個人事業主になって以来、ずっとずっと欲しかった道具があります。"業務用ホワイトボード" です。
業務用ホワイトボードというのはいわゆる、学習塾などの教室に置いてある "キャスター付きの巨大ホワイトボード" のことです。黒板みたいな感じで使われているヤツですね。
結論から先に言うと、やはり買って大正解でした。アウトプットが捗りそうです。
理由は後ほど詳しく触れますが、箇条書きにすると以下のような感じです。
- "デカい" は正義!
- 両面使えるから、書いた内容を一時保存しておける
- 自宅がオフィスに変わる
- ホーロー製は文字がよく消える
長く使うならホーロー製が良いと聞いていたので、ホーロー製のホワイトボードにしてみました。
キャスター付きホワイトボードを開封してみる
カタログスペックによると、1200×900mmサイズの商品重量が約19kgとなっています。ダンボールも含めると約21kgぐらいでしょうか(同社のスチール製ホワイトボードを元に試算)。
ホワイトボードが届いた時点で率直に感じたのは「重いけど、男だったら1人で持ち運べないこともないレベルかな・・・」ということです。ホームセンターで売っている 1800×900mmのコンパネ(外で売っている分厚い木の板)が約11kgなので、大体コンパネ2枚分ぐらいの重さですね。
もちろんこのままの状態で使うわけではありませんし、組み立て前の重量としてはそこまで重いほうではないかと思います。とは言え、2階に持っていく場合は2人がかりで運んだほうが安全でしょう。
梱包は、以下のような感じです。キャスターやフレームなどの部品の下にホワイトボード本体が隠れていますので、くれぐれも上に乗らないようご注意ください。
というわけで、完成図がこちら。
私の仕事部屋は8畳なのですが、今回購入した 1200×900mmのホワイトボードは割とベストサイズだと感じました。
ただし安定性を考慮してか、キャスター部分の奥行きが 550mm(55cm)と結構あります。そのため、置くスペースにはある程度余裕を持っていたほうが良いかもしれません。仕事場を散らかしがちなタイプの方は、周りを先に片付けてから導入してください。
なお、オマケでイレイサー(いわゆる黒板消し)と、黒・赤のマーカーが1本ずつ付いてきます。
とは言え本品に限らず "オマケはあくまでもオマケ" である場合がほとんどです。品質うんぬんが気になる場合は、マーカーやイレイサーも揃えておきましょう。
とりあえず今回は、巷で評判の良い『ボードマスター』と『メクリーナ』にしておきました。ボードマスターはインクの減りが早いと聞いたので、念のために詰め替え用のカートリッジも確保。
『ボードマスター』を使ってみる
さっそく、ボードマスターで試し書きをしてみました。
このマーカーってインクが多めに出てくるんですね。万年筆ぐらいインクが出てくるので非常に見やすい反面、ランニングコストは若干高そうです。
ちなみに私、左利きです。
左利きあるあるとして、"右利きの人と同じ感覚で書こうとするとインクが手に付いてしまう" ってのがあるんですが、汚さないためには手を浮かせて書かざるを得ません。よって、字面がイマイチ不安定なのは私のせいであり、商品自体には何の問題も無いということを一応断っておきます。
で、中細字マーカーと中字マーカーを両方使ってみての率直な感想ですが、ぶっちゃけ中字マーカーだけで良いと思いました。中細字マーカーいらないです。
まあ、使い分けようと思えば出来ないことも無いんですけど・・・どうすか? パッと見、そんなに変わらないでしょ?
