HAGANEYA(@imech_jp)です。

「さくら学院のサイドプロジェクト」だったはずが、いつの間にか「世界的な大物アイドルグループ」へと駆け上がってしまったBABYMETAL。

YouTubeの「ギミチョコ!!」というMVがキッカケで、海外先行で人気が爆発。2014年頃から逆輸入的に日本国内でも報道されるようになりました。

BABYMETAL – ギミチョコ!!

それまでスルーを決め込んでいた日本のメディアも注目せざるを得ないほどに巨大化してしまったプロジェクトですが、なぜここまで大ブレイクしたのでしょうか?その理由を、独断と偏見で考察してみようと思います。

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目次

「メタル」サイドからの考察

「アイドル」サイドからの考察

 

「メタル」サイドからの考察

洋邦の主要な元ネタを一通りカバー出来ている

最初の引っ掛かりとしては、ここだったような気がします。

一部のメタル好きの間で密かに注目されていたのが「デビュー時(2010年)~2013年頃」だったように思いますが、この時点で既に「アイドルなのに、やたらエクストリームなメタルやってんなー」と、しっかり評価されていました。

ただ、BABYMETALが特殊なのは「あえて、元ネタがわかるような作り方をしている」ことではないでしょうか。パクるのではなく「わざと」楽曲の雰囲気を寄せることによって、先人への敬意を払っているようにも見えます。

わかりやすい所で言うと「アカツキ」のAメロ~Bメロ(特にBメロ)のメロディなんて、誰が聴いても即座に「X-JAPAN」を想起させられるのではないでしょうか。

BABYMETAL – アカツキ(LIVE)

他にも「陰陽座」や「VULGAR期のDIR EN GREY」のような”和”の世界観を全面に押し出した「メギツネ」。一見微妙なメロディラインだけど、なぜか世界的に最も聴かれている「ギミチョコ!!」に見られる「THE MAD CAPSULE MARKETS」的な浮遊感。

BABYMETAL – メギツネ

そもそも、デビュー曲「ド・キ・ド・キ☆モーニング」の方法論が(MVも含め)完全に「マキシマム ザ ホルモン」ですからね。

BABYMETAL – ド・キ・ド・キ☆モーニング

「J-POP」と「メタル」という真逆の音楽をぶつけ合って「楽興にムリヤリ緩急を付ける」という力技。センスの無い人間が同じことをやれば「こいつら、なめてんなー」とボロクソに叩かれるのがオチですが、BABYMETALがそうならなかったのは「メタルをわかってる人間が、全力でバカをやっている」からだと思います。

また、BABYMETALの楽曲には、本家である欧米ヘヴィメタルバンドの要素も含まれています。

BABYMETAL – Catch me if you can(LIVE)

BABYMETAL – おねだり大作戦(LIVE)

「Catch me if you can」からは「Fear Factory」や「Slipknot」のようなインダストリアルメタル要素。YUIMETALとMOAMETALがメインの「おねだり大作戦」は、完全に「limpbizkit」風ラップメタル(多分「My Generation」)。最新曲「Road of Resistance」は、言わずもがな「DragonForce(の ”Through The Fire And Flames” )」ですね。

そして「悪夢の輪舞曲」に至っては、変態メタルの教祖「MESHUGGAH」を思わせるDjent(ジェント)スタイルまで飛び出す始末。

BABYMETAL – 悪夢の輪舞曲(LIVE)

アイドルがDjent風味な楽曲をやる日が来るなんて、一体誰が想像できたでしょうか。

V系・メロスピ・Djent・ラップメタル・インダストリアル・エレクトロニコア。BABYMETALの楽曲を聴いていくと、何かしら「メタル好きを振り向かせる要素」が必ず引っ掛かります。これほど広範囲をカバーしつつ、ここまで受け入れられているアイドルグループを私は見たことがありません。

 

ライブ盤の聴き応えのレベルが「メタルゴッド」並

Amazonのレビューを見ていると、BABYMETALのライブ盤に対しての絶賛の声が数多くあります。

これは実際に、スタジオ盤「BABYMETAL」とライブ盤「LIVE AT BUDOKAN 〜RED NIGHT〜」「LIVE AT BUDOKAN 〜BLACK NIGHT〜」を聴き比べた方であれば一目瞭然だと思います。

スタジオ盤のクオリティが芳しくない、というわけではありません。ライブ盤がスタジオ盤の存在感を打ち消すほど「本物」のオーラに包まれている、という感じです。

昨今、生放送の番組にも関わらず「口パク」を平気でやるような歌手が増えてきました。口パクが前提の音楽性である「Perfume」や「きゃりーぱみゅぱみゅ」は例外ですが、生の声で歌わない歌手が果たして歌手を名乗って良いものか?と思わされる場面は本当に多いです。

そんな時代だからこそ、SU-METALの生歌には相対的に価値が生まれます。そもそも、他人と比較するまでもなく「彼女の歌声が並の上手い歌手のレベルではない」ことは、BABYMETALのライブ盤を聴けば明白です。

