HAGANEYA(@imech_jp)です。

1983年リリース。スラッシュメタル・バンド Metallica の 1st フルアルバムです。

現Megadeth のボーカリストである Dave Mustaine さん(Gt.) は本作リリース前の時点で既に解雇されており、Mustaine さんの酒グセの悪さが招いたトラブルが原因で Ron McGovney さん(Ba.) も一足早く脱退しています。

さて、本作は後任に元Exodus の Kirk Hammett さん(Gt.) や元Trauma の Cliff Burton さん(Ba.) を迎えレコーディングされた作品です。ただし、楽曲のほとんどは初代メンバーによって手掛けられているため、 Kirk さんは楽曲制作には関わっておらず、Cliff さんも #5『(Anesthesia)Pulling Teeth』のみの作曲参加です。

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“ハードコアとNWOBHMの融合” + “Megadethのルーツ” とも言えるクセの強いサウンド

  1. Hit the Lights
  2. The Four Horsemen
  3. Motorbreath
  4. Jump in the Fire
  5. (Anesthesia) Pulling Teeth
  6. Whiplash
  7. Phantom Lord
  8. No Remorse
  9. Seek & Destroy
  10. Metal Militia

このバンドを 5th『Metallica(通称:ブラック・アルバム)』から聴き始めた15年前の私は、スラッシュメタルの定義がわからなくなってしまいました。CD再生直後に流れてきた Enter Sandman への印象は決して悪いものではありませんでしたが、”スラッシュ(鞭で打つ)” という単語から連想される音楽としては、あまりにも掛け離れたヘヴィ・サウンドだったからです。

その後 4th『…And Justice for All(邦題:メタル・ジャスティス)』→ 3rd『Master of Puppets(邦題:メタル・マスター)』→ 2nd『Ride the Lightning』と遡って聴いて行くにつれ、”路線変更後の作品から入ってしまった” ということに気付いたわけですが、正直に言うと 2nd〜3rd の時点でも完全に腑に落ちていない自分がいました。

そんな中、アートワークのおどろおどろしさから唯一避けていた本作を “覚悟を決めて” 購入。ここでようやく「・・・これだ!」と納得することになります。

曲名がジャンルの特徴を端的に示している #6『Whiplash』の、ザクザクと斬り刻むギター・サウンドやハードコア・パンクばりの疾走感を見せるドラミング。一瞬で “スラッシュメタル” の概念がわかった瞬間でした。

他にも、どことなく Pantera に通ずるものを感じる #2『The Four Horsemen』、The Offspring など後続のメロディック・ハードコア・バンドへ逆輸入的に影響を与えたと思われる #3『Motorbreath』、ベース版 Jimi Hendrix とも言える #5『(Anesthesia) Pulling Teeth』、NWOBHM からの影響を感じさせる #8『No Remorse』、グルーヴ・メタル期の作風を先取りしたかのような #9『Seek & Destroy』など、興味深い楽曲が山ほど詰まっていて飽きが来ません。

また、Mustaine さんの置き土産とも言える #4『Jump in the Fire』や #10『Metal Militia』では、Megadeth の原点とも言えるクセの強いギターリフを聴くことができます。

 

好みはあれど “スラッシュメタルの音楽的特徴” を理解するには最適

“聴きやすさ” と “スラッシュメタル的な攻撃性” のバランスの良さで言えば、Cliff さんや Kirk さんが楽曲制作に関わり始めた 2nd〜3rd のほうが遥かに上であり、何やかんやで本作は後回しになってしまいがちです。

その一方で「そもそも “スラッシュメタル” とは何ぞや?」といった疑問を一発で解消するだけの説得力やパワーが本作には漲っています。Motörhead が提示した “パンクなのかメタルなのかわからない” サウンドを次の段階へと押し上げ、”スラッシュメタル” というサブジャンルを生み出した記念碑的な作品と言っても過言ではありません。

本作と同年に生まれた私は当然のことながら “後追いリスナー” ですが、デスメタルもグラインドコアも存在しなかった頃にこの音と出会った方々は、間違いなく衝撃を受けたことでしょう。リアルタイム世代の方々が Metallica について語る時の “聴いてはいけないものを聴いている後ろめたさ” 的なニュアンスからは、Metallica がアンダーグラウンドからのし上がったバンドであるという事実が如実に伝わってきます。

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