これが例えば『nu board』や『バタフライボード』みたいに持ち運べるタイプのホワイトボードなら中細字マーカーが活きると思うんですが、今回はフルサイズの業務用ホワイトボードなので、小さく細かく書く必要が無いんですよね。むしろ、ある程度離れた場所から見る前提のサイズ感ですから、細い文字だと見えにくくなってしまう気がします。
『メクリーナ』を使ってみる
先ほど書いた文字を、イレイサーで消してみました。
左が『メクリーナ』で、右がオマケで付いてきたイレイサーです。
誤解の無いように断っておくと、上記写真は軽く1回なでた段階の "途中経過" です。軽く力を入れて何度か(大体7~8回ぐらい)拭けばきちんとキレイに消えます。
今回はたまたまオマケのイレイサーのほうがキレイに消えましたが、後ほど何度か試してみたところ "真ん中に消しムラができる" ケースが多く見られました(材質が柔らかすぎるのかも)。メクリーナは1回で消えない反面、力がまんべんなく行き渡るためバランス良く文字が消えていきます。
ちなみに『メクリーナ』はその名の通り、汚れたらコロコロのようにシートを1枚めくるだけで消し味が完全復活します。オマケのイレイサーを水洗いして使うのもアリですが、面倒くさがりな方はメクリーナのほうが使い勝手が良いのでオススメです。
なお、材質は『メクリーナ』がポリエステル不織布(ダスタークロスなどに使われているものとほぼ一緒)で、オマケのやつは激落ちくん(メラミンスポンジ)みたいな感じです。
業務用ホワイトボードを導入しようと思った理由
単刀直入に言ってしまうと、アウトプット時の負担を少しでも減らしたかったのが理由です。
これまでも『フランクリン・プランナー』や『モレスキン』などの紙製アウトプットツールを色々と試してみたのですが、どれも長続きしませんでした。
システム手帳などの場合、後からデータベースとして利用するためには、日頃から意識的に情報を整理して書き込まないと検索性が低くなってしまうのが難点です。でもって "整理して書き込もうとすればするほど筆が止まってしまう" ため、なかなか気軽に書き込めないという悪循環・・・
前述したツールの役割は最終的に『Evernote』が受け止めてくれたのでセーフですが、デジタルツールも決して完璧とは言い切れません。
デジタルなアウトプットツールの欠点
- 電源が必須
- ネット環境が必要(クラウドサービスの場合)
- 常時表示に向いていない(電気代・ディスプレイ劣化などの理由で)
- レイアウトの自由度が低い
- 表示領域が狭い
- 直感的じゃない
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Evernoteで書類を一元管理することによって得られる10のメリット
なぜEvernoteだと「文章を書く時の、何とも言えない嫌~な拒絶感」が抑えられるのでしょうか?その理由について考えてみました。
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データベースとしての使い勝手は、間違いなくデジタルツールに軍配が上がります。
ですが例えばマインドマップを書いたり、思いついたアイディアをすぐに視覚化しようと思うと、デジタルツールだけではカバーしきれない面もあるわけです。Penultimate(手書きデータが即 Evernoteに保存される iPad用アプリ)とスタイラスを使うという手もありますが、画面も狭いしアナログの書き味には敵いません。
でもって繰り返しになりますが、これをノートやシステム手帳などの紙媒体でやろうとすると、無意識に情報を整理して書こうとしてしまい、アウトプットするまでの工程が1つ余計に増えてしまいます。これが個人的には厄介で・・・要は書くこと自体が面倒くさくなっちゃうんですよね。
というわけで、ホワイトボードを導入しようと思い至るまでには、そこまで時間は掛かりませんでした。
ちなみに、ホワイトボードそのものは、個人事業主を始めた初期の段階で既に取り入れていました。ホワイトボードと言っても、100均で買った小さなものです。
当時の私と言えば、マインドマップも Evernoteも Dropboxもチンプンカンプンで「何それ?」状態だったため、全く使いこなせずに挫折してしまったのを覚えています。
そんな当時の私でも「さすがにこのサイズだと、小さ過ぎて使いにくいかな」ぐらいの反省点は出てきたりしたのですが、サイズ以上の致命的な欠点が、私をホワイトボードから遠ざけてしまいました。
安いホワイトボードが抱える最大の欠点は "書いた文字が消えにくい" ということです。
あえて "ホーロー製" のホワイトボードにこだわった理由
なぜ、書いた文字が消えにくいのか?
