レンタルサーバーを『さくらのレンタルサーバ』から『mixhost』へお引越ししました。
当ブログ史上、最大規模の文章量・画像数に膨れ上がってしまいましたので、少しずつ読み進めていただければ幸いです。
SSL化済の WordPressサイトをお引越しするまでの手順
※進捗状況の確認にご利用ください
- FTPソフトでブログ/サイトデータをダウンロード
- MySQLデータベースをエクスポート
- お引越し先のレンタルサーバー申し込み
- お引越し先レンタルサーバーへ独自ドメインを登録
- 無料SSLサーバ証明書『Let's Encrypt』の発行
- お引越し先サーバーへ『Let's Encrypt』インストール
- MySQLデータベースの作成~インポート
- FTPソフトでブログ/サイトデータをアップロード
- ネームサーバーの書き換え
ブログ/サイトのデータを全てダウンロードする
一番最初にダウンロード作業を持ってきた理由
ザックリとした目安ですが、約700記事・1記事あたりの画像使用数が約10枚の当ブログの場合、ダウンロード終了までに "16時間" 掛かりました。逆に言うと、テキストメインのブログであればそこまで時間は掛からないかもしれません。
つまり、ブログ/サイトデータのダウンロードを一番最初に持ってきた理由は "めちゃめちゃ時間が掛かる" からです。
アップロードする際の所要時間もほぼ一緒ですので、私の環境だとダウンロード&アップロードだけで32時間も掛かる計算になります。サーバーお引越し作業終盤にこれだけの待ち時間が発生するとなると結構しんどいですから、せめて半分ぐらいは先にやっておきたいところです。
ただし注意点として、全データをダウンロードするということはつまり "レンタルサーバーのお引越しが完了するまで記事の投稿・過去記事の修正はできない" ということでもあります。
ですので「なるべく更新頻度を落としたくない!」という方は、この作業は終盤に持っていったほうが良いかもしれません。これは、MySQLデータベースのエクスポートについても同様です。
どのデータをダウンロードすればいいの?
HTMLサイトを運営されている方には申し訳ありませんが、今回は WordPressを前提として話を進めていきます。考え方としては基本的に一緒だと思いますので、上手く置き換えてみてください。
『FFFTP』などの FTPソフトで現在ご利用中のレンタルサーバーにログインし、WordPressデータが格納されているディレクトリを探してください。
当ブログは『さくらのレンタルサーバ』になりますので、階層は /home/初期ドメイン/www になります。つまり、この場合は [www] フォルダのみをダウンロードすれば OK です。
※ダウンロード先は [デスクトップ] や [ダウンロード] フォルダなどにしておくと分かりやすいかも
もっと簡単に言うと、[wp-admin] [wp-content] [wp-includes] [index.php] などが格納されているディレクトリ内の "全データ" をダウンロードすれば良いということですね。
もし不安な方は、WordPress公式サイトで(サンプルとして)WordPressデータをダウンロードし、どのような階層構造になっているか勉強しておくと分かりやすいかと思います。
キャッシュプラグイン&バックアッププラグインは無効化しておこう
なお、キャッシュ系プラグインやバックアップ系プラグインが有効化されているとダウンロード途中でエラーが発生し、やり直さなければならなくなってしまいます。
当ブログの場合『WP Fastest Cache』を有効化した状態でダウンロードを始めてしまい、エラー発生によって2時間ぐらいムダになってしまいました。
関連記事
【WordPress】無料版でも効果絶大!WP Fastest Cacheでブログを高速化しよう
サーバーお引越し関連の記事を書かれている方々がほぼ例外なくハマっている罠です。『W3 Total Cache』『WP Super Cache』『WP Fastest Cache』などのキャッシュプラグインは、ブログ/サイトデータのダウンロード時のみ "無効化" しておきましょう。
MySQLデータベースのダウンロード
『さくらのレンタルサーバ』を前提として話を進めていきます。
サーバコントロールパネルにログインし、左サイドバー [データベースの設定] からデータベース一覧ページを開き、その中の [管理ツール ログイン] をクリック。