そして、ライブ盤の醍醐味と言えばやはり「神バンド」でしょう。神バンドの演奏技術の高さ+SU-METALの歌唱力・声量だけでも十分ですが、これに華を添えるかのような「MOAMETALとYUIMETALの”全力”感」。ここまでやれば「評価されないわけがない」というわけです。

保守的なメタルリスナーからは批判を受けるかもしれませんが、私にとってBABYMETALのライブ盤は、メタルゴッド「Judas Priest」のライブ盤以来、最も心を動かされる作品となりました。

Judas Priest – Metal Gods(LIVE)

 

あえて「伝統的なメタル好き」に好かれるマーケティング展開をした

これは、BABYMETALが世界的にブレイクした「2014年以降」の話になるんですが、当初の「イロモノ系メタルアイドル」な方向性から、徐々に「伝統的なメタル好き」にターゲットを変更していったように見えます。

それは最新曲である「Road of Resistance」の音楽性にも現れています。詞・曲ともに、ここまで露骨にシリアスなメタル路線の楽曲は、それまでのBABYMETALには見られないものでした。

BABYMETAL – Road of Resistance(LIVE)

次回作でこの方向性を推し進めるかどうかは、現時点ではわかりません。ですが、シリアス路線で受け入れられている現状を見ると、このまま「真面目なメタルアイドル」に舵を切っていきそうな気がしないでもないです。向こうのリスナーは「本格的なアーティスト」を好む傾向がありますからね。

 

世界的にメタル市場が停滞していた

BABYMETALが世界的に大ブレイクしてから、国内外問わず「ヘヴィメタルへの再評価」がされています。

国内では「ロック・メタル要素を加えたアイドルが雨後の筍のごとく誕生する」程度の影響にも思えますが、海外における「BABYMETALの出現」は、メタルシーンそのものが息を吹き返すレベルの大事件だったのではないでしょうか。

90年代の「ニューメタル」→00年代の「メタルコア」以降、メタルシーンで大きな変化は無かったようなイメージが強いです。「デスコア」「エレクトロニコア」「Djent」のようなサブジャンル的なものは地味に生まれていましたが「圧倒的に異質な新ジャンル」としてのメタルは、長らく不在だったように思えます。

Korn – A.D.I.D.A.S.

Shadows Fall – Thoughts Without Words

もちろん、ニューメタル→メタルコアの次のシーンが「アイドル×メタル」になるなんてことは、まずあり得ないでしょう。どう考えても「イロモノ」な新ジャンルではあるんですが、それでもメタルシーンの大御所から注目を浴びまくっている現状を見ると「BABYMETALがキッカケで、突然変異的に新しいメタルジャンルが出てくるのではないか?」と思わずにはいられません。

 

安易に、若者に媚びるような音楽性を選ばなかった

次のベビメタになりたい「ロック・メタル系アイドル」がわんさかいますが、差別化を意識してなのか、安易にポストハードコアやメタルコアをそのまま取り入れたような「若者ウケの要素が強過ぎる」アイドルが多いような気がします。

その結果、アイドル本人達の意向とは違うところで「不自然なチャラさ」が滲み出てしまっているため、ガチの音楽好きからは「こういう音楽性だったら別に、本家のロックバンドを聴けばいいし」とソッポを向かれてしまいそうです。

例えば、ももクロが受けている理由の一つに「チャラくないから」という部分があるように思います。楽曲の方向性やパフォーマンスから「全力でやってます」感が伝わってくるため、「魂の部分で」ロック好きに受け入れられたってのはあるはずです。

だからと言って「年配者や中年のオッサンに向けて曲を作り続けるべきだ」というわけではありません。「若者・オッサン両方に受けるバランスで曲を作っていく」ことで楽曲に幅が生まれ、その後の活動に安定感が生まれるのではないでしょうか。

と、そんな無責任なことを書いてますが・・・これは簡単なことではないと思います。BABYMETALチーム自体が奇跡的に生まれたものでしょうし、(計画的に仕掛けたとはいえ)ここまでの大きなプロジェクトに化けるとは想像していなかったはずです。

 

アイドル側からの視点

アミューズに所属していたから

アイドルの将来性を決めるのは、本人達の力もあると思いますが「事務所の手腕」による部分が非常に大きいと思います。

BABYMETALが所属する「アミューズ」という芸能プロダクションは、サザンオールスターズ・福山雅治・ポルノグラフィティ・BEGINなどの著名なミュージシャンを多数抱え「音楽に強い」事務所として有名です。

そして、アイドル部門では「Perfume」「さくら学院」を輩出しています。この2組に共通しているのは「地道な活動」です。

さくら学院 – Hana*Hana

安易に時流に乗って「旬のネタで一発当ててやろう!」という感じではなく、どちらかと言うと「こういう企画どうでしょう?」的な感じで、自らで「(計画的に)新たな流れを作る」ことに長けている事務所、という印象です。

