今年は例年にも増して、"熱中症" というワードをニュースや新聞で見かける頻度が増えました。こんな時、エアコンを付けずに耐えていると、仕事のパフォーマンスが落ちてしまいます。
そこで、かねてから気になっていた "冷風扇" なるものを導入してみることにしました。といっても卓上冷風機、ミニタイプの冷風扇です。
で結論から先に言ってしまいますと、ミニ冷風扇の冷却効果は "微妙" です。微妙ですが、用途を絞れば活躍します。
当記事では、一度は導入を後悔しかけた私が、このミニ冷風扇をどのように使おうとしているのか、ご紹介したいと思います。購入予定の方・既に持ってるけど用途に困っている方は、参考にしてみてください。
卓上冷風機『Houselog HSL-023』を開封してみる
白×ライトグリーンを基調としたパッケージ。
本体前面&本体背面。後ろから取り込んだ空気を、本体前面の吹き出し口から放出します。
吹き出し口のブラインドは、右側のツマミを持って角度を変えることで風向きを調節することが可能です。
付属品は、取扱説明書と ACアダプタの2つ。説明書は日本語に対応しているので安心です。
本体底面には水タンクが搭載されており、ここに水 or 氷水を給水することで冷風モードを利用できます。見た目・質感ともに、おもちゃの自動販売機や貯金箱そっくり。
ボタンは全部で3つ。他社の似たようなミニ冷風扇も、おそらくボタンの仕様・デザインともに同じだと思います。
- 左 → 冷風スイッチ
- 中央 → 風量調節スイッチ
- 右 → 電源スイッチ
ACアダプタを接続すると、電源スイッチ上の赤ランプが点滅。
風量調節スイッチを1回押すごとに、弱 → 中 → 強・・・と切り替わっていきます。
左側にある冷風スイッチを押すと、上の青ランプが点灯し冷風モードへと切り替わります。ただし、水が入っていないと右隣りにある水量指示灯の赤ランプが点灯しますので、利用する場合は先に給水しておきましょう。
本体底面には滑り止めゴムが付いています。滑り止めゴムで微妙に段差が付いているため、水タンク周りが結露しても比較的安心です。
ちなみに、結露するとこうなります。とは言え見ての通り、そこまでひどくはないです。
氷水を入れた時は基本こうなりますので、机やテーブルの上で使用する際は、下に布などを敷いておきましょう。
卓上冷風機のココが良い!
断定はできませんが、本体やボタンの形状から察するに、おそらく本製品は OEM商品だと思われます(競合他社の類似品と内部構造が一緒)。
というわけでここからは、本機だけではなく "類似の卓上冷風機全般" についての良い点・惜しい点ということで、話を進めていきたいと思います。
頭や足元などピンポイントで風を当てられる
私がそうなんですが、季節を問わず "足だけ熱を持ってしまう" みたいなパターンが結構多かったりします。
逆のパターンで、冬場の冷え性対策に靴下を重ね履きする方なんかもいらっしゃるかと思いますが、不快感の原因って意外と "頭" や "足元" だったりするんですよね。「最悪、そこだけ冷やせれば何とか我慢できるかも・・・」みたいな。
そんな時に本機があれば、"特定の場所だけ熱を持つ" 場合の対策にはなるかもしれません。
水や氷を入れることで冷却効果アップ
本体底面に水タンクが搭載されており、水を入れることで冷却効果がアップします。
※写真は氷水を入れて冷風モードをオンにした状態
氷は入れて良いのか分かりません(壊れるのが怖くて試してません)が、氷水については全然オッケーでした。
上記写真を見れば一目瞭然だと思いますが、肉眼で確認できるレベルの冷風が放出されていますよね。実際こんな感じです。
具体的にどの程度の冷却効果なのかどうかは後述しますが、普通にファンを回すのに比べると明らかに涼しい風が出ていると個人的には思います。
エアコン代を節約できる
「エアコン代を節約した結果、ついでに冷却効果も節約しちゃいました~」なんて言ってしまうと元も子もないですが、エアコンを付ける罪悪感から逃れるために本機を使うのであれば、金額的には間違いなく節約できているかと思います。
加湿器として使える
デメリットにもなり得る要素ですが、水を入れて電源を入れた本機は、完全に "小さい加湿器" です。
局所的に風を送れるという点を活かして、"顔の保湿" などに使うというのもアリかもしれません。いや、これは無理があるかな・・・
卓上冷風機のココが惜しい!
静音性は期待しちゃダメ
正直、音はまあまあうるさいです。体感的には "ドライヤーの弱のさらに半分" ぐらいの大きさでしょうか?