『phpMyAdmin』にログインしたら、左サイドバーから "お引越し予定のデータベース名" を選択してください。
データベース一覧が表示されたら [エクスポート] タブをクリック。
[DROP TABLE / VIEW / PROCEDURE / FUNCTION / EVENT を追加] にチェックを入れて [実行する] をクリックするとダウンロードが始まります。
※他のチェック項目はそのままで大丈夫です
『mixhost』への申し込み
SSL化済みのブログ/サイトをスムーズにお引っ越しできるよう、レンタルサーバーの申し込みは早めに済ませてしまいましょう。
『mixhost』は無料お試し期間が30日間も用意されているので、サーバーお引越しの際も余裕を持って作業することができます。
まずは『mixhost』のトップページへアクセスし、右上の [お申し込み] もしくはページ中央の [クレジットカード不要で今すぐ30日間無料お試し!] ボタンをクリックしてください。
申し込みたいプランを選んで [続ける] ボタンをクリック。今回は [スタンダード] を選ぶことにします。
レンタルサーバーの初期ドメインを決めましょう。既に独自ドメインでウェブサイトを運営されているのであれば、そちらと同じドメインを入力すれば良いかと思います。
[ご注文内容の確認] ページへと移動します。お申込み内容に問題が無ければそのまま [お客様情報の入力] ボタンをクリックして次へ進みましょう。
[お客様情報の入力] ページより必要事項を入力してください。
個人情報
- 姓
- 名
- メールアドレス
- 電話番号
請求先住所
- 会社名(オプション)
- 国
- 郵便番号
- 都道府県
- 市/区
- 町/村/番地
- 建物名など
アカウントのセキュリティ
- パスワード
- パスワードを再入力
全ての項目を入力し終えたら、[利用規約に同意しました] にチェックを入れて [注文完了] をクリック。
[注文の確認] ページが表示されます。注文番号が記載されていますが、こちらはお問い合わせの際に必要となるようです。
先ほど入力したメールアドレス宛てに、mixhost からメールが3通届きました。
この中の【mixhost】サーバーアカウント設定完了のお知らせ というタイトルのメール内に以下の情報が記載されています。
ログイン情報(コントロールパネル)
- ユーザー名
- パスワード
独自ドメイン設定
- ネームサーバー 1
- ネームサーバー 2
- ネームサーバー 3
- ネームサーバー 4
- ネームサーバー 5
FTP接続情報
- FTPホスト名
- FTPSホスト名
- ユーザー名
- パスワード
- Webサイトフォルダ
※このメールは絶対に削除しないでください。
先ほどのログイン情報を入力して、コントロールパネルへログインしてみました。ちなみに左が『mixhost』で、右が『さくらのレンタルサーバ』です。
やはり、スマホ/タブレット普及後にできたレンタルサーバーだけあって、mixhost はアイコンを用いた分かりやすいレイアウトとなっています。
FTPソフトの設定も済ませておこう
ファイルをアップロードする際は、レンタルサーバー側が用意しているファイルマネージャーを使っても構いません。ただ、今後別のレンタルサーバーにお引越しする場合に知識を応用できますので、FTPソフトの使い方はなるべく覚えておくと良いでしょう。
参考までに『mixhost』のホスト設定をご紹介しておきます。基本的には【mixhost】サーバーアカウント設定完了のお知らせ メール内に記載されている "FTP接続情報" をそのままコピペしておけば大丈夫です。
[基本] タブ
- ホストの設定名:任意(例:mixhost)
- ホスト名:"FTPSホスト名" を入力(例:xxx.mixhost.jp)
- ユーザー名:FTP接続情報の "ユーザー名" を入力
- パスワード:FTP接続情報の "パスワード" を入力
- ローカルの初期フォルダ:任意
- ホストの初期フォルダ:public_html
[暗号化] タブ
- 暗号化なしで接続を許可:チェックをはずす
- FTPS(Implicit)で接続:チェックをはずす
参考記事FTPソフトの設定方法|mixhostヘルプセンター
接続時に表示されたポップアップメッセージは、どちらも [はい] を選択します。
- この証明書を信頼し,通信を続行するには「はい」を選択してください. → [はい]
