HAGANEYA(@imech_jp)です。

2004年リリース。前作『Alive or Just Breathing』から2年ぶりにリリースされた本作は、ボーカルが Jesse David Leach さんから、元『Blood Has Been Shed』の Howard Jones さんへと交代するという大きな変化がありました(2012年に脱退)。実際は前作リリース直後に後任として加入しているため、当記事執筆時点(2016年時点)では Jesse さんよりも在籍年数が長かったりします。

本作『The End of Heartache』は、メタルコアバンドとしては大ヒットとなる25万枚のセールスを記録し、グラミー賞にもノミネートされた作品です。最も有名な本作から聴き始めたリスナーも多いと思うので、もしかすると Howard さんがオリジナルメンバーだと勘違いされている方もいたりするかもしれません(いや・・・さすがにそれはないか)。

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爽快感を抑えた代わりに “深み” が増した

さて、本作は “ボーカル交代” および “ドラマー交代” が影響してか、音楽性自体が前作・前々作までとは微妙に変化しました。結論から先に言ってしまうと、Howard Jones さんのソウルフルで力強いボーカルスタイルに波長を合わせたかのように、楽器隊の繰り出す音の一つ一つが重くなっています。“ミドルテンポ” の曲や “三連符” のパートが多いのも本作の特徴です。

あまりにも前作までとスタイルが異なるため、発売当時ファンの間では「Jesse時代のほうが良かった」「Howard以降の音が好き」と、意見が真っ二つに割れていたような記憶があります。

Alive or Just Breathing の “疾走感” “清涼感” を期待して本作を手に取った方もいると思いますが、そういった方は、本作を “別バンドの作品” と捉えて聴いてみると、評価が変わるかもしれません。前作がニュースクールハードコア寄りのメタルコアなのに対して、本作は “メロデス寄りのメタルコア” といった感じでしょうか。個人的には、スウェーデンのメロデスバンド『Dark Tranquillity』あたりが好きな方はハマる気がします。

おどろおどろしい三連符のイントロ〜サビ直前のブラストビート×咆哮が耳に残る #1『A Bid Farewell』、ミドルテンポの序盤〜ツーバス連打からの疾走パート〜終盤にかけてメロディアスに歌い上げるボーカル…とギミック多彩な #2『Take This Oath』、ブラックメタル系ブラストビートなイントロとサビのメロディとの対比が面白い #3『When Darkness Falls』、裏打ち&疾走イントロ〜跳ねるようなリズムのBメロが特徴的な #6『Breathe Life』、”バイオハザード2アポカリプス” のサントラでおなじみのパワー・バラード曲 #7『The End of Heartache』、変速的なリズムに慟哭のグロウルが絡む #8『Declaration』、ドゥーミーなリフ〜変拍子からの暴れまくるサビへと突入する #9『World Ablaze』、正統派メタルの風を感じるBメロ〜ハリウッド映画のED曲を思わせる壮大なサビが冴え渡る #11『Wasted Sacrifice』、Disturbed系ニューメタルとメタルコアを掛け合わせた感じの #12『Hope Is…』、カオティックな導入部〜浮遊感溢れるサビに意表を突かれるボーナストラック #13『My Life for Yours』。

爽快感を抑えた代わりに “深み” が増したイメージですが・・・作品として見た場合、前作に比べて若干 “聴き手を選ぶ” かもしれません。

 

“ノスタルジー” を感じるのに “新しい”

にも関わらず、ついつい全てのメタルリスナーに薦めてしまいたくなるのは、#4『Rose of Sharyn』という超名曲の存在があるからです。

Metallica などの先輩メタルバンドへ敬意を表しているかのような、過去と現在が共存するサウンド。“ノスタルジー” を感じるのに “新しい” という不思議な感覚に襲われた私は、試聴後すぐにCDショップへと走りました。

本作が “前作と並ぶ名盤” たる所以は、Rose of Sharyn の圧倒的な存在感にあります。下手すると、この1曲 VS 前作(Alive or Just Breathing)の全トラックで互角に戦えてしまうのではないでしょうか。

「じゃあ Rose of Sharyn だけ単品で購入すれば良いじゃん」と言われてしまいそうですが、決して本作が駄作だというわけではありません。本作は、いわゆる “スルメ盤” に該当するタイプの作品だと個人的には思っています。「疾走感の減退&ボーカル交代によって、旧作の “一部のファン” にそっぽを向かれた」という感じではないでしょうか。

良くも悪くも “別バンドの新作” であり、そこさえきちんと理解して聴けば、本作もまた “名作” だということがわかるかと思います。

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