってきたら挿し替えることにしました。
任天堂の公式情報によると、microSDカードは 32GBまで認識するとのこと。
ただ、非公式で 64GBや 128GBに対応させてしまった猛者もいらっしゃるようです。故障が心配なので私は試していませんが、もし興味があれば挑戦してみてください。
参考記事
3DSのmicroSDを64GBに変えました!32GBが限界って少なすぎない?|おやクリブログ
【3DS_0001】128GBのSDカードを3DSで使用|瑞季可愛すぎ!!
なお New3DSシリーズに限り、バッテリーも microSDカードも本体の裏ブタを開けて挿入することになります。旧3DS・旧2DS・New2DSLLは、SDカード着脱の際に裏ブタを開ける必要はありません。
裏ブタには 2箇所ネジで留めてある部分があるので、精密ドライバーを使って緩めます。
本体と裏ブタとの間にはわずかな隙間がありますので、その部分にギターピックなり爪なりを挿し込んで、テコの容量で力を入れてみてください。すると、パカッと裏ブタが取れるはずです。
余談ですが、ネジは裏ブタから外れない構造になっています。なので、もし microSDカードを頻繁に抜き挿しするのであれば、面倒なのでネジを緩めたままにしておくと良いかもしれません。
あえて今、Newニンテンドー3DS LLを買った理由
安く買える
ニンテンドー3DSには、いくつかバリエーションが存在します。
- ニンテンドー3DS / 3DS LL
- ニンテンドー2DS
- Newニンテンドー3DS / 3DS LL
- Newニンテンドー2DS LL
スペックを考えると、さすがに今から初代3DSや初代2DSを選択するのは現実的ではありません。おそらく『Newニンテンドー2DS LL』か『Newニンテンドー3DS』の2択になるのではないでしょうか。
そんな 3DSシリーズの中では上位スペックの2モデルですが、New3DS/3DSLLは中古で1万円前後。New2DSLLに至っては何と、新品で1万円を切る相場価格となっています。
『Nintendo Switch Lite』が2万円前後で販売されている以上、3DSシリーズがそれらと同価格帯で売られ続けるわけが無いのですが、それにしても随分と安くなったものです。
まだバッテリーがヘタりきっていない(初代2DS国内版、New3DS/3DS LLなど)
さすがに初代3DSは発売時期が古過ぎるため、中古で買うとバッテリーが劣化している可能性があります。
ですが、発売年が比較的新しい初代2DS国内版(2016年2月27日発売)や New3DS/3DS LL(2014年10月11日)などに関して言うならば、バッテリー状態が良好な中古ハードを手に入れられる確率は高いです。
2017年7月13日に発売された New2DS LLについては、バッテリーの劣化どころか "まだまだ新品が手に入りやすい" 状況なので、1台ぐらい確保しておいても良いかもしれません。
ちなみに私は New3DS LLのブラックを中古で購入したのですが、公称のバッテリー持続時間である3時間30分ぐらいであれば余裕で持っています(立体視をONにした状態で)。
DS~3DSまでの全てのタイトルが遊べる
Wikiによると、まず 3DSだけで合計1,854本ものタイトルが用意されています(DL専用ソフト含む)。
- 3DSソフト → 全667タイトル
- 3DS DLソフト → 全906タイトル
- 3DS バーチャルコンソール → 全281タイトル
また、3DSシリーズはいずれも "DSとの下位互換機能" を備えているため、以下のソフト資産も加算されます。
- DSソフト → 全1,841タイトル
- DSiウェア → 全494タイトル ※ニンテンドーeショップにて販売継続中
合計すると、全4,189タイトル。
国内のみのタイトル数です。
なお 3DSはリージョンロックが掛かっているため、海外タイトルは原則プレイ不可とのこと。とは言え(よっぽど日本未発売のタイトルに興味があるという人を除けば)国内タイトルだけでこれだけの本数が遊べれば十分でしょう。しかし、とてつもない数だ・・・
バーチャルコンソールが利用可能な最後のハード
ご存知の人も多いかと思いますが、Nintendo Switchでバーチャルコンソール(レトロゲームのダウンロード販売サービス)を利用することはできません。
後継サービスである『Nintendo Switch Online』は定額課金制となっています。また、7日ごとにオンライン認証しないとゲームが遊べなくなるため、完全オフラインというわけでもないようです。
Q.
『ファミリーコンピュータ Nintendo Switch Online』はインターネット環境のない場所でも遊べますか?A.