- 現在の暗号化の状態を保存しますか?「はい」を選択すると次回から他の暗号化方式を試行しなくなります。 → [はい]
『mixhost』に独自ドメインを登録する
現在、旧レンタルサーバーにて運用中の独自ドメインを、お引越し先のレンタルサーバーへ登録しましょう。
『mixhost』のコントロールパネル(cPanel)へログインし、[ドメイン] メニューから [アドオン ドメイン] をクリック。
[新しいドメイン名] にドメイン名を入力してください。この時、自動的に [サブドメイン] [ドキュメントルート] の欄も埋まりますが、そのまま [ドメインの追加] をクリックしちゃって OK です。
参考記事
無料SSLサーバ証明書『Let's Encrypt』について
SSL(Secure Sockets Layer)について簡単に説明しますと、「このブログ/サイトは、訪問者が安全に閲覧できますよ。個人情報・カード情報などが抜き取られる心配はありませんよ」という仕組みのことです。
URLの頭が https となっているブログ/サイトは SSLに対応しています。
関連記事
意外と簡単!さくらサーバーでWordPressブログのSSL化に挑戦してみた
『Let's Encrypt』とは、独自ドメイン利用者が発行できる無料SSLサーバ証明書です。ご利用中のレンタルサーバーから宣伝メルマガが届くので、名前だけは知っているという方も多いのではないでしょうか。
さて、この『Let's Encrypt』。お引越し先のレンタルサーバーが SSL持ち込みに対応していない場合、先にネームサーバーを書き換えておく必要があります(現在利用中のレンタルサーバーからワンタッチで SSL設定できる理由は、ネームサーバーのくだりをパスできるからなんですよね・・・)。
つまり、SSL持ち込みに対応していないレンタルサーバー(『エックスサーバー』など)へお引越しする場合 "一時的に非SSL状態(httpsからhttp)に戻ってしまう" というわけです。変更後のネームサーバーが馴染むまでは数日掛かるとも言われていますし、この選択肢は非常に危険でしょう。
関連記事
SSL(https)対応後に別のレンタルサーバーへブログを引っ越す際の注意点
一方、今回お引越し先に指定した『mixhost』は SSLの持ち込みに対応しています。
ネームサーバー書き換え前に無料SSL証明書を発行できる『SSLなう!』という Webサービスを利用することで、SSL対応済みのブログ/サイトを安全にお引越しすることが可能です。
『SSLなう!』で無料SSL証明書を発行してみよう
ではさっそく『SSLなう!』を使って、『Let's Encrypt』の無料SSL証明書を発行してみましょう。
参考リンク
最初にメールアドレスを登録します。レンタルサーバー契約時に使用したメールアドレスと一緒にしておくと分かりやすいかもしれません。
「Let's Encryptへの登録に成功しました!」というポップアップメッセージが表示され、[署名鍵] のテキストボックス内にコードが生成されました。
次に、チャレンジトークン(ワンタイムパスワード)を取得します。
[証明書発行を希望するドメイン名] にレンタルサーバーお引越し予定のドメインを入力して、[トークンを取得] ボタンをクリックしてください。
※ https:// の部分は不要です
「チャレンジトークンの取得に成功しました!」というポップアップメッセージが表示されたら OK です。もし「JWS has invalid anti-replay nonce~」といったエラーが発生しても慌てず、成功するまでやってみてください。
※ただし、短時間に何度もトライ&エラーを繰り返してしまうとアクセス制限が掛けられるので注意
続いて、ドメイン名の所有確認を行います。
FTPソフトで旧レンタルサーバー(当ブログの場合は『さくら』)にアクセスしたら、WordPressデータが格納されているディレクトリ内に以下のような階層を構築してください。
1 |
/.well-known/acme-challenge/ |
繰り返しになりますが、ドメイン名の所有確認は、お引越し先のレンタルサーバーではなく "旧レンタルサーバー" で行います。間違えないよう、くれぐれもご注意ください。
"旧レンタルサーバー" の "WordPressデータが格納されている場所" から [.well-known] → [acme-challenge] とフォルダを作成していけば OK です。
※当ブログの場合
1 |
