HAGANEYA(@imech_jp)です。

このアイドルユニットをあえて乱暴に説明してしまうと “BABYMETALのフォロワー” になります。BABYMETAL の成功によって、この手のアイドルユニットが急増したことにより “ラウドル(ラウドロック×アイドル)” なんていう造語も使われ始めているようですが、ラウドルに該当するアイドルユニットの中でも、デスラビッツはとりわけ “ベビメタ臭” が強いです。

デスラビッツの「幼い女の子3人だけだと丸被りだから、ダースベイダー風のコスプレをした中年オヤジを付け加えてみよう」という発想は、ベビメタにおける “SU-METAL枠” をムキムキの女装外国人にしてみた『LADYBABY』同様に安直な差別化であり、逆に言えば「その “B級感” が魅力」とも言えます。

ただし、それはあくまでも “表面的なコンセプト” に限った話です。

実際にデスラビッツの楽曲を聴いてみると、外見的なビジュアルイメージからは想像できないほど丁寧に作られていることがわかります。ちなみに、その高品質なデスラビッツサウンドのほとんどを小林哲也さん(ジーアングル)が手掛け、一部の楽曲を “部長” こと神崎晃さんが担当しているようです。

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“七ヶ条” 1曲のために購入しても損は無いし、それ以外の楽曲も捨て曲ほぼゼロ

デスラビッツの楽曲の特徴として挙げられるのが “ジャズ” と “デジタルハードコア” というキーワード。デジタルハードコア要素については、メンバー兼プロデューサーでもある “部長” が好きな音楽を純粋にアイドルポップに掛け合わせた結果だと思うのですが、この “ジャズ” と “デジタルハードコア” を散りばめたポップサウンドが、聴いていて本当に心地良いのです。

デジタルハードコア要素は無いものの、ジャズ×ポストハードコアを絶妙な配合で掛け合わせた #1『デスラビッツ軍の七ヶ条』は、正直「この1曲のためにアルバムを購入しても良い」と言えるデスラビッツの代表曲。叙情ハードコアを思わせるイントロから、部長のグロウル&女性メンバー3人による “合いの手” が耳に残るA〜Bメロを経て、サビでクリーンボイス・・・と言葉で表現するとありきたりな楽曲構成に思われそうで恐縮なのですが、実際の曲を聴いてみると作曲者の “こだわり” や “センス” が滲み出てくるようなアレンジだと感じます。2番のA〜Bメロがグロウルではなくクリーンボイスという “予定調和を裏切ってくる” 感じもクール。

続く #2『2nd Attack』は、”七ヶ条” 以上にストロングなイントロと、センチメンタルなサビとの対比がユニークな楽曲です。終盤付近の「部長によるグロウルパート 〜 飛翔感溢れるギターソロ 〜 女性メンバーのクリーンボイス」の畳み掛けは鳥肌モノ。

#3『恋する季節』は、お経のような部長のボーカルに Atari Teenage Riot を彷彿とさせる高速ガバキックが乗っかるBメロが特徴的。ちなみに、この路線が好きであれば、#5『Hell Near 部長 〜働き過ぎだよ日本人2013~』と #11『Riot Zone』も外せないでしょう。

1stシングルでもある #8『アイドル STAR WARS』はポジション的に、ベビメタで言うところの『ド・キ・ド・キ モーニング』に該当する名刺代わりの一曲・・・にする予定だったのかどうかは不明ですが、楽曲としては若干インパクトに欠けると個人的には感じました(曲のクオリティは変わらず高いです)。デスラビッツの代表曲はやっぱり “七ヶ条” かなぁ。

#9『お祭りJAPAN!!告白 Night』は、松浦亜弥×ももクロな感じの一曲。いかにもヒャダインさんが作りそうな作風です。

#6『◯◯へ』のようなバラード曲にも抜かりがありません。インタビュー記事などを読む限り、3人の女の子達は本来このような “正統派アイドル” 路線メインで行きたかったのだと思います。実際、曲は悪くないです。

#10『世界中にありがとう』は、マキシマムザホルモンで言うところの『小さな君の手〜maximum the hormone』的なギミックで構成された一曲。#6と同じテンションで聴いていると後半で(良い意味で)意表を突かれるので注意。

それにしても、アルバムの最後に『Riot Zone』のようなゴリゴリのデジタルハードコアをねじ込んでくるあたりに、デスラビッツチーム(というか部長)の「俺達の立ち位置はここだ!」と言わんばかりの意志を感じます。

 

『ギミチョコ!!』や『あわだまフィーバー』みたいなサウンドが好きな方にオススメ

デスラビッツチームが本気で天下を獲ろうと考えているかどうかは、部外者にはわかりません。

本気で “売れる” ことを考えているのであれば、二番煎じと受け取られかねないようなコンセプトで世の中に出ようとは思わないはずですが・・・困ったことにデスラビッツは “曲が抜群に良い” のです。これは、コンポーザーである小林哲也さん&部長の功績だと思います。

以前、デスラビッツについて記事を書いた際も今回と全く同じ印象を抱きましたが、こうしてフルアルバムを通して聴いたことにより、その時の感覚が間違っていなかったことを再認識できました。

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デスラビッツから感じる楽曲センスの高さ…なぜ「このコンセプト」で世に出てしまったのか

度々 BABYMETAL を引き合いに出してしまい申し訳ないですが『ギミチョコ!!』『あわだまフィーバー』あたりの、いわゆる “上田サウンド” が好きであれば、デスラビッツは “ベビメタを聴き過ぎて少々飽き始めてきた方々への受け皿” として十分オススメできます。

向こうが “THE MAD CAPSULE MARKETS” なら、こちらは “Atari Teenage Riot”。“デジタルハードコアが好き” で、なおかつ “アイドルに抵抗がない” 方々にとっては結構楽しめる1作ではないでしょうか。

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