HAGANEYA(@imech_jp)です。

本作は、前作『第一次うさぎ大戦』における『デスラビッツ軍の七ヶ条』ほどのインパクトは無いものの、平均点以上のクオリティを持つキャッチーな楽曲が一気に増えた印象です。

今回は(一部の曲を除き)ハードコアテクノ要素が減少し、代わりにエレクトロニコア(ピコリーモ)の要素が強くなっています。前作における “高速ガバキック” 部分が、普通のドラムの “ツーバス連打” に変わったため、前作よりもエクストリームな作風です。

ちなみに、デスラビッツの肝とも言える “ジャズ要素” と “叙情メロディ” は健在。ただし、全体的に垢抜けたサウンドに進化した反面 “オリジナリティ” の面ではやや落ちた感があります。

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“七ヶ条” 1強だった前作に比べ “リードトラック” が強い

今回のハイライトは何と言っても、前半に密集したリード曲群でしょう。

前作のリード曲は『デスラビッツ軍の七ヶ条』1強といった印象が強く、『恋する季節』『アイドル STAR WARS』は “曲前半のインパクトの弱さ” が若干気になっていました。本作のリードトラックは、その辺の弱点も補われたため、”通しで聴いてもダレない” 構成になっています。

サイバーなイントロ&ジャジーなピアノアレンジが特徴的な #2『なんで?』#3『うさぎのきもち』を始め、格好良すぎてもはや公式MVみたいな扱いになってしまった ”Perfume『edge』の非公式MV” を彷彿とさせる『怪獣ANPONTAN』は、従来のデスラビッツから一皮むけた “アイドルらしからぬ” 斬新な演出がクール。中盤(#8)に “阿波踊り” のMVでおなじみ『うさぎストリーム2』を配置したのも絶妙ですね。

この辺は全て YouTube でフル試聴できますので、もし興味があれば聴いてみてください。

 

その他収録曲についての率直な感想

冒頭でも触れましたが、本作は部長お得意の “Atari Teenage Riot風ガバキック” 要素が減少し、ロック成分が増量されています。簡単に言うと『Fear, and Loathing in Las Vegas』みたいな “ピコリーモ” サウンドに近くなりました。

本作での音楽性の変化は好みが分かれるかもしれませんが、私としては「結果的に聴きやすくなったから “アリ” じゃない?」といった感じです。とりわけ、#1『お洒落キャパ部長と歪み』#12『うちゅちゅ』の2曲はピコリーモ成分が多めなので、この手の音が好きな人には結構刺さるのではないでしょうか?

ちなみに “ラスベガスみたいな” と書きましたが別にパクっているわけではなく、きちんと “デスラビッツ流ピコリーモ” に昇華されています。『お洒落キャパ部長と歪み』の2分27秒からの “Cメロ” なんて超好み。

#5『ホニャラカンパニー』では、なんとプログレメタルにも挑戦(2分32秒〜)。前半の “エレクトロ” パートからの変化が極端でなかなかユニークです。

望月愛美さんのソロ曲である #6『By Your Side』を聴くと「歌唱力が明らかに上がっている」ということに気付かされます。同じく望月さんがソロを担当している前作のバラード曲『◯◯へ』と聞き比べてみれば一目瞭然。前作より大人っぽいアレンジが、歌唱力の進化との相乗効果で “名曲” クラスのオーラを放っています。

#9『日本たまご協会公式ソング』は、本作唯一のハードコアテクノ。前作の作風が大好物な方々の期待に応えてくれるであろうアッパー・チューンですが、どうやら部長は楽曲制作に関わっていないようです。

#10『中二の夏。おじさんの夏。』は、湘南乃風を彷彿とさせるドラム&ボーカルが特徴的なサマーソング。テンション的には、前作における『お祭りJAPAN!!告白Night』あたりの立ち位置になるのでしょうか。

#11『本当の世界中にありがとう』は、ラップをフィーチャーしたバラード曲。個人的にはあまり好きなタイプの楽曲ではありませんが、こういうのが案外ファン受けが良かったりするので・・・余計なことは言わないでおきます。

アルバムの最後を飾る #12『うちゅちゅ』は、本項の冒頭でも書きましたが “ピコリーモ” 系の楽曲です。全曲聴いた限りでは、この曲が最もエクストリームに暴れまくっていると感じました。

 

通ウケしそうな “前作” と、聴きやすい “本作”

そういえば、作詞/作曲/編曲いずれにも部長のクレジットが見当たらないのが気になりました。ハードコアテクノの要素が減退したのは間違いなくこれが理由でしょう。レーベルの意向で「今回は別の人で・・・」という感じなのでしょうか?

なお今回は、(#6を除く)ほぼ全ての楽曲を小林哲也さんが手掛けています。同氏が作曲を担当した、前作のリード曲『デスラビッツ軍の七ヶ条』の作風を推し進めたのが本作と言っても良いでしょう。

ちなみに「”第一次” と “第二次” どちらから聴いたほうが良い?」と聞かれたら、私ならとりあえず “第二次(本作)” をオススメしておきます。

通ウケするのはおそらく『第一次』だと思うのですが、聴きやすいのは間違いなく『第二次』です。決して前作が聴きにくいというわけではありませんが、本作で “さらに” 聴きやすくなったので、こちらから入ったほうが無難かもしれません。

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