/home/初期ドメイン/www(WordPressデータ格納場所)/.well-known/acme-challenge |
階層を構築できたら、[acme-challenge] フォルダ内に『SSLなう!』の "3.ドメイン名の所有確認" で生成されたコードをファイルとして設置します。
まず、[http-01] タブ内の [ファイル内容(1行です)] に記載されているコードをテキストエディタにコピペしてください。
保存する際のファイル名は、[URL] に記載されている "acme-challenge/以降のコード" となります。
※保存後に .txt 部分の拡張子を取り除いてください
旧レンタルサーバーの [acme-challenge] フォルダ内に先ほど作成したファイルをアップロードし、該当URL にアクセスしてみてください。
コードが正常に表示されていたら [確認] ボタンをクリックし、「所有権の確認に成功しました」というポップアップメッセージが表示されれば OK です。
続いて、SSL秘密鍵を生成します。
[RSA] タブが選択されている状態で [生成(2048bits)] ボタンをクリックしてください。
30秒程度待つと「RSA秘密鍵を生成しました」というポップアップメッセージが表示され、コードが生成されます。
[証明書発行申請] ボタンをクリックすると「証明書の取得に成功しました!」というポップアップメッセージが表示され、"サーバ証明書" と "中間証明書" が発行されます。
※後述しますが、一番下の fullchain.pem(サーバ証明書+中間証明書)は使用しません。
『SSLなう!』上での作業は、以上です。
『mixhost』に SSL証明書をインストール
前項の作業で発行した SSL証明書をお引越し先のレンタルサーバーにインストールします。
『mixhost』のコントロールパネル(cPanel)へログインし、[セキュリティ] メニューから [SSL/TLS] をクリックし、[サイトのSSLのインストールおよび管理(HTTPS)] のすぐ下にある「SSLサイトを管理します。」と書かれたリンクをクリック。
リンク先の [SSL Webサイトをインストールします] という見出し部分までスクロールし、[ドメイン] [証明書:(CRT)] [秘密キー(KEY)] [証明機関バンドル:(CABUNDLE)] をそれぞれ埋めていきます。
- ドメイン:お引越し予定の独自ドメイン
- 証明書(CRT) → cert.pem(サーバ証明書)
- 秘密キー(KEY) → サーバで使用するSSL秘密鍵 ※4.証明書発行申請で生成したコード
- 証明機関バンドル(CABUNDLE) → chain.pem(中間証明書)
全ての項目を埋めたら [証明書のインストール] ボタンをクリック。
「SSL証明書が正常に更新されました」というポップアップメッセージが表示され、インストールが無事に完了しました。
新レンタルサーバーでドメインの動作を確認してみよう
hosts ファイルを編集することで、ネームサーバー切り替え前に新レンタルサーバーでの独自ドメインの挙動を確認することが可能です。
※hostsファイルの編集を行なったパソコンでのみ設定が反映されるだけですのでご安心ください
管理者権限が無いと上書き保存できませんので、メモ帳を以下の手順で起動してください。
- スタートメニュー → [Windowsアクセサリ] → [メモ帳] の右クリックメニューを開き [管理者として実行] をクリック(Windows7の場合)
- スタートメニュー → [アクセサリ] → [メモ帳] の右クリックメニューを開き [管理者として実行] をクリック(Windows10の場合)
[ファイル] → [開く] から C:\Windows\System32\drivers\etc フォルダ内にある hosts ファイルを開き、"新レンタルサーバーのIPアドレス" と "ドメイン名" を入力して上書き保存します。
※『mixhost』の場合は、コントロールパネル(cPanel)右端にある [サーバー情報] → [共有IPアドレス] から確認可能です。
IPアドレスとドメイン名の間は "半角スペース" もしくは "Tab" で空けてください。全角スペースは NG です。
Webブラウザにお引越し予定のブログ/サイトの URL を入力すると、新レンタルサーバー内の Index of/ が表示されるはずです。これが、お引越し先のレンタルサーバーにドメインがきちんと受け入れられている証明となります。
