どうも、ハガネ屋(@imech_jp)です。
90年代。まだ「ヴィジュアル系」の呼び方が主流だった頃。
きちんとした”ブーム”として、V系が認知されていたこともあり
当然のごとく、筆者も普通に洗礼を受けてきました。
メディアに取り上げられるには、キャッチーかつ個性的であることが条件。
音楽性で一般層に認められるのは、昨今よりも難しかった印象があります。
今は「逆輸入」や「youtube再生数」で話題になりやすくなりましたし
リスナーの興味も細分化されているため、再評価されるバンドも多数出現。
(モーニング娘。の再ブレイクなんて、まさにこのパターンですからね。)
というわけで、第2弾の今回は「90年代」に精力的な活動をしていた
音楽性の高いV系バンドを、HR/HM寄りの視点からピックアップします。
※クリックで各項目へ飛びます(戻る時は右下のBACK TO PAGETOP)
・PIERROT
・Raphael
・media youth
・CRAZE
・D-SHADE
・Laputa
・ROUAGE
・Dué le quartz
・La'cryma Christi
・SIAM SHADE
第1弾(00年代編)はこちら。
HR/HM寄り?容姿に依存しない「V系」バンド10選【90年代編】
Creature
http://youtu.be/leVDzYSm0jk
Hello
1995年結成。2006年に解散。
メジャーで一番分かりやすく「オルタナティヴ」を体現していたのが
まさに、この「PIERROT」というバンドだったように思います。
日本のMarilyn Mansonと言われていたのは有名。
Vo.キリトの声や風貌もブライアン・ヒュー・ワーナーに似ているし、
インダストリアルな音楽性~文学性溢れる詞に至るまでマンソン濃度高め。
シニカルなスタンスが、デイヴムステイン(Megadeth)とも若干カブる。
デビュー時期の近いDIR EN GREYと、よく比較される事が多かった。
当時は音楽性から何まで、断トツでPIERROTに軍配が上がっていたけど
DIR EN GREYが突然変異を起こして以降、入れ替わるかのように失速(爆)
実質的な後継バンドはAngelo。PIERROTが好きならマストです。
楽曲的には、PIERROT時代の楽曲が、ヘヴィかつシンプルになった感じ。
症状3.XXX症
Fake star
1997年結成。2000年活動休止。
一言で言えば「中二病なX JAPAN」なのだが、期待されていた印象はある。
(Wikipediaにもある通り、キャプテン和田がメタルバンドとして注目してた)
熱狂的なバンギャではないので、Gt.華月の死については触れません。ブレるから。
ロックバンドとして、普通に実力の高いバンドです。捨て曲が少ないのも特徴。
Rhapsody of Fire系のエピックメタル・メロスピ好きにはたまらないであろう
Holy Missionという曲が、当時は結構ツボだった。想像力を刺激されます。
CLIMAX
1989年結成。1999年解散。
元AIONの「SATORU(笹野学)」やX加入前の「HEATH」を始め
元hide with Spread Beaver~現machineのKIYOSHIなどが在籍。
何かとジャパメタ臭が漂いまくりなバンド。
初期・中期・後期で、音楽性がガンガン変わっているため
これ!っていう特徴を挙げるのが難しいですが、一般的なイメージは
シングルリリースが集中している中期~後期のサイバー路線かも。
I LOVE YOU
http://youtu.be/siuBg0qAluU
RISKY
HonkyTonic~ARMY
1995年結成。2006年解散。
元D'ERLANGERの瀧川一郎(CIPHER)菊池哲(TETSU)
元ZI:KILLの飯田成一(SEIICHI)板谷祐(TUSK)
元JUSTY-NASTYの藤崎賢一など、元○○が異常に多いバンド(爆)
V系というよりも、ほとんどハードコアに近い風貌や音楽性。
実際、メディアでもあまり見る機会が無かったような気がする。
当時のV系四天王を見ても、耽美なルックスがウケてたし仕方ないか。
(SHAZNA,MALICE MIZER,La'cryma Christi,FANATIC◇CRISIS等)
Believe
Alone
そして、前項であるCRAZEの要素を色濃く受け継いだのが、このバンド。
1998年~2000年と、活動期間は異様に短かったが、クオリティは高い。
Vo.HIBIKIの声がGLAYのTERUを彷彿とさせるのも特徴。
聞くところによると、実際ポストGLAYって呼ばれていたらしい。
9mm Parabellum BulletやBLOOD STAIN CHILDなど、
V系をルーツの一つに持つバンドが受け入れられている現在であれば
