HAGANEYA(@imech_jp)です。

ビッグ・イン・ジャパンという言葉があります。「日本でしか売れていない(あるいは日本から売れ始めた)洋楽ミュージシャン」のことを指すのですが、有名どころで言うと「The Ventures」「Cheap Trick」「Mr.Big」「Bon Jovi」「Harem Scarem」「初期In Flames」あたりが挙げられます。

この逆を示す言葉として「スモール・イン・ジャパン」「ビッグ・イン・アメリカ」があります。その名の通り「海外(特にアメリカ)では売れているのに、日本では知名度が低い」ミュージシャンのことです。「AC/DC」 「Creed」「Disturbed」 「Grateful Dead」 「Staind」などが挙げられます。

個人的には「ポスト・グランジ」や「サイケデリック・ロック」系の音楽は、日本市場で受け入れられにくいような気がします。どちらも「渇き」「メジャーコード」「浮遊感」などを持ち味とした大味な雰囲気のバンドが多いので、湿っぽいマイナーコードのメロディを好みがちな日本人にはウケが悪いのかもしれません。

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目次

 

日本では無名?Type O Negative について

私は10代の頃から大陸的なサウンドが大好きだったので、常々「なぜ、こういうサウンドがウケないのか?」と残念に思っていました。そんなスモール・イン・ジャパン(ビッグ・イン・アメリカ)の最たるバンドが「Type O Negative」です。

Type O Negative は、ゴシックメタルバンドの草分け的存在の一つとして、一部のメタル愛好家達の間ではそこそこ知名度がありますが、個人的にはゴシックメタルの範疇に収まるようなバンドではないと思っています。そもそものサウンドが、ゴシックメタルというよりも「ニュー・ウェーヴ」や「サイケデリック・ロック」「ゴシック・ロック」に近く、どちらかと言えば「ゴシック・ロックの空気感をメタルサウンドで体現したバンド」といった雰囲気です。

「ビートルズ(The Beatles)」と「ブラック・サバス(Black Sabbath)」から影響を受けたと公言していますが、彼らの楽曲を注意深く聴いていると、まさに両者を融合させた音楽だというのが肌で感じられます。

Day Tripper ※The Beatles のカバー

Paranoid ※Black Sabbath のカバー

また「ポスト・メタル」「ドゥーム・メタル」や「シューゲイザー」的な音楽的要素も含まれていますので、そっち系を好むリスナーには間違いなく引っかかる類のサウンドだと断言できます。マニア向けの要素が強いのも、日本での知名度の低さの理由かもしれません。。。

 

Type O Negative の大好きな曲ベスト5

5:September Sun

7th「Dead Again」収録曲。

結果的に最終作となってしまったアルバムからのシングル曲です。アルバム自体は、彼らの前身である「Carnivore」というハードコアバンドの音楽性が若干復活したということで、ファンから好意的に受け入れられていた覚えがあります。

個人的には、耽美的なほうの Type O Negative が好きなので、ナンバー1の作品とは言い難いです。ただ、September Sun は、彼らの一番オイシイところをつなぎ合わせて作ったような楽曲なので、嫌いになる要素が全くありません。

 

4:Christian Woman

3rd「Bloody Kisses」収録曲。

彼らの代表曲の一つです。次作と比べると耽美的な要素はやや薄めですが、ハードコア(2nd)からゴシックメタル(4th)へ楽曲の方向性が変わる過渡期の作品なので、両者の要素がバランス良く含まれています。

 

3:Love You To Death

4th「October Rust」収録曲。

”秋” をモチーフとした、Type O Negative の代表曲です。2分28秒あたりからの転調部分は、歴代のType O Negative の楽曲の中でも最高にクールだと思います。マイナーコード → メジャーコードは、このバンドの常套手段ですが、毎回毎回そのサウンドに心を奪われてしまいます。

 

2:Everything Dies

5th「World Coming Down」収録曲。

このアルバムは、前作 October Rust と異なり、ややポスト・グランジ方面に舵を切った作品なのですが、Type O Negative が料理することによって耽美的な魅力が見え隠れしています。

この楽曲も、サウンドだけ聴くとハリウッド映画のエンディングで流れていそうなアメリカン・ロックなのに、どこか陰鬱な雰囲気を醸し出しているのが特徴です。確かこの時期に、Peter Steele の家族(母親だったかな?)が亡くなったらしく、それが楽曲に反映されていたような覚えがあります。

 

1:In Praise of Bacchus

4th「October Rust」収録曲。

「耽美的」「恍惚感」「退廃的」「厭世的」「サイケデリック」「ドゥーム」といった Type O Negative を構成する要素が全て入っている究極に美しい楽曲です。2分52秒・4分34秒あたりで二度の大きな転調が入っているため、長尺なのに飽きが来ず、むしろずっと聴いていたいという気持ちにさせられます。

 

最後に

Type O Negative は、Peter Steele(Vo)が2010年に心不全で亡くなり、そのまま解散してしまいました。彼の訃報を聞いた時は本当に悲しかった。。。

残ったメンバーは現在、A Pale Horse Named Death というバンドを結成し、活動中です。元Type O Negativeのドラマー、現在 Life of Agony でも活動中の Sal Abruscato がボーカルを務め、同じく元 Type O Negative の Johnny Kelly がドラムを叩いています。

サウンドは Type O Negative の要素も多少感じられるんですが、どちらかと言うと「Alice In Chains と Paradise Lost を足して2で割ったような感じ」といったほうが近いです。Sal Abruscato(Vo)の声質が Alice In Chains の故・Layne Staley のような爬虫類ボイスだというのも関係してるかもしれません。

Peter Steele 特有の「超低音ボイス」は残念ながらもう聴けませんが、Type O Negative の遺伝子を受け継いだバンドとして、A Pale Horse Named Death のことは今後もチェックしていこうと思っています。

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