HAGANEYA(@imech_jp)です。

1981年リリース。『Iron Maiden(邦題:鋼鉄の処女)』に続く2作目であり、本作を最後に初代ボーカル Paul Di’Anno さんが脱退(解雇)となるため、作風の近い前作と併せて “姉妹作” 的な扱われ方をされることが多い作品です。

また、前作リリース後に脱退した Dennis Stratton さんの後任ギタリストとして、本作から Adrian Smith さんが参加しています。Iron Maiden の黄金期の作品を手掛けることになる Martin Birch さんがプロデュースを担当し始めるのも本作からです。

Paul さん在籍時というだけで前作と一緒くたにされがちですが “バンドの根幹をなす人物が2人も代わっている” ため、よくよく聴くと音楽性も微妙に異なります。一応パンク・ロックの影響が強かった前作がベースとなっているものの、全体を通してハードロック並みに演奏力が上がっている印象です。

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同ボーカルゆえの ”地続き” 感とは裏腹に、音楽性の幅が広がっている

マーチング風スネアとギターソロの融合が心地良い序曲 #1『The Ides of March』、ベースのメロディが主張しまくっている #2『Wrathchild』、長めのイントロからスタートする明るい雰囲気のスピード・チューン #3『Murders in the Rue Morgue』、前作のスピード・チューンの手触りを残しつつメタリックなリフが大幅に加わった #4『Another Life』、ドラムの手数の多さが東洋的な世界観の演出に一役買っているテクニカル・ロック・ナンバー #5『Genghis Khan』、グルーヴ感を重視した前半〜超高速ハイハットからの三連符パートが耳に残る #6『Innocent Exile』、バンドのトレードマークとも言えるギャロッピングを導入した初の楽曲と思われる #7『Killers』、英国的な清涼感のあるメロディラインが前作に無い空気感を醸し出すパワー・バラード曲 #8『Prodigal Son』、メロディック・ハードコアのような畳み掛ける疾走感が爽快な #9『Purgatory』、シリアスなメロディとロックンロールのリズムとのギャップがクセになる #10『Twilight Zone』、Paul Di’Anno流ハイトーンボイスが新鮮な #11『Drifter』。

冒頭の繰り返しになってしまいますが、ボーカルが一緒であるがゆえの “地続き” 感とは裏腹に、音楽性の幅が広がっていることがわかります。次作以降の進化の方向性とも微妙に異なりますが・・・おそらく、Adrian Smith さん加入によってメロディが増強されたことが理由でしょう。

盟友 Judas Priest の影響を感じさせる『Another Life』や、UKロックばりに爽やかな『Prodigal Son』、Bad Religionみたいなメロコア・サウンドの『Purgatory』などなど・・・とても同じバンドの楽曲とは思えません。模索していたことを感じさせる時期にも関わらず1曲1曲のクオリティが高いあたり、Judas Priest の『Sad Wings of Destiny(邦題:運命の翼)』と同様のセンスを感じます。

あと忘れてはならないのが、最終曲『Drifter』のイントロ部分で Paul Di’Anno さんがハイトーンボイスに挑戦しているということです。ボーカル交代前の “最後のあがき” にも思える絶叫ですが、Rob Halford さんを彷彿とさせる張りのあるハイトーンも決して悪くありません。Bruce Dickinson さんの伸びやかなボーカルがメタルにより適しているのは明白ですが、Paul さんの「俺だってここまでやれるんだ!」というプライドを感じました。

 

圧倒的キラー・チューンは不在だけど、平均値がかなり高い

前作の方向性を守った楽曲と、新境地を開拓しようとしている楽曲が混在し、バラエティに富んだ作風となっているため、全編通して聴いても飽きが来ません。

名盤だらけの初期 Iron Maiden においてやや地味なポジションに落ち着いてしまっている感はありますが、個人的には大好きな作品です。他人に勧めるなら前作が先ですが、聴いていて楽しいのは間違いなくこちらだと思います。

前作(Iron Maiden)における『Prower』『Iron Maiden』や、次作(The Number of the Beast)における『Invaders』『The Prisoner』『The Number of the Beast』などに匹敵する圧倒的なキラー・チューンは無いものの、捨て曲が少ないので平均値はかなり高めです。

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