当時の様な「一発屋」的扱いを受けなかったであろう、不遇のバンド。
彼らほどではないが、SIAM SHADEも一般的にはそんな扱いだった。
揺れながら・・・
麝香(ジャコウ)
Meet Again
1993年活動開始。2004年解散。
レコード屋に並んでいた「妙に凝ったジャケット」が購買意欲をそそる。
フルアルバムは全て二字熟語で、漢字の間に~カタカナ~が入るのが特徴。
よくよく考えると「何のこだわりやねん」とツッコミを入れたくなるが、
当時は、あのこだわったコンセプトが格好良くて仕方が無かった。
そしてジャケットに引けを取らない、イントロの「引きの良さ」と
名古屋系らしく「黒」を前面に押し出した、ゴシックかつ荘厳な雰囲気。
Vo.akiの影山ヒロノブ的歌唱法が、人を選ぶところではあるが
なんやかんやで結構好んで聴いていた。カラオケで歌える奴は神様仏様。
1993年結成。2001年活動停止。
Laputaが出てきたのだから、こちらを出さぬわけにはいくまい。
名古屋系の代表格であり、個人的に「THE 90's V系」なイメージ。
BOØWY~LUNA SEA,GLAY等、所謂「ビートロック」の系譜を受け継ぐ
8ビートの楽曲が多いのが特徴。今で言うならjealkbみたいな感じ。
というか、jealkb=ポストROUAGEだと勝手に思っている。
Horizon
1998年結成。2002年解散。
「雅-MIYAVI-」が在籍していたバンドとして知られる。
風貌から唱法、曲調に至るまで、初期のDIR EN GREYと完全に一致。
そこら辺を上手く差別化してるのが案の定、MIYAVIのギターだったりして。
Magic Theatre
Zambara
南国
1994年結成(前身バンド「STRIPPE-D-LADY」が91年)。2007年解散。
ヴィジュアル界プログレ御三家の一角。(残りはSIAM SHADEとJanne Da Arc)
南国的なゆるい雰囲気かつ、包み込むような長尺の演奏&ボーカルが特徴。
シャム、ジャンヌがプログレメタルなら、ラクリマはプログレッシブ・ロック。
むしろYES,Pink Floydのような、アート・ロックの系譜に近い気がする。
実質的な後継バンドとしては「Libraian」が挙げられる。
こちらはプログレ要素も無く、晩年のハードロック路線に近い。
ラクリマのシングル曲が好きだった人は、違和感無く聴けると思う。
SSS
http://youtu.be/207sd6mIHaM
1991年結成(改名前の「ataru」として)。2002年解散。
その後、再結成を何度か繰り返す。2013年4月、本格的に活動再開。
「2/3の部分も聞いてみたい」や「SIAM SHADEのVoのモノマネ」など、
妙なところでいじられていることが多い気がするが、名実共に「大御所」。
上記「SSS」のような、DREAM THEATERばりのプログレメタルから
シングル曲によく見られた、ハードロック系まで何でも出来ちゃう人達。
しかしながら、良くも悪くも「1/3~」がバカ売れしてしまったがために
センチメンタル路線が定着。大衆の顔色を窺いつつ曲作りをしてた印象がある。
(それでもなお、ハードロックとしてのクオリティは抜群に高かったけど)
Judas Priestの「Rock You All Around The World」や
「Locked In」を彷彿とさせる「RAIN」のイントロが好き過ぎる。
http://youtu.be/WM7pbwyDVGM
まとめ
・PIERROT・Raphael・media youth・CRAZE・D-SHADE・Laputa・ROUAGE・Dué le quartz・La'cryma Christi・SIAM SHADE
※クリックで各項目へ飛びます。
「00年代以降のV系は、80~90年代にあった味が無い!」とか
「最近のV系のほうが音楽性も格好良い!」等、両者の言い分はあるだろうけど。
良い意味で「何にも変わっていない」と、改めて思いました。
マーケットの性格や音のトレンドが変わっただけ。やはり良いものは良い。
前半のほうにも書きましたが、90年代に見向きもされなかったタイプの音楽が
00年代中盤以降。まさにYouTube生誕を境として、受け入れられ始めています。
CDが売れなくなった代わりに、リスナーの趣味嗜好が細分化したため
堅実に活動を続けるミュージシャンが正当に評価されやすくなったわけです。
これが果たして、良いことなのか悪いことなのかは分かりませんが
雑食メタラーな筆者としては、色々な音楽に触れる機会が増えて単純に嬉しい。
2010年代以降、V系のシーンはどうなっていくんでしょうかね。楽しみ。
※80年代編については、余裕があればやろうと思います。
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