HAGANEYA(@imech_jp)です。

先日書ききれなかった『新春TV放談2016』雑感の続きです。

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『新春TV放談2016』雑感:①「2015年人気ドラマランキング」について

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「2015年人気バラエティーランキング」について

1位 世界の果てまでイッテQ!(日本テレビ系)
2位 ザ!鉄腕DASH!!(日本テレビ系)
3位 月曜から夜ふかし(日本テレビ系)
4位 Youは何しに日本へ?(テレビ東京系)
5位 アメトーーク!(テレビ朝日系)
6位 ブラタモリ(NHK)
7位 マツコの知らない世界(TBS系)
8位 ホンマでっか!?TV(フジテレビ系)
9位 踊る!さんま御殿!!(日本テレビ系)
10位 開運!なんでも鑑定団(テレビ東京系)

『開運!なんでも鑑定団』『マツコの知らない世界』『ブラタモリ』が新たにランクイン。世界の果てまでイッテQ!が前回の8位から大幅ランクアップで、1位になっています。

 

このランキングを見たテリー伊藤さんとヒャダインさんが、こういったトークを交わしていました。

テリー伊藤:今「お笑い芸人の人が面白過ぎる」んです。そうすると、ディレクターが自分の企画でやっても「それ以上にトークが面白い」から。これがね、またディレクターとしては大変で。企画持ってっても喋りのほうが面白かったら、そっち側のほうにオンエアの時間長くなるじゃん。

ヒャダイン:今の(話)ですごく納得がいったのが「”素人いじり” がすごいランクインしてる」んですよね。『月曜から夜ふかし』『Youは何しに』とかもそうなんですけど、『ブラタモリ』とかも素人さんと絡んだりとか『マツコの知らない世界』も素人の人を呼んだりとか。なので、その・・・「芸人さんが面白過ぎる」から、ディレクターがやりたいことっていうのは「素人さんをいじること」で、上手いこと編集することで成し遂げてるのかな・・・って。

『新春TV放談2016』より引用

 

いわゆる「一般の方をいじる」という方向性では、他にも『モヤモヤさまぁ~ず2』『ごぶごぶ』『夜の巷を徘徊する』などの街ブラ番組が人気です。また、素人と言えるかどうかは怪しいですが『ガキ使』や『ゴッドタン』などでよく行われる “スタッフいじり” なんかも、素人いじりが番組の “味” の一つとして機能している好例ではないでしょうか。

と言っても、素人いじりは “欽ちゃん” や “とんねるず” などによって昔から行われていました。

では「なぜ今さら?」という話なんですが、おそらく「芸能界で生き残るための手段として “当たり障りの無い芸風” にシフトするお笑い芸人が増えた」ことで「相対的に、”素人” の面白さが際立って目立つようになった」のが要因だと思います。今は、ネットの普及によって “出る杭が打たれてしまう” 時代ですからね。

ちなみに首位の『イッテQ!』も、ある意味では “素人いじり” に近い番組だと思います。

番組のエースであるイモトアヤコさんは番組開始当初 “素人” に等しい状態でしたが、その後「イッテQ!スタッフが用意した過酷な企画を次々にクリアすることで、知名度や評価を獲得してきた」経緯があり、今では番組に無くてはならない存在です。

 

一方で「スタッフの演出が(逆に)お笑い芸人の足を引っ張ってしまっている」番組の代表格が『めちゃイケ』だと思います。

長寿番組になってしまい固定ファンが付いている以上、番組の演出方法を安易に変えるわけにはいかないのかもしれません。ですが “めちゃイケ以外” でのレギュラーメンバーの活躍を見る限り、芸人側に原因があるとはどうしても思えないのです。

『ナイナイ』も『よゐこ』も『オアシズ』も、新メンバー(ジャルジャル・たんぽぽ)にしても、どう考えても「他番組で観たほうが活き活きしている」ように見えます。そして、いずれのコンビも「めちゃイケだけ観てる時は全く興味がわかなかった」のに「他の番組を観ていたら好きになっていた」経緯があるので、めちゃイケの演出自体に魅力が無いのかもしれません(個人の主観です)。

正直、個人的には『イッテQ』も少々過大評価気味な気はしているんですが、演出の面白さは確かです。すごく最大公約数的な番組ではあるんだけど「たくさんの視聴者に観てもらわなければならない」という制約の中で、できる限りの “攻めた演出” をしようと試みているのが伝わってきます。

『イッテQ』も『めちゃイケ』も台本ありきの番組ですが、演出の仕方一つでここまで結果が変わってくるんだな・・・と感じました。

ヒャダイン:演出ですごい「失礼なナレーション」が増えたな、と思うんですよね。「良い意味で失礼」というか。『月曜から夜ふかし』とかも、素人さんに結構ガツガツ “失礼なナレーション” や “テロップ” とか付けるんですけど。それって「僕らがお茶の間で観てて、隣りの人と喋ってるような内容」をそのまま出してくれている感じがして。「あ、やっぱテレビの向こう側のディレクターとかもそう思ってるんだ」っていうことで。「悪口の共感」というか。

ヒロミ:タレントが言うと、ちょっとこう・・・「クレームが入りそう」な感じもあったりとか。でもナレーション処理すると、なんかこう番組として「いち個人が言ってるものじゃなくなる」から。