そのため「ちょっとでも騒音があると集中できない!」なんて方は、手を出さないほうが良いです。商品ページの "静音作業" は、明らかに盛ってます。
この手の卓上冷風機の商品ページ内で「デスクトップパソコンよりうるさいなんて論外」みたいなレビューを見かけましたが、まあそうですね・・・うるさいです。
ただ一応フォローしておくと、精密機器が密集しているデスクトップパソコンと、超絶シンプルな構造の卓上冷風機を同じ土俵で比較するのもどうなのかな、とは思います。デスクトップパソコンの騒音は精神衛生上の影響が大きい気もしますが、卓上冷風機の騒音は(個人的には)許せますね。
水タンクの引き出し口が固い
水タンクと本体の噛み合わせが若干悪く、引き出しづらいかもしれません。
そのため、思い切り開けようとすると、勢い余って水をこぼしてしまいそうになるため注意が必要です。
卓上冷風機を実際に使ってみて気付いた点
どんな感じの風が出てくるの?
購入予定の方が知りたいことの1つとして「具体的にどんな感じで風が出てくるのか?」というものがあるかと思います。
結論を言いますと、イメージとしては "車のエアコン付けた時のような風" です。広範囲は冷やせないけど、局所的には頑張って働いてくれている感じでしょうか。
一般的な扇風機の風力を100とした場合の、本機の風力を数値化してみました。体感ですので、あまりアテにしないでください。
- 弱 → 110
- 中 → 95
- 強 → 80
率直に言って「本当に、このコンパクトサイズのマシンから出てくる風なのか?」と驚く、最低限度の風力は備えていると、個人的には感じました。
なお、扇風機に比べると弱・中・強の風力差は緩やかです。
氷水を入れた場合の冷却効果について
キンキンに冷えた氷水を入れて、強で回した際の率直な感想は「吹き出し口にピタッと密着すれば、まあまあ涼しいかな・・・」です。
間違っても、本機1つで部屋全体を冷やそうだなんて考えは捨てましょう。だって100%無理だし。
広範囲に風を送りたいなら、扇風機を使ったほうが早いです。
どういう場面・どういう時期に使えそう?
氷水を入れた瞬間から水タンク側面が結露し始めるため、机の上に置いて使うのはやめておいたほうが無難です。足元とか、良いかもしれません。
それと、水を入れて使う際は、吹き出し口の下にある "貯水槽" を必ず開いておきましょう(吹き出し口から出てくる水滴を受け止めて、水タンクへ戻してくれます)。開いておかないと、風の吹き出し口から出てきた水滴が地面にポタポタと落ちてしまうのでご注意ください。
時期についてですが、熱中症レベルの猛暑をこれ1つで乗り切れるかというとさすがに厳しいです。猛暑日は、素直にエアコン付けたほうが良いかと思います。
ただ、「エアコン付けるまでもないけど、ちょっとだけ涼みたいな〜」的な需要には、ある程度応えてくれるのではないでしょうか。
意外と、秋になりそうでならない昨今の9〜10月辺りに重宝しそうな気がします。※後日、改めて検証予定です。
まとめ
まとめると、こんな感じです。
- コンパクトなサイズの割に、風はまあまあ強め
- 氷水を入れてピタッと密着すれば、まあまあ涼しい
- 熱を持ちやすい足元や頭をピンポイントで冷やしたい時に使えそう
- 広範囲に風を送るなら結局、扇風機を使ったほうが効率的
- 氷水を入れた瞬間からタンク側面が結露するため、卓上で使うのは危険
"足元限定" とかの用途であれば、役立つかと思います。オフィスデスクの下にでも設置してみようかな?
まあ・・・「買って失敗した!」とまでは言いませんが、これ買うぐらいなら最初から風力の強い扇風機やサーキュレーターなどを買ったほうが幸せになれるかもしれません。
ただ、ネタの1つとして考えると面白いアイテムですし、アイディア商品としてはアリだと思います。おままごと系のオモチャとして子どもにあげてみたら、案外喜ぶかも?
あとがき
「この卓上冷風扇、何かに似てるな~」と考えていたら、アレでした。冬場に足元を温めるセラミックファンヒーター。それの夏バージョン(逆バージョン)といった趣の製品です。セラミックファンヒーターも、まさに用途を絞って活躍するタイプのアイディア商品ですよね。
それにしても・・・卓上冷風機については肯定的なレビューする気マンマンだったんですが、実際に使ってみたら無謀な試みだということが判明しました。コンセプトとしては面白いんだけどなぁ。
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