HAGANEYA(@imech_jp)です。

2002年にリリースされた本作は、同じく同年にリリースされた Shadows Fall『The Art of Balance』とともに、メタルコア黎明期の “不朽の名盤” として今もなお愛されている作品です。

初めてこのバンド名&読み方を聞いた時は「長くて覚えにくい名前だなぁ」なんて思ったものですが・・・人って慣れるもんですね。

『Overcast』の Mike D’Antonio さんと『Aftershock』の Adam Dutkiewicz さんを中心として1999年に結成された Killswitch Engage ですが、処女作である前作『Killswitch Engage(セルフタイトル)』および本作『Alive or Just Breathing』には、前身バンドの一つである Aftershock の 2ndフルアルバム『Through the Looking Glass』の音楽性の一部が継承されています。もっと具体的に言ってしまうと、上記アルバムの #7『My Own Invention』が、完全に “初期Killswitch Engageのプロトタイプ” 的な音楽性です。

このバンドおよび本作は、後にメタルシーン全体の再興に多大な貢献を果たす “メタルコア” というジャンルを生み出すことになります。

もう一つの草分け的バンドである Shadows Fall が “スラッシュメタルの現代版” 的な音楽性で独自の道を歩んでいったのに対し、Killswitch Engage の斬新なサウンドスタイルからは数え切れないほど多くのフォロワーが誕生しました。いかに “彼らの作る音が新しかった” のか、ということが当時の状況からうかがえます。

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アメリカ出身のバンドであることを忘れてしまうほどの “冷気”

Killswitch Engage と他のメタルコアバンドとの決定的な違いは “叙情性” です。Aftershock 時代の名曲『My Own Invention』により、既に叙情的音楽性の片鱗を示していましたが、本作『Alive or Just Breathing』によって “叙情メタルコアバンドとしての才能が完全に花開いた” と言っても過言ではありません。

#1『Numbered Days』#2『Self Revolution』の完璧な展開はもはや説明するまでもないでしょう。曲が再生された瞬間に、このバンドがアメリカ出身のバンドであることを忘れてしまうような “冷やっとした空気” に支配されるはず。ミドルテンポ曲の #3『Fixation on the Darkness』も地味ですが侮れません。

Disturbed のマイナー曲を彷彿とさせる #5『Life to Lifeless』、ブラックメタル的な暴虐性とメロディアスなサビを両立させた #6『Just Barely Breathing』、疾走パート〜複雑なリズム〜終盤へ向けてドラマチックに展開していく #7『To the Sons of Man』、前作にも収録されているスルメ曲 #8『Temple from the Within』、Bメロのブラストビートが爽快な #10『Vide Infra』、ドゥーミーな前半から徐々にスピードが上がっていく #12『Rise Inside』、アルバム最後とは思えないほど豪快かつキャッチーに疾走しまくる #13『In the Unblind』。若干似たような曲はありますが、捨て曲は基本的に “無い” と言っても良いでしょう。

 

#4『My Last Serenade』と #9『The Element of One』は必聴

さて、本作を語る上で外せない2曲があります。#4『My Last Serenade』と #9『The Element of One』のことです。

この2曲は、作品中もっともメロディアスでドラマチックで清涼感に溢れています。本作を最後にバンドを離れてしまったボーカル Jesse David Leach さんの透き通った歌声が堪能できる超名曲であり、この2曲によって本作の作品価値が2〜3段階は上がっていると言い切っても良いほどです。

清涼飲料水のような Killswitch Engage を堪能できるのは本作が唯一かもしれません。ボーカルが Howard Jones さんに交代した次作『The End of Heartache』も名盤ですが、本作特有の “儚さ” を感じるメロディが減退し、ストロングなメタルアルバムへと変貌を遂げています。どちらも大好きな作品ですが、全編通して名曲揃いなのは間違いなく本作でしょう。

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