インターネット環境のない場所でも、最大7日間は『ファミリーコンピュータ Nintendo Switch Online』をお楽しみいただけます。もし『ファミリーコンピュータ Nintendo Switch Online』を起動できない場合、再度インターネット接続をお試しください。
もちろん、基本無料&オンライン接続のスマホゲームが市民権を得てしまっている以上、ゲーム業界が定額制のオンラインサービスへと移行していくのは当然の流れです。なので、この点について任天堂を責めても仕方がありません。
さて、そうなってくると 3DSに独自の立ち位置が生まれます。レトロゲームを買い切りで入手できる最後の任天堂携帯ゲーム機、という立ち位置です。
任天堂が "Swich Lite以降も3DSのサポートを継続する" と公言した背景には、もしかすると「バーチャルコンソールを利用したいユーザーを繋ぎ止めておきたい」という思惑もあったりするのではないでしょうか。
参考記事
新型「スイッチ Lite」以降も3DSのサポートは継続―ニンテンドー・オブ・アメリカ社長が明言|Game*Spark
あえて意地悪な言い方をするならば、"後継ハードの仕様・サービスを一部劣化させることで、旧ハードにも利点を残しておく" 的な任天堂おなじみの手法に見えなくもないです。ただ、言い換えると「まだ3DSを切るつもりはないよ」というメッセージにも捉えられる気はします。
2画面やタッチパネル操作を "無理強いしてこない"
DS最大の売りは、"2画面" と "タッチパネル" 。そのため DS初期は、これらの要素を無理やり絡めてくるようなゲームも少なくありませんでした。
例えば、完全タッチペン操作の『ゼルダの伝説 夢幻の砂時計/大地の汽笛』だったり、タッチペンで魔法陣を描くパートが出てくる『悪魔城ドラキュラ 蒼月の十字架』だったり。2画面を "縦長の1画面" として扱う『ヨッシーアイランドDS』『魂斗羅DS』なんてのもありましたね。いずれも、DS以前のハードではコントローラのみ・1画面のみでプレイできていたシリーズです。
DS後期になると、タッチペン操作を強いるゲームは減ってきました。ですが当時は、先ほど挙げたタイトル群に対して「コントローラだけで操作できたらなぁ・・・」と思いながらプレイしていたのも事実。クリエイターの方々が 2画面やタッチパネルを絡めたい気持ちも分かるのですが、やはり今となっては蛇足だったと言わざるをえません。
そんな DSの特徴を受け継いだ 3DSですが "2画面とタッチパネルが既存装備になった" ことで、特殊な演出や操作を無理強いするようなタイトルが激減しました。「新要素を絡めなきゃ!」という気負いが無くなったことにより、3DSで発売されたタイトルの完成度が全般的に上がったように感じます。
おそらく "上画面のみ裸眼立体視に対応させた" ことも影響しているのでしょう。メイン(裸眼立体視をアピールしたいほう)のプレイ画面を1つに絞ったことで、もう1つの画面が自ずと "補助" 的な役割に落ち着いたわけですね。
2画面携帯ゲーム機で最も高解像度&ハイスペック
Switchがどれだけハイスペックだとしても、2画面を搭載した 3DSに逆立ちしても敵わない箇所があります。
証人の証言を読みながら証拠品と照らし合わせる『逆転裁判』。
マッピングシステムが作品の大きな魅力である『世界樹の迷宮』。
マップを見ながらフィールドを隅から隅まで埋めていく、メトロイドヴァニアやローグライク。
今挙げたものは共通して、1画面でもプレイは可能だけど "1画面だとストレスを感じる場面が出てくる" タイプのゲームです。
そしてこれを、PSPとほぼ同程度の解像度、PS2やゲームキューブのタイトルを移植できるスペックを備えつつ、2画面で遊ぶことができるハードは今のところ存在しません。
ちなみに、2画面携帯ゲーム機には前世代の『ニンテンドーDS』もありますが、こちらはさすがに解像度が低過ぎて現在プレイするには厳しい場面もあります(テキスト量が多いゲームなど)。3DSはパッと見こそ DSと代わり映えしませんが、中身は大きく進化しています。
少なくとも現時点で 3DSは、これ以上のスペックで作るとなると(主に開発コストの高騰やバッテリーの持ちなどが理由で)2画面を捨てなければならない、というギリギリのスペックだったのではないかと思います。Nintendo Switchが 1画面で登場したのも、そういったことが背景にあるのではないでしょうか。
ドット絵・ローポリの "味" を感じることがギリギリ可能な最後のハード
初代3DSが登場する 1年前、既に Retinaディスプレイを売りにした『iPhone4』が登場しており、中には「今さらこの解像度?」と思った人もいらっしゃるかもしれません。
ですが時として、画質の粗さは大きな武器となります。
例えば、スマホ&タブレットで発売された『逆転裁判』のキャラクターの輪郭が妙にツルッとしてしまったことで、何となく違和感を覚えませんでしたか?自分は違和感を感じたので、同タイトルをスマホやタブレットではなく 3DSでプレイしました。ドットの味が欲しかったからです。
参考記事
逆転裁判123HD|iPhone AC 番外レポート
最近は、昔のゲームが移植される際にスキャンライン効果を掛けられるものもあったりします。