なお、動作確認が済んだら、hostsファイル内に追記した内容(IPアドレスとドメイン名)はきちんと削除して元の状態に戻しておきましょう。
参考記事
MySQLデータベースの移転作業
MySQLデータベースを作成する
旧レンタルサーバー(さくらのレンタルサーバ)からエクスポートしたデータベースを新レンタルサーバー(mixhost)へインポートします。
コントロールパネル(cPanel)にログインし、[データベース] メニューから [MySQL® データベース ウィザード] をクリック。
[新しいデータベース] の下にあるテキストボックス内に任意のデータベース名を入力してください。ドメイン名と揃えておけば分かりやすいかと思います。
ユーザー名(データベースユーザー名)の部分に先ほど決めたデータベース名を再び入力してください。データベース名とデータベースユーザー名は違う名前にすることもできますが、紛らわしいので一緒にしちゃって良いと思います。
パスワードは何でも構いませんが、コントロールパネル(cPanel)へのログインパスワードと一緒にしておくと分かりやすいでしょう。
ユーザー権限については、一番上にある [すべての権限] にチェックを入れてください。あとは [次の手順] ボタンをクリックして作業完了です。
wp-config.phpファイルの書き換え
続いて、WordPress設定ファイル(wp-config.php)内の "旧データベース名" と "旧パスワード" を先ほど設定した新レンタルサーバーのものに変更しましょう。
既にブログ/サイトデータのダウンロードは済んでいるかと思いますので、wp-config.php を "メモ帳以外の" テキストエディタで開き、データベース名/データベースユーザー名/パスワード/ホスト名の4箇所を書き換えてください。45~55行目あたりにあるはずです。
ホスト名は『mixhost』の場合 localhost となるようですが、他のレンタルサーバーだと異なる場合もありますので、各レンタルサーバーの案内に従って書き換えてください。
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/** WordPress のためのデータベース名 */ define('DB_NAME', 'データベース名'); /** MySQL データベースのユーザー名 */ define('DB_USER', 'データベースユーザー名'); /** MySQL データベースのパスワード */ define('DB_PASSWORD', 'パスワード'); /** MySQL のホスト名 */ define('DB_HOST', 'localhost'); |
画像内にも同様の記述がありますが、編集した wp-config.php ファイルは "UTF-8のBOMなし(UTF-8N)" で保存しないとプログラム実行時にエラーが発生するとのこと。
私は『秀丸エディタ』で編集しましたが、『TeraPad』『サクラエディタ』などの無料テキストエディタでも大丈夫です。
MySQLデータベースを新レンタルサーバーへインポート
さて、いよいよ MySQLデータベースを新レンタルサーバーへインポートします。あともう少しですので頑張りましょう!
『mixhost』のコントロールパネル(cPanel)へログインし、[データベース] メニューから [phpMyAdmin] をクリック。
『phpMyAdmin』ページが開きますので、左サイドバーから前項で作成したデータベース名を選択し、画面右上の [インポート] タブをクリック。
[ファイルを選択] ボタンをクリックして、旧レンタルサーバーからエクスポートしておいた .sqlファイルを指定し、一番下の [実行] ボタンをクリック。
※他のチェック項目はそのままで大丈夫です
SQLファイルが大きすぎてインポートできない場合は "圧縮" する
「アップロードしようとしたファイルが大きすぎるようです」とエラー表示された場合は、.sqlファイルを .gzip .bzip .zip のいずれかで圧縮してみてください。
圧縮ファイルでアップロードする際の注意点として、ファイル末尾を .[フォーマット] .[圧縮形式] に書き換えておく必要があります。
誤 → example.zip / example.bzip2 / example.gzip
正 → example.sql.zip / example.sql.bzip2 / example.sql.gzip
