HAGANEYA(@imech_jp)です。

1984年リリース。前作『Kill ‘Em All(旧邦題:血染めの鉄槌)』から1年ぶりとなる通算2作目のフルアルバムです。

二代目ベーシスト Cliff Burton さん&二代目ギタリスト Kirk Hammet さんは、本作から本格的に楽曲制作への参加をしています。#2『Ride the Lightning』や #8『The Call of Ktulu』など一部の楽曲には、初代ギタリスト Dave Mustaine さん(現:Megadeth) が関わっていますが、基本的には “黄金期の布陣で制作した初めての作品” だと言えるでしょう。

さて、本作は前作で提示した “Motorheadの強化版” 的なサウンドにクラシカルな叙情性・様式美を加え、単なるスラッシュメタル・バンドからの脱却に成功した作品です。

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『Master~』も『…And~』も『Black Album』も、本作の “ひな形” がベース

  1. Fight Fire with Fire
  2. Ride the Lightning
  3. For Whom the Bell Tolls
  4. Fade to Black
  5. Trapped Under Ice
  6. Escape
  7. Creeping Death
  8. The Call of Ktulu

まず、#1『Fight Fire with Fire』の “教会を思わせるイントロからの爆走スラッシュ・サウンド” によって、本作が前作とは異質な音楽性を目指しているということが即座にわかります。

この、冒頭曲の “叙情メロ→スピード・チューン” といった構成は、3rd における “Battery” や 4th における “Blackend” でも踏襲されており、全盛期 Metallica の黄金パターンとして有名です。若干タイプは異なりますが、#3『For Whom the Bell Tolls』の SE の入れ方も、次作以降の作風に大きく影響を与えているように思います。

また、バンド初のバラード曲とも言える #4『Fade to Black』は、3rd の “Welcome Home (Sanitarium)“・4th の “One“・5th の “The Unforgiven” への布石となっています。いずれのバラード曲も “4曲目” に収録されているわけですが、これはどう考えても偶然ではなく意図的な配置でしょう(理由は不明)。

他にも、Metallica サウンドと Megadeth サウンドが同時に攻めてくるかのような感覚を覚える #2『Ride the Lightning』、Seek and Destroy (Kill ‘Em All) 路線のグルーヴメタルにコマーシャルなサビを加え、明らかに “Enter Sandman (Black Album) のプロトタイプ” とも言える良曲 #6『Escape』、本作の代表曲のみならず “Metallicaの代表曲” として語り継がれる #7『Creeping Death』、Cliff さんが持ち込んだクトゥルフ神話の世界観と Mustaine さんのクセの強いメロディラインが相乗効果で魅力を引き出しているインスト曲 #8『The Call of Ktulu』など、前作には無かったドラマチックな展開を見せる楽曲が詰め込まれています。

 

メタル好きに Master~ よりも Ride~ を好む方が多い理由(多分)

また、前作と決定的に異なる点に “ツーバス・パートの増加” が挙げられます。

と言っても、該当するのは・・・パッと聴く限りだと #1 と #5『Trapped Under Ice』ぐらいでしょうか。で「次作よりも本作のほうが好み」といった一定のファン層を築き上げた要因に、この “前のめりな攻撃性” が大きく関わっているように思えるのです。

次作『Master of Puppets』はヘヴィメタル界全体の歴史的名盤として知られていますが、実は本作に比べて若干攻撃性が抑えられています。誤解を恐れずに言うのであれば、ロック好き・パンク好きにも受け入れられやすい “間口の広さ” を持っていると言えるでしょう。

もっとも、本作と次作は姉妹作みたいなものなので、先ほど挙げた違いも “しいて言うなら” 程度のものです。メタル好きなら当然この2作はセットで聴いているでしょうし、どちらが上だとか下だとか優劣を付けるような次元の作品ではありません。

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