ファミコンやスーファミを液晶モニターに繋げてプレイした時に「あれっ?思ったほどテンション上がらないな。やっぱり "思い出補正" なのか?」と思われた人もいらっしゃるのではないでしょうか。確かにそれも、一理あるでしょう。
でも我々があの当時に見ていたのは、ただのドット絵・ローポリではなく "ブラウン管の歪み" や "フロントライトの白みがかった発光" や "走査線で輪郭をぼやかされた画面" 越しの映像だったりすると思うんです。携帯ゲーム機だと "残像" "薄暗い画面" "黄緑色の液晶" なんかも、懐かしさを引き出す要素かもしれませんね。
3DSは携帯ハードなのでブラウン管の歪みだとか走査線のぼやけなどはありませんが、それでも良い意味で "もどかしさ" を感じる、絶妙な解像度です。これ以上の高解像度になってくると、おそらくそういった "低解像度ゆえの味" は無くなるのではないかと個人的には思っています。
裸眼立体視について
奥行きが "ゲームへの没入感" を生む
自分が(3Dブレ防止機能が搭載された)New3DSLLから入ったことでネガティブ面をスルーできたことも大きいかもしれませんが・・・にしても、裸眼立体視はネット上で不当に過小評価されていると思います。
正直、裸眼立体視がプレイヤーに及ぼす "ゲームへの没入感" は、思っていた以上に大きかったです。
基本的には、オブジェクトが眼前に飛び出してくるというより "空間に奥行きが生まれる" タイプの立体映像だとお考えください。飛び出す絵本のようなものを想像されていると肩透かしを食うかもしれませんが "画面の奥にもう1つの世界が広がっている" のを見ると、何とも不思議な感覚に包まれます。
せっかくなので、以下に『マリオカート7』のステレオグラムを貼ってみました。もし立体視が得意であれば、ぜひ試してみてください(平行法です)。
いかがでしょう。意外と奥行きがあってビックリしませんでした?
3DSの裸眼立体視は、いわゆるステレオグラム(平行法・交差法)を行う労力を、人間側ではなく "ゲーム機本体側が" 負担することで実現している感じでしょうか。細かい仕組みはよくわかりませんが「スゴいことを考える人がいるんだなぁ・・・」と感動しました。
ただし、立体視の品質・使いこなし具合については、メーカーによって大きく差があります。
3D対応そのものをやめてしまうサードが続々と現れ、任天堂自身が晩年に『Newニンテンドー2DS LL』というコンセプト全否定のマイナーチェンジモデルを出すぐらいですから、裸眼立体視機能の扱いは我々が思っている以上に大変だったのかもしれません。
裸眼立体視の使い道は、奥行き "だけ" とは限らない
任天堂が掲げている 3DSの売りは "裸眼立体視" であり、3DSの実機映像を見ていない方々の一般的なイメージは "オブジェクトに奥行きが生まれる" といったものではないかと思います。
確かにそれも合ってはいるのですが、この裸眼立体視という機能を異なるアプローチで活用しているタイトルが存在します。『セガ3D復刻アーカイブス』シリーズです。
このシリーズはセガの名作レトロゲームを単にベタ移植するのみならず、ユニークな付加価値をつけています。
以下は『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』の移植ですが、実機で見るとソニックが手前に、背景が奥に表示されているんですよね。この "奥行き" という要素は 3DS移植ならではの付加価値だと言えるでしょう。
続いて、以下をご覧ください。一見すると先ほどの写真と同じに思えるかもしれませんが、よくよく確認すると画面が歪んでいるように見えませんか?
実はこれ、裸眼立体視機能を使って液晶の中に "ブラウン管テレビ" を再現しているんです。あと少々分かりにくいですが、ブラウン管表示にすると画面全体がやや赤みがかった色調になるため、よりレトロ感が強調されます。
つまり、こちらのモードではキャラと背景に奥行きを持たせる方向で裸眼立体視を使わず、ただただ "ブラウン管テレビの丸み・くすみ・にじみ" の再現に徹しているわけです。
『セガ3D復刻アーカイブス』の評判は聞いていましたが、こういうことだったんですね。オムニバスゲームは数あれど、こんな凝った演出は今まで見たことがありません。
まとめ
まとめると、こんな感じです。
- 安く買える
- まだバッテリーがヘタりきっていない(初代2DS国内版、New3DS/3DS LLなど)
- DS~3DSまでの全てのタイトルが遊べる
- バーチャルコンソールが利用可能な最後のハード
- 2画面やタッチパネル操作を "無理強いしてこない"
- 2画面携帯ゲーム機で最も高解像度&ハイスペック
- ドット絵・ローポリの "味" を感じることがギリギリ可能な最後のハード
- 奥行きが "ゲームへの没入感" を生む
- 裸眼立体視の使い道は、奥行き "だけ" とは限らない
前項でも触れましたが、裸眼立体視の使い道を "ブラウン管テレビの再現" みたいな方向にも掘り進めていけば、何か別の可能性があったんじゃないかなぁ・・・なんてのは素人考えでしょうか。最近 VHS風エフェクトとか微妙に流行ってますし、一定の需要はあるかと思います。
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