その理由について、当初の私は「100均のホワイトボードだから質が悪いんでしょ?」程度に考えていました。
これはある意味で正解とも言えるのですが「じゃあなんで、100均のホワイトボードだと文字が消えないのか?」という疑問が出てきますよね。
実を言うと、ホワイトボードには大きく分けて2種類のものが存在します。
- スチール製ホワイトボード:鋼板の表面にアクリル塗装を施したもの
- ホーロー製ホワイトボード:鋼板の表面に釉薬(陶磁器をコーティングする際などに使うガラス質の薬品)を高温で焼き付けたもの
スチール製は、いわゆる "100均やホームセンターなどで安く売られているホワイトボード" のことです。おそらく、バーコード部分や原材料の欄などに "スチール" の表記がされているかと思います。
スチール製ホワイトボード最大のメリットは "安い" ことです。
価格を抑えられるため大量導入には適していますが、前述の通り "書いた文字が徐々に消えなくなってくる" という致命的な欠点を抱えています。また、10円玉などの硬貨やコインで引っかくと、ホワイトボード表面の加工が剥がれてしまうようです。
一方のホーロー製ホワイトボードは、表面がガラス質になっているため、スチール製に比べると耐久性が非常に高くなっています。10円玉などで引っかいても傷が付きにくく、書いた文字もキレイに消えるのが大きなメリットです。
ただしホーロー製は "値段がスチール製の2倍近くに膨れ上がってしまう" ため、安易に手を出しづらいのが悩みどころです。安物(スチール製)を買いつないでいくか、半永久的に使える高級品(ホーロー製)を買うか・・・といったところでしょうか。
私自身、当初は「フルサイズの業務用ホワイトボードを出来るだけ安く手に入れる!」といった前提でホワイトボードを探していました。ですが、高額なホワイトボードの "高額である理由" を知ったことで納得し「一生使えるホワイトボードを買ったほうが、長い目で見たらお得かもなぁ・・・」といった考え方へシフトしています。
業務用キャスター付きホワイトボードのココが良い!
頭が "仕事モード" に自然と切り替わる
業務用ホワイトボードの導入によって、何が一番変わったのか?と言いますと "意識" です。
これは自分でも不思議に思っているのですが、部屋にホワイトボードが鎮座しているだけで、クリエイティブなモードへと気持ちが切り替わるようになりました。まだ何も書いていないのにも関わらず、です。
状況的には、パソコンデスクを導入した時に近い気がします。本格的なパソコンデスクを導入したことで「ここが自分のオフィスなんだ」という実感がリアルに湧いてきましたし「個人事業主だろうがサラリーマンだろうが、ちゃんとやらなきゃいけない」という、良い意味での危機感を維持できるようになりました。
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「目標は目立つ場所に・・・」の実行力・強制力が "上がりそう"
言い訳になってしまうかもしれませんが、A4サイズのコピー用紙に細いペンで目標やら何やら書いて貼っても結局スルーしちゃうんですよね。どこかで「先人はこんなこと言ってるけど、どうせ俺には無理だ」みたいなネガティブな考えが頭をよぎっちゃうわけです。
そこで私は「だったら、自由に場所移動できる巨大なホワイトボードが目の前にあったらどうなるんだろう?」と考えました。
"思考を掲示できる大きなスペース" が部屋の中に居座っているという環境は、自分が思っている以上に影響力があるのではないかな・・・と。
こればっかりは今すぐ効果を実証することは出来ませんので、別記事にて定期的に再レビューしていく予定です。
ホワイトボードの反転(裏返し)がスムーズ ※オフィスコム社のホワイトボードのみ
「両面タイプのホワイトボードって裏返す時に大変そうだなぁ・・・」なんてことを普通に覚悟していたのですが、メチャメチャ軽快でした。
簡単に説明すると、ストッパー部分にバネが搭載されており、そこを指で押し込みます。するとホワイトボードのホールド状態が解除されますので、あとは裏返して、再びストッパーをボードの枠にハメ込むだけ。
ストッパーは軽い力で押し込めますので、女性でも気軽に扱えます。
業務用キャスター付きホワイトボードのココが惜しい!