圧縮アップロードでも弾かれる場合は "分割アップロード" してみよう
私の環境だと前項の圧縮アップロードでも弾かれてしまったため、『BigDump』というフリーソフトを使って "分割アップロード" を試してみました。
ダウンロード
『BigDump』の公式サイトからファイルをダウンロードし、解凍すると bigdump.php というファイルが出てきます。
この bigdump.php をテキストエディタで開き、49~52行目あたりのコードに [サーバー名] [データベース名] [データベースユーザー名] [パスワード] を入力してください。
※サーバー名は localhost のままで大丈夫でした
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$db_server = 'localhost'; $db_name = 'データベース名'; $db_username = 'データベースユーザー名'; $db_password = 'パスワード'; |
作成した bigdump.php ファイルと .sqlファイルを、お引越し先レンタルサーバーの同じディレクトリにアップロードします。場所はどこでも構いませんが、public_html 直下あたりにしておくと分かりやすいでしょう。
Webブラウザにプライマリドメイン(初期ドメイン)を入力して Index of / を開き bigdump.php をクリック。すると、以下のような画面が表示されますので、画面内の [Start Import] と書かれたリンクをクリックしてください。
もし「Stopped at the line ~」といった赤文字のエラーが表示されてインポートできなかった場合は、旧レンタルサーバーでエクスポートする際の [作成するクエリの最大長] の値を小さくすることで解決します。
デフォルトでは 50000 という数値が入っているかと思いますので、ここの値を 1000 ぐらいにした上で、再度エクスポートし直してみてください。
インポート作業がスタートし、画面上に進捗状況が表示されます。
% bar のバーが右端まで到達し、画面下に「Congratulations: End of file reached, assuming OK」という緑の文字が表示されたら完了です。
「IMPORTANT: REMOVE YOUR DUMP FILE and BIGDUMP SCRIPT FROM SERVER NOW!(重要:ダンプファイルとBIGDUMPスクリプトを今すぐサーバーから削除してください!)」と書かれてある通り、先ほどアップロードした bigdump.php と .sqlファイルの2つは、インポート作業終了後に必ず削除してください。
新レンタルサーバーにブログ/サイトデータをアップロード
あらかじめダウンロードしておいたブログ/サイトデータをお引越し先のレンタルサーバーにアップロードします。
『mixhost』の場合は、public_html/ドメイン名/ の下にアップロードすれば OK です。[.well-known] [cgi-bin] フォルダについては削除しても構わないとのこと。
この際に「◯◯がアップロードできませんでした」というエラーが発生した場合は、[ホストの設定] → [暗号化] タブ内にある [暗号化なしで接続を許可] にチェックを入れて再度挑戦してみてください。なお、[FTPS (Implicit)で接続] のチェックを外さないと設定変更が反映されないようです。
余談です。
暗号化なしでの接続はアップロードエラーが出にくいので確かに楽ですが、基本的には暗号化された状態でアップロードするようにしてください。
「今のところ特に問題は起こってないから大丈夫だろう」といったスタンスで安易に暗号化なし接続をオススメする方もいらっしゃるのですが、何かあってからでは遅いんですよね。
自動車における "だろう運転" と "かもしれない運転" の考え方と一緒で、常に最悪の状況を想定しておきましょう。オンライン上での行動は、常に危険と隣り合わせだと思っておくぐらいでちょうど良いと思います。
途中でアップロードエラーが出た場合は "ミラーリングアップロード"
『FFFTP』でファイルをアップロードしていたところ、残り1500ファイルを切った辺りでエラーが発生してしまいました。とは言え、既に40000以上のファイルをアップロードしていますし、この状況下で最初からやり直しとなると相当キツイですよね?
