HAGANEYA(@imech_jp)です。

1984年リリース。通算5作目となる本作は、デビュー以降 “初めて” 前作からのメンバー編成が固定された状態で収録された作品です。なお、この編成は 7th『Seventh Son of a Seventh Son(邦題:第七の予言)』リリース後に Adrian Smith さんが一時脱退するまで続きます。

上記理由が関係しているかどうかはわかりませんが、1曲1曲のカラーにブレやクセが無く、非常に統一感を感じる作風です。そして、本作以前の彼らの作品を聴き込めば聴き込むほど、この “統一感がある” とか “クセが無い” といった本作の特徴と比較した際に「PowerslaveってIron Maidenらしくない作風だよなぁ・・・」と毎回感じてしまいます。

彼らのキャリアの中で最も有名な代表曲の一つを生み出した作品であると同時に、最も “予定調和を裏切らない” 作品というのが率直な印象です。

エンターテインメントの世界では「予定調和は裏切ってナンボ」というのが常ですが、彼らのように “前フリがやたら長い” タイプのアーティストは受け手に対して魅力が伝わるまでに時間が掛かるので、本作のような “奇をてらわない” 方向性は逆にアリだと思います。

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1984年の時点で、パワーメタルもプログレメタルも通過済み?なサウンド

バンドの代表曲としても有名なスピード・チューン #1『Aces High』、正統派メタルの格好良さを凝縮したイントロ&Aメロ〜パワーメタルのルーツとも言えるBメロのエピックなリフ…と隙の無い #2『2 Minutes to Midnight』、グラディウス(ゲーム)やDream Theaterを彷彿とさせる三連符のスペーシーなメロディライン&テクニカルなギターソロが最高なインスト曲 #3『Losfer Words (Big ‘Orra)』、切れのあるカッティングを散りばめたAメロ〜サビの伸びやかなハイトーン〜前曲の雰囲気を引き継いだ間奏部分など聴きどころ満載な #4『Flash of the Blade』、前曲・前々曲の雰囲気を引き継ぎつつ中盤のHelloween臭いギターリフも気になる #5『The Duellists』、休む間もなく走り続けるギターが聴き手をもランナーズ・ハイ状態へと導くスピード・チューン #6『Back in the Village』、エジプト感を演出するギター&主張の強いベースラインが耳に残る #7『Powerslave』、5分を過ぎた辺りからの不気味な静けさ〜The Number of the Beastのイントロを彷彿とさせるパート等々…映画音楽的なドラマ性も見せる80’s Iron Maiden最長プログレ曲 #8『Rime of the Ancient Mariner』。

Iron Maidenの音楽性が苦手だったかつての私をも虜にした『Aces High』は言うまでもなく必聴ですが、個人的には次曲『2 Minutes to Midnight』の完璧なパワーメタル・サウンドに心を奪われました。この手のメロディやリフは Stratovarius 辺りが先駆者だと勝手に思っていたので・・・1984年の時点でこのレベルの叙情性を実現していたことに驚愕です。

また、Dream Theater などのメロディアス・ハード(ハード・ポップ)寄りプログレメタルを先取りしたかのような『Losfer Words (Big ‘Orra)』などの存在も本作の雰囲気作りに一役買っています。もっとも、時期的には Rush 辺りから影響を受けた可能性も考えられますが、”手数の多さ” や “硬質のサウンド” などは後続のプログレメタル・バンドの “ネタ元の一つ” ぐらいにはなっているのではないでしょうか。

 

クセの強いバンドが例外的に生み出した “万人に受け入れられやすい” 作品

方向性の似た『Seventh Son of a Seventh Son』は良くも悪くもアクが強く “通向け” の作品ですが、本作はとにかく “万人に受け入れられやすい” メタルアルバムです。

パンク・ロック路線には『Iron Maiden(邦題:鋼鉄の処女)』という入門作がありますが、ヘヴィメタル・バンドとしての Iron Maiden 入門作は本作以外に考えられません。私自身「この作品から入っていれば、もっと早くハマっていたのに・・・」と後悔しています。

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