法人限定での販売になってしまった ※オフィスコム社のホワイトボードのみ
なんと、Amazonの商品ページに "法人様限定" の表記が追加されてしまいました。
今後オフィスコム社のホワイトボードを購入される際は、企業名・店舗名・学校名・施設名・屋号などをお届け先名に併記しなければならないとのことです。カスタマーセンターで詳しい説明が聞けるようですので、個人でどうしても欲しい場合は同社フリーダイヤル(0120-456-797)に問い合わせてみてください。
しかも、キャスター付きのでっかいヤツだけかと思いきや、壁掛けタイプのちっちゃいホワイトボードなども全て法人限定販売に変わっていました。
ついこの前までは個人でも購入可能だったので、もしかすると直近で厄介なトラブルに巻き込まれたのかもしれません。だって普通に考えたら、法人限定販売なんて明らかな機会損失ですし・・・
なお、競合他社である『カグクロ』社のホワイトボードは、個人でも購入が可能となっています(※2018年6月現在)。法人手続きや問い合わせが面倒ならこちらをチェックしてみてください。
高さ調節ができない
この手のホワイトボードは、高さ調節ができません。
私の勝手な思い込みで「上下にスライドするんじゃないの?」と勘違いしていたのですが、主な使用シーンを考えると "そもそも高さ調節する場面が無い" んですよね。
というわけで、キャスター付きホワイトボードは基本的に、立った状態で使います。先生やプレゼンテーターが "生徒やオーディエンスに向けて" 使うための道具ですから、当然そうなります。
とは言え、椅子に座った状態でもホワイトボードの真ん中ぐらいまでは届きますので、立つのが面倒な方はホワイトボードの下半分をメインで使うというのもアリでしょう。
キャスター付き業務用ホワイトボードを購入する前の注意点
サイズは「必ず!」測ろう
冒頭のほうで、1200×900mmサイズはベストだと書きました。
これは、私の仕事部屋(8畳)だと丁度良いという意味であり、当然全ての方々に当てはまるとは限りません。
以下は、キャスター付きホワイトボードを導入する際の目安です。
- 6畳以下 → 600×900mm
- 8畳 → 1200×900mm
- 10畳以上 → 1800×900mm
いち購入者の独断と偏見による目安に過ぎませんので、参考程度にとどめておいてください。
ちなみに私の場合、部屋の両端にクローゼットが配置されており、あまりにも大きなホワイトボードを置くと入り口が塞がれ、利便性が悪くなります。キャスター付きで自由に移動可能だとはいえ、毎回ホワイトボードを動かすのも面倒ですので 1800×900mmサイズは断念したというわけです。
当初は何となく「デカけりゃデカいほど良いんじゃねーの?」といった安直な考えで 1800×900mmサイズを購入する気満々でしたが、部屋をメジャーで測ったら大き過ぎることに気付きました。家具の場合こういうことが普通にありえますので、必ずサイズは事前に測っておきましょう。
なお、6畳の部屋にホワイトボードを置きたいのであれば 600×900mmタイプを選ぶか、もしくは "壁掛け型" や "シート型" を選ぶという手もあります。自宅勤務だと6畳部屋の方も結構いらっしゃるかと思いますので、ホワイトボードの導入は慎重に行いましょう。
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壁にピッタリ設置するのは不可能
これも意外と盲点でした。
記事前半でも触れましたが、ホワイトボードに限らず脚付きの家具には、土台を安定させるための奥行きが存在します。奥行きが 550mmあるということは、最低でも 225mm(22.5cm)は手前に出さなくてはなりません。結果として、ホワイトボード裏側に若干のデッドスペースが発生してしまいます。
225mmなら個人的には許容範囲ですが、やはり既存の部屋レイアウトをある程度いじる必要はありました。
私の場合は最初から「絶対にキャスター付きホワイトボードを置く!」という願望が前提としてあったので、ホワイトボードありきで部屋を模様替えしましたが、当然「たかだかホワイトボードにそこまで合わせられるか!」という方もいらっしゃるでしょう。繰り返しになりますが "だからこそ" 慎重に導入する必要があるわけです。
まとめ
まとめると、以下のような感じです。
導入して良かった点
- 自宅でも頭が "仕事モード" に自然と切り替わる
- アウトプットした情報を好きな場所に移動できて素敵
- 両面タイプは、片面に書いた文字を残しておけるので便利
導入時の注意点
- オフィスコムのホワイトボードは法人限定
- 事前にサイズを測っておかないと後悔する可能性大
- 壁にピッタリ設置できない
この手のツールは長く使わないと全貌が見えてきませんので、とりあえず購入直後の段階で感じたことを書いてみました。よかったら参考にしてみてください。
あとがき
学習塾でも併設していない限り、自宅にキャスター付きの業務用ホワイトボードを置く人は中々いないと思います。
"だからこそ" 見てみたかったのです。「自分の部屋に業務用ホワイトボードが突如出現したら、一体どんな化学反応が起きるのか?」を。
もしかすると宝の持ち腐れになるかもしれませんし、これをキッカケとして大きく状況が動いていくかもしれません。
ただ一つだけ言えるのは、"一生の相棒になる可能性が非常に高い" 道具を手に入れたということです。無駄にしないよう、積極的に活用していこうと思います。
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