HAGANEYA(@imech_jp)です。

1997年リリース。前作『Load』から1年ぶりとなる通算7作目のフルアルバムであり、米国で400万枚・欧州全体で200万枚のセールスを記録しています。プロデュースは、前作および前々作『Metallica(通称:ブラック・アルバム)』を手掛けた Bob Rock さんが続投。

元々 “Loadとの2枚組” で構想が練られていた名残なのか、アートワークも Andres Serrano さんが引き続き担当しています。同系色ゆえ “遠目で見ると前作と見間違えてしまう” のは私だけでしょうか・・・

前述の経緯があるため “音の質感は基本的に前作と一緒” ですが、リリースを1年延ばして作り込んだことが功を奏してか、(私の耳には)前作よりもタイトなサウンドへとブラッシュアップされているように聴こえました。

ただ、メタル的な硬質感に戻ったというよりは “オルタナ系のドンシャリ・サウンド” 方面へ行った感じでしょうか。とりあえず良くも悪くも、前作特有の若干こもった音質ではなくなっています。

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Load と同時期に作られたにも関わらず、良い意味で消え去った “ラフ” 感

  1. Fuel
  2. The Memory Remains
  3. Devil’s Dance
  4. The Unforgiven II
  5. Better Than You
  6. Slither
  7. Carpe Diem Baby
  8. Bad Seed
  9. Where the Wild Things Are
  10. Prince Charming
  11. Low Man’s Lyric
  12. Attitude
  13. Fixxxer

本作を再生した直後に耳へと飛び込んでくる #1『Fuel』の、疾走感とグルーヴ感を併せ持ったサウンド。これがまあ格好良い

Fuel は私が一番最初に聴いた Metallica の楽曲なんですが、出会いは原曲ではなく “着メロ” でした。16和音だったか32和音だったか忘れましたが・・・ “オルタナティブ・ロックとハードロックの理想的な融合体” とも言えるこのキラーチューンは着メロに落とし込んでも最高にクールで、同時期にダウンロードした Enter Sandman や Creeping Death (Ride the Lightning) などと共に繰り返し聴きまくっていたのを覚えています。

ミドルテンポのパートと Kirk さんによるギターソロ・パートの疾走感とのギャップでついつい最後まで聴いてしまう #5『Better Than You』、Skin o’ My Teeth (Countdown to Extinction) 系統のシニカルなメロディラインに Hell Bent for Leather (Killing Machine) を彷彿とさせる NWOBHM な疾走感を携えた #10『Prince Charming』、70’sハードロック 〜 80’s正統派メタル 〜 90’sグランジといったヘヴィ・ミュージックの歴史を総括したかのような #12『Attitude』など、中盤&終盤にそれぞれスピード・チューンを持ってきたのは良いですね。

一方で、Marianne Faithfull さんによる魔女ボイスが初期 Sabbath ライクなドゥーム感をより一層引き立てている #2『The Memory Remains』、前曲の呪術的な空気を引きずりつつ Facelift期の Alice in Chains のようなメタル×グランジ・サウンドを奏でる #3『Devil’s Dance』、Enter Sandman にサイケデリックなボーカルと哀愁を加えた感じの #6『Slither』、地を這うようなスローテンポのリズムに絡む叙情的なサビが “単なるドゥームメタル” の回避に上手く貢献している #7『Carpe Diem Baby』、ダンサブルな Stone Temple Pilots といった趣の #8『Bad Seed』、Maynard James Keenan さん (Tool) を思わせる複雑怪奇なボーカルがプログレッシブなリズムと相まって異質な雰囲気を醸し出している #9『Where the Wild Things Are』、本作全体に感じる Black Sabbath からの影響が最もダイレクトに反映されている #13『Fixxxer』など、前作以上に “70年代” を感じる楽曲で覆い尽くされているのも印象的です。

ここまで「疾走曲は疾走曲、ミドル曲はミドル曲」と作風が振り切れていると、相対的に #4『The Unforgiven II』や #11『Low Man’s Lyric』などのバラード曲も引き立つというか “メリハリが出てくる” ので、アプローチとしてはすごく潔いと思いました。

同時期に作られた楽曲にも関わらず Load のラフな雰囲気は無く、率直な印象としてはブラック・アルバムのほうに近いです。カントリー要素が抜けたのが大きいかもしれません。

 

無理に “Loadの関連作” 感を出さなくても良かったのに・・・

個人的には Load よりも Reload のほうが好みですが、唯一不満を挙げるとすれば “アートワーク” でしょうか。

前作と姉妹作であることを示すために、作風を寄せざるを得なかった気持ちはわからなくも無いです。ただ、そもそも Load の時点でスベっていたというか・・・ Metallica というバンド名の “語感” とアートワークが全く合っていない気がするんですよね。

Wii に対する Wii U ばりの “影の薄さ” は、アートワークで無理やり “関連作” 感を出したことが原因だと思います。独立した作品として勝負しても全然戦えたのに。

例えば、Primal Scream の『Screamadelica』みたいに芸風と合っているのであれば全然気にならないんですが、”路線変更先(グランジ・70’sハードロックなど)の芸風とすら合っていない” と、さすがに混乱しますね。この点に限って言うなら、Megadeth『Youthanasia』の “絵画的なアートワーク” のほうが一枚上手だったかもしれません(楽曲も好きだけど)。

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