HAGANEYA(@imech_jp)です。

5年ぶりに『M-1グランプリ』が復活しました。

後継番組として始まった『THE MANZAI』が(M-1 と比較すると)イマイチ緊張感に欠けると感じていた中での復活だったので、個人的には嬉しいです。

ちなみに、ネタは一応 “2回” 観ました。というわけで、今回の M-1 を観て個人的に感じたことを書いていこうと思います。

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各コンビのネタに対する感想

メイプル超合金

結成3年目とは思えない安定感の男女混合コンビ。カズレーザーさんによる “日常の会話” っぽい語り口が心地良い漫才です。

一見すると “COBRA風コスプレの男” と “巨漢の女” という風貌に気を取られがちですが、決してキャラに逃げた芸風ではありません。安藤さんによる安定感のあるツッコミは、女芸人界トップクラスの腕を持つ “近藤春菜” さんに匹敵するものを感じました。

 

馬鹿よ貴方は

いつもの彼ららしい “つかみ所のない” ネタ。中盤から、平井”ファラオ”光さんが「大丈夫だよ…大丈夫…大丈夫だよ…大丈夫…」とサブリミナルのように延々と唱え出すくだりは、『馬鹿よ貴方は』ならではの独特な世界観です。

賞レースという限られた時間でこれをやってしまう度胸は、超スロー漫才でお馴染み『スリムクラブ』に通じるものがあります。

 

スーパーマラドーナ

“いじめられっ子” キャラの田中さんと “ガキ大将” キャラの武智さんでお馴染みのコンビ。田中さんの “変態かつ猟奇的な一人芝居” に対して、武智さんの安定感あるツッコミが冴えわたります。

終盤で伏線が一気に回収されていく気持ち良さはあったんですが、いかんせん “くせ者” “強豪” だらけの今大会においては、少々地味に見えてしまった感もあります。

 

和牛

「結婚式を抜け出し、好きな人(水田)のもとへと駆けつけた川西さんが、水田さんから延々と説教を受け続ける」というネタ。

いかにも和牛らしい漫才ですが、水田さんの “詰め寄り” キャラが良くも悪くも「人を選ぶ」ので、この芸風が合わない人にとっては終始退屈に感じてしまうかもしれません。

 

ジャルジャル

「お互いの “気持ち悪いイントネーション” “気持ち悪い言葉選び” に対して、時間差でツッコみ合う」という漫才。『笑い飯』の芸風が好きな人は多分ハマるはずです。

“ゴトー” のイントネーションのくだりは『ざっくりハイタッチ』の車中トーク等でよくやってますが、あの番組のフリートークコーナーでネタを試しているうちに、何かをつかんだのではないでしょうか。

 

銀シャリ

料理の “さしすせそ” でボケるネタ。何もかもが “いつもの銀シャリ” であり、橋本さんの “気の利いたツッコミワード” も冴えていました。

悪くない…悪くないんです。ですが、とにかく “いつもの” 銀シャリなので、意外性がなく淡々と終わってしまった印象があります。

 

ハライチ

彼らの代名詞でもある “ノリボケ漫才”(◯◯なヤーツ)を封印し、正統派の漫才スタイルに切り替えたことが裏目に出た印象。

岩井さんが長らく “お題の出しっ放し” スタイルに慣れきってしまったせいか「セリフの多さに苦戦し、ちょくちょく噛んでいた」のが惜しいです。新ネタを “やり慣れてない” 感が終始漂っていました。

 

タイムマシーン3号

「どんな単語でも太らせることができる」という、関さんのネタから始まり、後半からは「どんな単語でも痩せさせることができる」と、相方の山本さんが応戦し始めるという “2段階構成” の漫才。

言葉のチョイスが絶妙で終始面白かった反面、人によっては “ややマニアックで分かりづらい” 言葉もありました(『コクリコ坂から』など)。”ジョイマンみたい” という例えも、そもそも『ジョイマン』を知らない人には「??」となってしまうし、そういった意味では “人を選ぶ漫才” かもしれません。

 

