HAGANEYA(@imech_jp)です。

2004年リリース。前作『The World Needs a Hero』から3年ぶりとなる通算10作目のフルアルバムです。ただし本作は、レーベルの意向により “Dave Mustaine さんが Megadeth 名義でリリースした作品” ですので、彼のソロ・プロジェクト MD.45 の『The Craving』に続くソロ2作目とも言えるかもしれません。

プロデューサーには、7th『Cryptic Writings』 8th『Risk』などのミキシングを担当してきた Jeff Balding さんを起用。Ed Repka さんの作風を彷彿とさせるアートワークは、車・バイク・ギターのカスタムペイントを得意とする Mike Learn さんという方が手掛けています。

なお前述の通り、本作は実質 “ソロ作” なので、Mustaine さん以外のメンバーはゲスト・ミュージシャンとしての参加です。ちなみに、元The Imperials の Jimmie Lee Sloas さん(Ba.)、Frank Zappa さんや Sting さんとの仕事で有名な Vinnie Colaiuta さん(Dr.) が参加しています。

また、1st『Killing Is My Business… and Business Is Good!』及び 2nd『Peace Sells… but Who’s Buying?』まで Megadeth に正規メンバーとして在籍していた Chris Poland さんが17年ぶりにギターを弾いているため、初期ファンにとっては嬉しい人選でしょう。

どことなく Peace Sells〜 を思わせるオレンジ色のアートワーク。Chris さんのゲスト参加。そして、本来であれば “Mustaine さんのソロ作” としてリリースする予定だった・・・など、否応無しにファンの期待を煽る材料が揃いまくっているわけですが、蓋を開けてみたら案の定 “Mustaine 色全開” なサウンドがそこに広がっていました。

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“Megadeth の集大成” 的なソロ作品

  1. Blackmail the Universe
  2. Die Dead Enough
  3. Kick the Chair
  4. The Scorpion
  5. Tears in a Vial
  6. I Know Jack
  7. Back in the Day
  8. Something That I’m Not
  9. Truth Be Told
  10. Of Mice and Men
  11. Shadow of Deth
  12. My Kingdom

先に言っておくと、本作は初期に原点回帰した作風 “だけ” で構成されているわけではありません。

#2『Die Dead Enough』#4『The Scorpion』#8『Something That I’m Not』#10『Of Mice and Men』などに見られるミディアムテンポ&良質なメロディからは、明らかに90年代 Megadeth(特に 6th『Youthanasia』〜 7th『Cryptic Writings』辺り)で得たものが血肉となっていることがわかります。

その上で、徐々にスピードを上げていく #3『Kick the Chair』#9『Truth Be Told』#12『My Kingdom』のような Peace Sells〜 系統の楽曲もあり、初期衝動だけで突っ走っていた頃を思わせる #7『Back in the Day』のような Killing Is〜 系統の楽曲もあり、テクニカル路線を確立した 4th『Rust in Peace』の再来を感じさせる #1『Blackmail the Universe』があったり・・・

そんな中、各時代の Megadeth を全部ゴチャ混ぜにした感じの #5『Tears in a Vial』みたいな楽曲もあったりするわけで。何というか、ソロ作なんだけど “Megadethの集大成” 感が伝わってくる作品です。

 

Dave Mustaine = Megadeth

結局のところ本作の存在意義は「”Dave Mustaine=Megadeth” というシンプルな事実を、多くのリスナーの中で確信へと変えさせた」ということに尽きると思います。

実はこれって結構すごいことだったりするわけです。重要人物が脱退したことによって “本来の持ち味” を大幅に失ってしまうバンドって意外と多いんですよね。一時期の Soilwork とか Iron Maiden とか Killswitch Engage とか・・・それこそ挙げればキリが無いですけど。

これがある意味 Megadeth の強みというか「時期によって参加ミュージシャン毎の個性は普通に入ってくるんだけど、母屋は絶対に乗っ取られない」から “ブレない”。90年代 Megadeth が何やかんやで一定のヘヴィメタル要素を守り続けて来られたのも、Mustaine さんのリーダーシップに因る部分が大きかったのではないでしょうか。

なお、本作はどちらかと言うと “古くからのMegadethファン” へのアピールに成功した作品であり、次作『United Abominations』は “ステレオタイプな Megadeth スタイル” を好む層にバッチリ刺さる作風となっています。

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