HAGANEYA(@imech_jp)です。

1986年リリース。前作『Killing Is My Business… and Business Is Good!』から1年ぶりとなる通算2作目のフルアルバムであり、前作の Combat Records から Capitol Records へレーベル移籍後初となる作品です(Capitol〜 には 8th『Risk』まで在籍することに)。米国で100万枚・カナダで10万枚・イギリスで6万枚のセールスを記録。

なお、初期メンバーの Chris Poland さん(Gt.) と Gar Samuelson さん(Dr.) は本作を最後に解雇されています。

アートワークは、メタルと共にクロスオーバー・スラッシュ界隈のバンドも数多く手掛ける Ed Repka さんが担当。彼が手掛けたアートワークとしては Atheist『Piece of Time』や S.O.B.『Gate of Doom』、Death の初期3作などが有名どころだと思いますが、ロック全般を聴く方にとって一番馴染み深いのは、おそらく NOFX『S&M Airlines』辺りではないでしょうか。

さて、古巣 Metallica への恨みを具現化したかのような “粗さ” を持つ前作から一転、本作でバンドが提示したものは “妙に冷静さを増した” スラッシュ・サウンドでした。

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“冷徹なギターリフ” と “走ろうとしないドラム” とのギャップ

  1. Wake Up Dead
  2. The Conjuring
  3. Peace Sells
  4. Devils Island
  5. Good Mourning/Black Friday
  6. Bad Omen
  7. I Ain’t Superstitious
  8. My Last Words

まず本作を聴いて真っ先に感じたのが “(良い意味で)奥ゆかしくなった” ということです。

#1・#3・#5〜#8 の6曲に共通しているのは、”中盤~終盤に掛けて爆走しまくる” ということでしょう。Iron Maiden 辺りが多用する、この “前半と後半でテンポがガラッと変わる” 構成ですが、前述の Megadeth の楽曲では、一貫して最後のほうに(スラッシュ好きにとって)美味しい展開を隠しているのが特徴です。

前作の場合、”疾走曲は疾走曲” “ミドル曲ならミドル曲” といった感じで、棲み分けが割と明確に行われていた印象があり、その点において “お約束” を崩してきたインパクトは結構大きいと思います。

中でも #3『Peace Sells』前半パート(特にAメロ)の “冷徹なギターリフ” と “走ろうとしないドラム” とのギャップには痺れました。そのままBPMを上げるだけで Slayer みたいなサウンドに変化しそうなところを “あえて” 淡々と演奏し続ける。Mustaine さんが掲げる “インテレクチュアル・スラッシュメタル” の理想形を見たような気がしました。

また、沙羅曼蛇のボス戦BGM辺りにも通ずる “不穏なイントロ” が耳に残る #2『The Conjuring』もすごく Megadeth 臭い作風です。

そして、Black Sabbath 風の暗黒リフから Iron Maiden 譲りのギャロッピングへとなだれ込む #4『Devils Island』のキャッチー&テクニカルな楽曲展開からは、黄金期と呼ばれる 4th『Rust In Peace』〜 5th『Countdown to Extinction(邦題:破滅へのカウントダウン)』を予感させるものを感じます。

 

“インテレクチュアル・スラッシュメタル” の理想形

基本的には前作の延長線上にあるスピード重視の作風であり、変化球を嫌うステレオタイプなスラッシュメタルファンからは受けが良いと思います。

逆に言えば、前作と同様 “わかりやすいメロディラインに欠ける” タイプの硬派な作品なので、スラッシュ好き以外の方々は若干取っつきにくいかもしれません。

なお、本作の反動・・・というか “ドラッグの購入資金” を稼ぐため意図的にポップにしたと言われている次作『So Far, So Good… So What!』では、メジャー・コードの多用や豪華ゲストを迎えたことで、本作とは毛色がだいぶ異なる作風となっています。

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