千原ジュニア:「天の声」ですよね。

ヒロミ:だから「見やすくなる」というか。観てる人も、さほどそんなに嫌な感じがしないのかもしれない。

『新春TV放談2016』より引用

有吉弘行さん、マツコ・デラックスさん、坂上忍さんなどが支持されていることからもわかりますが、今の視聴者が欲しているのは「毒」なのかもしれません。

 

他にも『笑う犬シリーズ』『夢で逢えたら』など多数のフジバラエティを手掛け、現在ナベプロの会長を務める「吉田正樹」さんが、こういった分析をしていました。

吉田正樹:あのね、僕「2通りの方向に進む」と思ってるわけ。

一つは『イッテQ』とか『DASH』とか「スタッフと一緒になって作ってる」という番組ね。だから編集も面白いし。もう『イッテQ』の編集なんか今、世界最高級の巧さだと思うんですね。

一方、タモリさんとかマツコさんとか「この人の価値観を通して世の中を楽しむ」っていうか。マツコさんが「面白い」って言ったら、なんか面白く見える。タモリさんだってずっとそうですよ。サンコンが出てきた時「サンコンがゲラゲラ笑っているから、今日初めて会ったのにサンコンがスターになっちゃう」みたいなね。「人間がメディア」みたいなところがあるんですよ。

この2つに分かれてて。画面の “圧” がある番組がウケていると思うんですよね。”作ってる人” とか “出てる人” のエネルギーがある番組がウケていると思いますよ。

『新春TV放談2016』より引用

例として挙げていた『人生のパイセンTV』が面白いかどうかはともかく、言ってることは的確だと思いました。

確かに、ランキングを見る限りだと『イッテQ』や『DASH』のような “ドキュメンタリー性の高い番組” と、タモリさんやマツコさんのような “タレントの知識・経験を活かした番組” に分かれています。

 

ちなみに、上記のどちらにも当てはまらないのが『アメトーーク!』です。

いわゆる “ひな壇” トーク番組の先駆けであり、アメトーーク以降似たような番組が乱立しまくったわけですが、良くも悪くも “二番煎じ” が淘汰されてオリジナルだけが残っているように思います。

ひな壇バラエティは番組の作りとして「あまりにも安直過ぎる」ため、草分け的存在の『アメトーーク』や『ロンドンハーツ』以外で長寿番組に育っている番組が少ない気がします。レギュラー放送が数ヶ月~数年で終わり、”特番” として存続している番組は結構見かけるんですが。。。

 

そしてこの後、ヒャダインさんの “フジテレビがネット民から嫌われている” という話になります。

ヒャダイン:面白いと思うんですよね。面白い番組いくつかあるし。なんですけど、なんだろう・・・フジってなんか、まず「世間から今ものすごく嫌われている」じゃないですか。嫌われているんですよね。

ネットの中で、フジテレビっていうのはものすごく嫌われていて。でも今「ネットの意見は無視できない」時代になっているから、ネットの意見を聞かなきゃいけない。その時にネットの顔色を伺いつつ、しかも “スポンサー” だったりとか “上層部” の顔色を伺いつつ。色々な顔色を伺っていて、がんじがらめになって「カンペ通り、脚本通り、台本通りやってください」っていう番組がすごく増えたのかな、と思っていて。

だけど、僕はそこから今、若いディレクターさん達が脱却しようとめちゃくちゃもがいている感じが(します)。

千原ジュニア:そうですよね。

ヒャダイン:特に『バイキング』とか・・・『いいとも』が終わった後に始まった時に、ほぼほぼの方があれは「失敗してくれ」「失敗して、指差して笑いたい」っていう状態で始まったと思うんですよね。「『いいとも』の後なんか成功するわけないじゃないか!」「『いいとも』を戻せ!」っていう声が大きかったので。

そんな中で、制作陣が胃を痛めながら今まで続けているメンタルっていうのは、僕はすごい評価すべきだなと思っているし。そこで「何とか形にしよう」と色んな顔色を見つつ、良い方法を出そうとしているフジテレビの新しいディレクターさん達の姿勢ってのは、僕は良いかなと思うんですけどね。

『新春TV放談2016』より引用

 

以前も、視聴率で苦戦しているフジテレビの番組について記事を書きましたが、ヒャダインさんの発言には共感すべき部分が多いです。

参考記事

なぜ「クイズやさしいね」は面白いにも関わらず視聴率で苦戦するのか

ダウンタウンなうは、もう「ハシゴ酒」一本に絞ったほうが良い気がする

フジテレビを持ち上げるつもりはサラサラないんですが、最近のフジは(番組によっては)「ダメだと思ったらすぐやめる」「良いと思ったらすぐ試してみる」フットワークの軽さが出てきたように感じています。

『ダウンタウンなう』なんて、当初ディレイ放送(ほぼ生放送)を売りにしていたはずなのに、アッサリやめて「ハシゴ酒」企画にシフトしましたからね。この決断によって視聴率が回復するかどうかはわかりませんが、良くも悪くも「数年前までの(韓流ゴリ押し・ステマに汚染されていた頃の)フジテレビではない」印象です。

つい先日も、年明け早々『そんなバカなマン』みたいな下衆な番組を持ってきたりと “攻め” の姿勢を感じるので、このまま面白いフジテレビが戻ってくれば良いな・・・なんて思っていたりします。

 

最後に

またまた、次回に続きます。

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