トレンディエンジェル(敗者復活枠)

笑っちゃうぐらい “いつもの” トレンディエンジェル。

“杉田玄白” や “道端アンジェリカ” のネタも、飽きるほど観ているはず・・・でも笑えるんです。さらに “トリプルスリー” や “爆買い” など、旬のワードも入れてくるサービスっぷり。

ハゲネタは “それ自体にパワーがある” ので、ある意味では “ズルい”(アンガールズにも同じことが言える)とも言えます。ですが「ハゲとるやないか!」だけで笑いがとれるほど M-1 などの賞レースは甘くないわけです。

トレンディエンジェルは、ハゲを武器にしていますが “ハゲに依存していない” からこそ、ハゲ芸人として唯一無二のポジションにつくことができています。結局は、”実力” がものを言う世界なのです。

 

総評

今回、個人的にもっとも感心したコンビは『ジャルジャル』です。ジャルジャルは “コント” ライクな漫才をすることで有名ですが、今回その武器を投げ捨てて、”漫才” へと大幅にシフトしました。

“シュール” や “センス” という言葉だけが一人歩きしてしまい、いつしか「扱いにくい若手」の烙印を押されてしまっていたジャルジャルですが、良い意味で “吹っ切れた” からこそ、今回のユニークな漫才へとたどり着いたんでしょう。

従来のコントで見せる “シュールなジャルジャル” も微かに匂わせつつ、視聴者にとって “分かりやすい” 漫才を心がけたのがひしひしと伝わってきます。

正直、トレンディエンジェルが敗者復活枠から出て来なければ、ジャルジャルが優勝してもおかしくなかったはずです。

 

でも、トレンディエンジェルの優勝は妥当です(巷では賛否両論のようですが)。

従来の M-1 グランプリでは “キャラ先行型” のコンビは優勝を逃すパターンが多かった(南海キャンディーズ・オードリー・スリムクラブなど)印象があります。トレンディエンジェルが優勝できたのは、ある意味「審査員の若年化」 による部分も大きいのではないでしょうか。

ちなみに “従来の審査員”が今大会のネタを審査していたら、優勝はおそらく『ジャルジャル』か『銀シャリ』あたりに決まっていた気がします。

 

それと、今回の M-1 で気になった点が一つ。

出場コンビはそれなりに緊張していたのかもしれませんが、視聴者側としては “審査員の急激な新陳代謝” によって「威厳が落ちた」ように感じます。

また、コンビによっては “審査員と同期” というパターンもあったりするので「“M-1優勝者”という縛りにこだわらず、もうちょっと上の世代が審査員を担当しても良かったんじゃないか?」とは思いました。

フットボールアワーの岩尾さんが、MCの今田耕司さんに対して「威厳が無くなるので “のんちゃん” という呼び方はやめてもらって良いですか?」と冗談交じりに釘を刺していましたが、色々な意味で “緊張感の低下” はどうしても否めません。

とは言え、いつまでも “年配の漫才師” を審査員席に座らせておくわけにもいかないでしょうし、思い切って大幅リニューアルに踏み切らざるを得なかった事情もうっすら窺えました。『ドラえもん』も『サザエさん』も声優がバトンタッチしていくわけですからね。

ただ、なんだかんだ言いつつも、やはり『THE MANZAI』と『M-1グランプリ』では、流れている緊張感が全く違います。

出囃子(Because We Can)のテンションも関係してるかもしれませんが、フジ特有の「”めちゃイケ” ライクな寒い悪ノリ」を賞レースに持ち込んでしまう、みたいなことが一切無いというのは大きいです。

 

余談ですが、M-1 復活に伴って『THE MANZAI』の立ち位置を “ネタ見せ番組” にシフトしたのは英断だと言えるでしょう。このまま同時並行で両番組から優勝者を輩出してしまうと、お互いに番組としての威厳が落ちてしまいます。

THE MANZAI がネタ見せ番組にシフトしたことによって『ENGEIグランドスラム』の立ち位置はどうなるのか?というのが若干気掛かりではありますが。。。

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