だからこそ「良いものは、芽が出るまで面倒を見る」傾向にあります。Perfumeは遅咲きの苦労人アイドルですが、あんな尖った音楽性にも関わらず、時間を掛けて見事に受け入れられました。さくら学院も「1人1人アイドルを大事に育てる」ことで知られていますし、さくら学院から枝分かれしたBABYMETALも「キャリア5年」なので、実は結構コツコツやっているんですよね。

 

一見「ももクロ」と思わせといて実は「Perfume」だった

ロック好きにうったえかけるアイドル、という点で真っ先に思いつくのは「ももいろクローバーZ」でしょう。

ももいろクローバーZ vs KISS – 夢の浮世に咲いてみな

かつて、ももクロがOzzfestやLOUD PARKに参戦した際に「どうせならBABYMETALのほうを出してあげてほしい」みたいな声も多かった気がしますが、当初からこの2組は「ロック要素が強い」という点において、よく比較されていたように思います。

私はももクロもベビメタもPerfumeも全て大好きなので、どれが優れていてどれが劣っている、みたいなくだらない話はしません。

そんなことよりも、BABYMETALを見ていて思うのが「Perfumeが歩んできた道を、メタルで再現しようとしているのではないか」ということです。

ももクロには、ロック好きから大人気のアイドルという顔の他に「バラエティ番組に強いアイドル」という顔も持っています。彼女達自身が「目標は”嵐”や”SMAP”」と公言していますが、まさにその通りだな・・・という感じです。

一方で、BABYMETALはどちらかと言うと事務所の先輩であるPerfumeや、昭和の正統派アイドルに近い方向性を目指しているような気がします。

 

異端なようでいて「昭和のアイドル」感がものすごく出ている

前項からの続きっぽくなってしまいますが。。。

BABYMETALは、ものすごく突飛な音楽性ではありますが「昭和のアイドル」のような真面目さを兼ね備えたアイドルでもあるように思えます。

アミューズの会長であり、キャンディーズのマネージャーを担当していた大里洋吉 氏が、Perfumeに対して「平成のキャンディーズになれ」という言葉を贈ったエピソードは有名です。

キャンディーズ – わな

Perfume – Cling Cling

ネット上でも、Perfumeとキャンディーズの共通点・類似性に言及する人は多いですが「Perfumeのメタル版」とも言えるBABYMETALにも、どことなく「昭和の正統派アイドル」的な生真面目さを感じます。インタビュー等での受け答えを見ていても、昨今のアイドルにありがちな「ガチャガチャ感」が一切無いですからね。

 

SU-METALが「アクターズスクール広島」出身の超エリート

SU-METALこと中元すず香さんと、モーニング娘。の鞘師里保さんが、アクターズスクール広島のトップ2だったという話は有名です。「SU-METAL→歌唱力」「鞘師里保→ダンス」で、他の生徒を引っ張っていたとのこと。

モーニング娘。’15 – スカッとMy Heart

世に出る時期には多少ズレがありましたが、結果的に2人とも大舞台で活躍していますからね。

アクターズスクール広島と言えば、先ほどから度々名前が挙がっている「Perfume」も卒業生だったりします。かつては、アクターズ=「沖縄」でしたが、Perfume以降の卒業生の活躍ぶりを見る限りだと、広島も相当すごいですね。

 

某アイドルのような握手券商法ではなく、純粋に音楽性やコンセプトでウケた

現在のアイドルグループの主流である彼女達を悪く言うつもりはありません。「握手券を付けないとCDが売れないぐらい音楽業界が衰退してる」のは事実でしょうし「音楽に興味が無くてもお金を払ってくれる」人がいるのであれば、結果的にそういう売り方になってしまうも致し方無いのではないかと思います(ソシャゲの「課金」も似たような感じですよね)。

ただ、それでも果敢に「音楽そのものの魅力」を武器に戦っているアイドルグループがいたら、やっぱり応援しちゃいますね。こういう人達が増えてくれば、いつか「握手券に頼らなくても良い音楽市場」が復活するのではないか?と密かに期待しています。

余談ですが、私は意外と某グループの楽曲は嫌いではありません。J-POP大好きでおなじみ、元MEGADETHの「マーティ・フリードマン」さんも楽曲を評価しているぐらいですし、決して粗製濫造ではありません。良くも悪くも、”商法”が楽曲の良さをつぶしちゃってる気がしないでもないですが、売れなきゃ意味がないので仕方ない気もします。。。

 

最後に

「後付け」と言われてしまえばその通りですし、あくまでも私の独断と偏見に過ぎません。

ただ、これだけの「売れる理由」が揃っているのであれば、ブレイクしないわけがないと思います。まさか、ここまで大ブレイクするとは思いませんでしたが。

個人的には、Perfumeのように「年齢に伴って、楽曲やダンスの振り付けを大人向けにシフトさせていく」みたいな形で、息の長いメタルユニットになってほしいです。本人達に長く続ける意志が無いのであれば仕方ないですが「唯一無二のポジション」ですから、出来れば守っていってほしいかな。。。

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