こういう場合は慌てず、ミラーリングアップロードを試してみましょう。
ミラーリングアップロードとは、ローカル側と全く同じディレクトリ構造をホスト側(サーバー側)に再現する機能です。もちろん、サブフォルダの構造も含めて再現してくれます。
ただし、ホスト側だけに存在するファイルやフォルダは削除されてしまうため、注意が必要です。
逆に言えば、今回のようにローカルバックアップをレンタルサーバー上にそっくりそのまま構築するという用途であれば全く問題はありません。むしろ、未アップロードのファイル・フォルダのみをアップロードしてくれるわけですから、非常にありがたい機能だと言えるでしょう。
参考記事
ブログ/サイトデータが保存されているローカルディレクトリを開き、[コマンド] タブから [ミラーリングアップロード(M)] をクリックしてみてください。処理開始前に警告ウィンドウが表示されますが、そのまま [開始] ボタンをクリックして大丈夫です。
未アップロードファイル・フォルダを自動判別し、先ほどの途中からアップロードがスタート。『FFFTP』は10年以上前から使っていますが、こんな便利な機能があるなんて知りませんでした。
動作確認時に「HTTP ERROR 500」が発生した場合
あとはネームサーバーを書き換えるだけなのですが、その前に hostsファイルを編集して、お引越し先のレンタルサーバー上できちんとブログ/サイトが表示されるか確認してみてください。
この際に「HTTP ERROR 500」が発生してしまった場合、プラグインやテーマが邪魔をしている可能性があります。
試しに『FFFTP』で、 [wp-content] フォルダ内にある [plugins] フォルダの名前を変更してみたところ、ブログが表示されました。
※グローバルナビゲーションバーが太くなっていたり、抜粋スペースに本文が表示されているなどのレイアウト崩れは "プラグインを無効化している" からであり、本項のエラーとは関係ありません
つまり、何かしらのプラグインが悪さをしているということです。
ここでピンと来ました。
以前、旧レンタルサーバー(さくらのレンタルサーバ)で PHP5.6 → PHP7.1 にバージョンアップしようとした際『Spammer Blocker』というプラグインがエラーを吐いたことがあったのです。
『mixhost』のデフォルトPHPバージョンは 7.0 であり、エラー発生時の条件は全く一緒。おそらく犯人はコイツでしょう。
そこで、[plugins] フォルダ内にある [spammer-blocker] フォルダの名前を変更してブログを再読み込みしてみたところ、案の定ブログが正常に表示されました(レイアウト崩れも直っています)。原因が完全に判明したので、[spammer-blocker] フォルダは削除してプラグインを無効化することに。
ネームサーバーを書き換える
最後に、ネームサーバーをお引越し先のレンタルサーバーのものに書き換えましょう。
当ブログはネームサーバーの設定に『ムームードメイン』を使用していますが、ここは各々で異なるかと思います。利用されているサービスの案内に従って書き換えてください。
ちなみにムームードメインの場合、コントロールパネル左サイドバーから [ドメイン操作] → [ネームサーバ設定変更] をクリック。
お引越し予定のドメインの右端にある [ネームサーバ設定変更] ボタンをクリックし、リンク先の [GMOペパボ以外 のネームサーバを使用する] 内のテキストボックスにお引越し先サーバー指定のネームサーバーを入力して [ネームサーバ設定変更] ボタンをクリックすれば OK です。
ネームサーバー(例:mixhost)
- ns1.mixhost.jp
- ns2.mixhost.jp
- ns3.mixhost.jp
- ns4.mixhost.jp
- ns5.mixhost.jp
変更後のネームサーバーが反映されるまでは、通常だと数時間~72時間ぐらい掛かる
とのこと。
※私の環境では、30分ぐらいでアクセスが完全に mixhost 側へ移行しました。
それまでは旧レンタルサーバーを解約せず、新レンタルサーバーと並行で運用しておいてください。サーバー設置型のアクセス解析ツールなどがあれば、進捗状況を確認しやすいかもしれません。
ちなみに『さくらのレンタルサーバ』の解約は、会員メニュー内の [契約情報] タブ → [契約サービスの確認] → [解約] から行えます。
というわけで、作業は以上となります。
当記事を参考にレンタルサーバーのお引越し作業を行なっていた方々は、本当に本当にお疲れ様でした!
