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音楽のこと

【鋼】Megadeth『The World Needs a Hero』レビュー

2016年10月18日

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HAGANEYA(@imech_jp)です。

2001年リリース。前作『Risk』から2年ぶりとなる通算9作目のフルアルバムであり、2nd『Peace Sells... but Who's Buying?』以来長らく籍を置いていた Capitol Records から Sanctuary Records へ移籍後初となる作品です。

また、前作で脱退した Marty Friedman さんの後任として、Asia や Savatage などを渡り歩いてきた Al Pitrelli さん(Gt.) が参加しています。なお後述しますが Megadeth は本作で一度解散したため Al さんにとっては唯一の参加作となってしまいましたが、彼は2014年に Savatage へ復帰し正式メンバーとして活動中です。

Hugh Syme さんが手掛けた本作のアートワークには、"Megadeth版エディ・ザ・ヘッド" とも言える Vic Rattlehead(ヴィック・ラトルヘッド)が描かれています。4th『Rust in Peace』以来途絶えていた "マスコットキャラの復活" が示唆するかのように、本作はポップ方面へ偏りがちだったバンドの方向性を、再び硬派なヘヴィメタル路線へと揺り戻そうとした形跡が見える "意欲作" です。

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『Cryptic~』な構成で『Rust~』期を再現しようとしたら酷評された "不遇の作品"

  1. Disconnect
  2. The World Needs a Hero
  3. Moto Psycho
  4. 1000 Times Goodbye
  5. Burning Bridges
  6. Promises
  7. Recipe for Hate... Warhorse
  8. Losing My Senses
  9. Dread and the Fugitive Mind
  10. Silent Scorn
  11. Return to Hangar
  12. When

おそらく、大多数の方々が本作に抱く第一印象は "グルーヴ・メタル色が強く、印象的なメロディに欠ける地味な作品" といったところでしょう。これは、前作がやたらポップ過ぎたことで "相対的に" 地味に聴こえてしまっている部分も多少はあると思います。

また "前半〜中盤の大半をミディアムテンポの楽曲で構成し、終盤にわかりやすいスピード・チューンを配置" するという 7th『Cryptic Writings』方式の流れを採用したことで、ロクに聴き込みもせず脊髄反射的に低評価を下すリスナーを多く生んでしまった、いわゆる "風評被害" も原因としては大きそうです。

Cryptic〜 にも言えることですが、#4『1000 Times Goodbye』のみならず、後半に #9『Dead and the Fugitive Mind』#11『Return to Hangar』などといった "メタラー向けの佳曲" が控えているのを見逃している方は、確実に一定数いらっしゃると思います。

また "Martyロス" によって見落とされがちですが、プログレ界隈のバンドを渡り歩いてきた Al さんの貢献力も見逃せません。#6『Promises』#8『Losing My Senses』などの楽曲で時折聴ける幻想的なギター・サウンドからは、Marty さん在籍時のオリエンタルな Megadeth とは別ベクトルの魅力を感じます。

冒頭曲に相応しくないと過小評価されがちなミディアム曲 #1『Disconnect』、Mustaine 印の爬虫類ボイスに Layne Staley さん(Alice in Chains) を思わせるサイケデリックな加工を施した #5『Burning Bridges』などの Megadeth カラーが強い楽曲も、地味だけど悪くありません。

一部パートに Diamond Head の某曲を丸々パクったかのようなフレーズが登場する #12『When』などの楽曲もあるにはありますが、Mustaine さんの Diamond Head 好きを考えると、個人的には "ファンのオマージュ" として大目に見てしまいたくなります(確かに似てるけど)。

 

本作で蒔かれた種が "第2次黄金期" の礎となる

Marty さんというメロディ・メーカーが抜けた穴を Al さんが100%埋められているかどうかは微妙ですし、Nick Menza さんのタイトなドラミングを知ってしまうと Jimmy DeGrasso さんのプレイに若干の物足りなさを感じてしまうのも事実です。

とは言え、この頃の Megadeth が "攻撃的なヘヴィメタル・バンド" として再起を図ろうともがいていたのは、本作を聴けば明白だと言えるでしょう。

ただ残念なことに、本作リリースに伴うツアー終了後、中心人物である Dave Mustaine さん(Vo.) が二度とギターを弾けなくなる可能性のある橈骨神経麻痺を患い、バンドは一度解散してしまいます。

その3年後、奇跡的に回復を遂げた Mustaine さんは Megadeth 名義のソロ・アルバム『The System Has Failed』をリリースし "完全復活" となるわけですが・・・ちょうど私が Megadeth を後追いで聴き始めた頃に起きた "解散〜復活" 劇だったので、すごく嬉しかったですね。こんな気持ちにさせるのですから、やっぱり魅力的なバンドなんだと思います。

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