また、興味本位で当記事を読み始めてしまった方々も、こんな長ったらしい文章に最後までお付き合いいただきありがとうございます。もし今後レンタルサーバーのお引越しを検討されているのであれば、ぜひ挑戦してみてください。
その他の注意点
無料お試し → 本契約 への移行
無事にレンタルサーバーのお引越し作業が済んだわけですが、実を言いますと当記事は9割方 "無料お試し" 期間中に書き上げています。
何せ、無料お試し期間が30日もあるので、非常に落ち着いて作業を進めることができました。『さくらのレンタルサーバ』が14日間、『エックスサーバー』に至っては10日間しか猶予が無いことを考えると、新規ユーザーに対する姿勢がウェルカムな会社だな~と率直に感じます。
ですが、無料お試し期間が長いからといって本契約を先延ばしにしていると、無料期間が過ぎたことに気付かないままアカウントを停止させられてしまう危険性があります。
『mixhost』は料金プラン変更への柔軟性が非常に高く、ブログ/サイトの状況に合わせて上位プラン/下位プランを自由に変更することが可能です。なので、とりあえず480円のエコノミープランで本契約しておいて、ブログ/サイトが育ってきたらスタンダード以降のプランに移行するというのもアリだと思います。
※エコノミープランの新規受付は、2017年12月5日に終了しました。
サーバー設置型アクセス解析ツールの導入について
2011年から『Research Artisan Lite』というアクセス解析ツールを愛用してきたのですが、残念ながら PHP7 に対応していません。
PHPのバージョンを下げたり、.htaccess ファイルをいじって同ツールだけ PHP5 環境下で使うことも考えましたが「そこまでして延命させるのもなぁ・・・」ということで、実質的な後継ツールである『THK Analytics』へ移行することにしました。
既に mixhost 側への設置は完了しており、ネームサーバー書き換え後の進捗状況を確認しているところです。Research Artisan Lite とレイアウトがほぼ一緒なので、同ツールのユーザーだった方はスムーズに使い始められるかと思います。
たださすがに、コレまで当記事内で掘り下げるとなると書く側も読まれる側もしんどいと思いますので、別記事にてご紹介する予定です。
『mixhost』にお引越ししてみての感想
容量の少なさは若干不安
『mixhost』最大のデメリットである "容量の少なさ" は、将来的にブログ/サイトを複数運営する上で不安材料の1つではあります。
仮に全サイトを mixhost 一本で運営しようと考えた場合、最上位プランであるエンタープライズ(14,380~22,380円/月)でも SSD 160GB ですから、エックスサーバーX10(900~1,200円/月)の SSD 200GB と比較してしまうと大幅に見劣りしてしまうのは否めません。
とは言え私の場合、既に SSL化してしまったブログをノーリスクで受け入れてくれるという点がお引越しの決め手でしたので、後悔はゼロです。
ただ、もし今後サイトを大量に作っていく場合は、おそらくエックスサーバーも並行契約して向こうで管理していくことになるでしょう。当ブログはどのみち動かしようがありませんので、mixhost に腰を落ち着けることになるかと思います。
HTMLサイトに迫るほどページ表示速度が上がった
本来であれば『さくらサーバー』と『mixhost』で同時に WordPress管理画面や実際のブログを開いた様子を動画でご紹介したいところですが、そちら方面のスキルは勉強中ということでご容赦ください。
ただ、ページを開く際の速度は間違いなく上がりました(明らかに早くなってますよね?)。もちろん、管理画面のほうもサクサクです。
体感だと、さくらサーバーの 3.5倍ぐらいでしょうか。静的サイト(HTMLサイト)ほどではありませんが、WordPressサイトとは思えないレベルのスピードです。
以前は、せっかくご訪問いただいたのにページ読み込みが遅くて帰っちゃう方が多数いらっしゃったかと思います。その点が大幅に改善されるだけで、mixhost へお引越しした甲斐があったというものです。
最後に
記事を書きながらだったので5日前後も掛かってしまいましたが、普通にレンタルサーバーをお引越しするだけだったら多分2日ぐらいで終わります。
一番のネックはやはり WordPressデータのダウンロード/アップロード時間ですね。こればっかりはショートカットのしようがないので、ただただ "待つ" しかありません。これが無ければ、それこそ半日ぐらいで出来ちゃうのではないでしょうか。
無事にレンタルサーバーお引越しを終えて率直に感じたことは「個人的には嫌いじゃないけど、こういう作業がイヤな人は多いだろうな・・・」です。当記事をひと通りお読みいただければ分かるかと思いますが、メインの作業を数々の小トラブルがことごとく妨害してきます。そのため、トラブルを楽しめないタイプの方は結構キツイかもしれません。
ただ、トラブルを楽しめるか楽しめないかに関わらず、知識はガッツリ身につきます。最初っから優秀なレンタルサーバーと出会っていたら良くも悪くもこういった経験はできなかったわけで、そういう意味では最初にさくらサーバーを契約して良かったです。
最新情報をお届けします